而今(じこん)と言えば、日本酒好きな人からしたら知らない人の方が少ないであろう有名かつ「入手困難」と言われる日本酒銘柄の1つです。
そんな而今という銘柄のお酒を醸しているのは、三重県名張市にある「木屋正酒造」(きやしょうしゅぞう)さん。
創業1818年となる200年以上続く酒蔵さんです。
今回、木屋正酒造の6代目蔵元杜氏となる「大西唯克」(おおにしただよし)さんをゲストに迎えた日本酒セミナーに参加してきました。
などなど、今まで知らずに飲んでいた「而今(じこん)」という日本酒について学んできましたので、こちらの記事で共有してゆきたいと思います。
まず、わたし自身の而今のイメージについて書いてゆくと
といった印象の銘柄の日本酒で「飲むと美味しいし、また飲みたくなるけど、どんな日本酒なのかあまり知らない」というのが現状でした。
今回のセミナーでは、而今がなぜ美味しくて多くの日本酒ファンに支持されているのかが腑に落ちるような内容となっていました。
その入手困難となる而今の特筆すべき魅力は3つありました。
どういうことなのか?
知らないで飲む而今よりも「知って飲む而今」の方がより美味しくいただける内容ですので、それぞれ解説してゆきたいと思います。
通常、日本酒蔵で働く人の伝統的なスタイルとしては
「蔵元」が蔵の経営をし、外部から「契約杜氏」を雇い酒を造り、その下に杜氏が連れてきた手足となる「蔵人」がいる。
といった、ピラミッド型の組織(蔵元が一番偉く、次に杜氏、その下に蔵人)として日本酒を醸すことがほとんどでした。
わかりやすく言えば、蔵人さんはアルバイトで上の言うことを聞いて働いていればよいといったイメージでしょうか。
この図式の場合、日本酒造りに関する責任は全て杜氏さんにあり、下で働く人たちに責任という意識は芽生えにくいためモチベーションはさまざまです。
ですが、木屋正酒造さんでは「蔵元であり杜氏である」大西さんが中心となり「蔵人さんは全員社員」というチーム而今として日本酒を醸しています。
これにより
といったチーム全員が高いモチベーションをもって而今の味わいを支えることができているのです。
ちなみに、木屋正酒造さんで働いている人は「若者が多い」とのことでした。
そして、6代目蔵元杜氏となる大西唯克さんは現在46歳。※2022年現在
杜氏歴は17年で、日本酒造りに携わって19年。あと20年くらいは杜氏としてやっていく予定と話されていました。
実は、而今が醸されている「名張」という土地が酒造りをするにあたり「すごく恵まれた最高の環境」というのはご存じでしょうか?
と言われている土地で、良い米が取れる素晴らしい条件が揃い「最上の米と美しい水」という名張の特別なテロワールにて酒造りが行われています。
また、名張はかつて(約400万年前)琵琶湖だった土地とのことで田んぼが粘土質土壌(カルシウムの多い土地)というのも特徴です。
肥沃で養分の多い稲作に最適な土地なので、名張で作られた地元契約田の「山田錦NABARI」は、兵庫県の東条、吉川、秋津等の山田錦と比肩すると言われます。
なお、名張の水は自然の濾過により水の純度が高く、硬度55の軟水で適度にミネラルがあり発酵が穏やかになります。
また、含有するカルシウムがマグネシウムの7倍も多く、輪郭がありつつも、余韻がやわらかく優しさを感じるお水となっています。
そして、カルシウムが多いとお米が良く溶け、旨味やお米のパワーがお酒に溶け込むというのも特徴になります。
一般社団法人J.S.PのYouTubeでは、木屋正酒造さんがどんな土地で醸されているのかや蔵の内部など映像がありますのでぜひ1度ご覧ください。
jsp 而今 UTAGE限定商品紹介
https://www.youtube.com/watch?v=aEbatY7rneg
「而今の大西さん」と言えば「麹のスペシャリスト」として日本酒業界では有名なようです。
それほど、麹造りに対するこだわりが熱く「0.1度の温度、0.1%の湿度にこだわる」徹底した麹づくりをされています。
而今の求めるお酒については下記のように話されていました。
—ここから—
而今の求めるお酒とは「旨み甘みが凝縮しているけど軽やかな液体を造る」ということ。
そのためには
毎日の仕事の中でも、お米を洗って、布を洗って洗濯したり掃除したりとほとんど8割ぐらい掃除をしている。
そして「フレッシュでジューシー」
フレッシュとは、絞ったあとはできるだけ酸化させずに瓶詰めし、炭酸ガスは残しておくという発想。
ジューシというのは、酸と甘さのバランスを取ること。それでこのような味わいになっている。
酸に関しては、下手な造り手が造るとエグイ酸がでるところを、衛生的な酸(自然に出る酸)を造るというのが大事だと思っている。
考えとして
だと思っていて大きく分けて2つ微生物を操っている「麹菌は植物」「酵母は動物」だと思って酒造りをしている。
人間ができるのは、水分管理・温度管理・タイミングを取ることしかない。
それをいかに判断していくかというのが杜氏の腕だと思っている。
洗米・麹造り、発酵にもどれだけ水を吸わすかというのがすごく大事、麹づくりにおいて土壌にどれだけ水分を含ますか、ここで味が変わると言っても過言ではない。
—ここまで—
このほかにも、麹造り~搾り、瓶燗といった最終工程までの詳細などを聞くことができました。
以前、大西さんが仰っていた
酒っていうのは人間が造っているようで、実は麹菌と酵母2つの微生物を育て、はぐくむことによっていいお酒が結果としてでてくると思っている
という言葉、その意味がより理解できた内容となっていました。
而今のお酒の種類って、全部でどれだけの種類があるか全てを言うことは出来ますか?
わたしは全く知らなかったのですが、酒造好適米をこれだけつくっている蔵は珍しく種類も増えたり減ったりしているようです。
それは、実際にお酒を醸してみて自分に合わないお米は使わなくなって、自分に合ってファンのあるお米を使っているからとのことです。
ちなみに、使わなくなったお米は「神の穂」「美郷錦」。
ゆくゆくは三重のお米の比率を上げてゆきたいとのことでした。
而今には4つのシリーズのお酒があります。
価格に関しては、「定価・税抜き」にて記載しています。※2022年現在の価格
三重県産「山田錦」(麹米)と石川県産「五百万石」(掛米)をブレンドしたスタンダードシリーズ。
それぞれ「火入れ」と限定品として「無濾過生」も存在します。
希少なシリーズで特別なお米で醸された特別なお酒です。
ほぼ手に入れることが不可能となる「雄町の中で最上級」のお米で醸されたシリーズです。
而今のお酒にこんなに沢山のシリーズがあったとは知りませんでした。
ネットではほとんど購入できないお酒なので「転売価格」で出回っているのを見る人もいるかもしれません。
定価を見てみると「意外と安い!」と思った人も多いのではないでしょうか。
転売に関して大西さんは、転売はやめていただきたいけど、それだけの値を付けてもらって半分ありがたく、半分はこの業界の課題だと思っている。
と仰っていました。
確かに、価値が付くというのは造り手からしたら名誉のあることですが、転売の無い業界になることを願わずにはいれません。。
転売は、売るのも買うのもダメ・絶対。
今回のセミナーを受講するきっかけとなったのは、やはり「而今のお酒が飲める」という点でした。
飲食店さんで飲む際は、あまり銘柄(種類)を気にせずに飲んでいたため「このお酒はこういった特徴がある」と理解しながら飲めたのが嬉しかったです。
今回、試飲できたお酒は下記の13種類です。
それぞれの特徴(説明)と「実際に飲んでみてどうだったのか?」を唎酒師のわたしの感想と共に一緒に記載しておきたいと思います。
火入れなので、落ち着いていて穏やか。
1番たくさん造っているお酒「定番純米」而今の中でベーシック酒。
できるだけ飲食店さんに安定供給をして欲しいということで、1年間定期的に出荷しているお酒。
1番名刺代わりとなるのお酒なので、木屋正酒造の技術を1番注いでいる。
而今全般に言えることで、後半の旨み、アミノ酸を感じて欲しい。
飲みこんだ後に自然のような旨みが口の中にジワッと残る。
これがあるから而今のお酒はいいと思っている。
旨味がないと単純に甘いだけのキレイなお酒になってしまう。
旨味を出して、酸と苦と渋で切ることが食中酒としてのポテンシャルなのではと思っている。
ふわっとメロンの香り。甘くて青い。
きれいな酸味も香る。
飲んでみると「おいしっ!」
甘味からの後口にキレや酸味、口の中に甘さがふんわり残る。お米の甘さ。
改めて飲むと、後口のキレが印象的。
こちらの方がガスを感じていただける。
できるだけ搾ったままのお酒が最高だと思っていて、ポンプの数を減らしたり、タンクの上からジャバジャバ移動させない、ポンプの回転数を落とすなど
できるだけお酒にやさしく負荷をかけないような瓶詰めをしている。
昔は火入れだけどガス感があるお酒がなかったけど、わたしが先駆けとしてやったと思っている。
昔はお酒をいじくりまわして酸化がすすんでしまうということがほとんどで、それを改善した。
甘いパインの香り。
パインアメより甘いもっと美味しい甘味。
飲むととても甘い。
甘味がわーっときて酸味も少し舌の真ん中に残る。
後口の甘みがおいしい。
改めて飲むと厚みのある甘さ。
他の蔵のにごり酒との違いは、人の手で・ざるでゆっくりゆっくりざるふりをしていること。
16メッシュのざるでホームセンターに置いてあるようなざるを使っていますが、精米が60%でカスが45%ぐらいの溶け残りを除去するのに丁度良いざる。
ゆっくりゆっくり振ることで、シルキーな舌触りになって「にごり酒だけど味が濁っていない」透明感のあるお酒になっている。
にごり酒は嫌いだけど、而今のにごりなら飲めるという声もある。
チーズの香り!
かぐほどに、これはチーズ!
飲むと舌にジュワ。
甘くて酸味もある。
バランスがとても良い。
後口は酸、そしてにごりのシルキーさとお米の甘さがふわふわ口の中に残る。
改めて飲むと、やはりチーズ感。
そして甘酒を想像できる甘さからの後口はきれいにまとまる。
八反錦はすごく溶けるけど味があっさりしている。
この中で一番細い、シャープなタイプ。
そのため、八反錦の米を使う場合はできるだけ長期発酵させる。なかなか出にくい味を出そうとしている。
ラベルの色もお酒のイメージを表していて、黄色みがかったパイン系の味がすると思っている。
【補足】八反錦が1番グルコース(旨さ)が少ない。
パインの香り。
甘過ぎずきれいなパイン。
味わいもパインできれいな甘さと酸味。強くない。
後口はキレというか、きれいにキレる。
改めて飲むと、緩やかさがあり美味しい。
上立ち香が苺のショートケーキのように、甘い香りがする。
ストロベリーのようないちごの香り。
特徴として、甘くて旨いんだけど切れ味が軽やか。
甘さがベターっと続くようではだめで、後半の酸と渋みによってキレ上がる。
パッと余韻が短すぎてもダメでスーッと喉の奥に抜けていき、飲み込むのがもったいないなと思うようなお酒が良いと思っている。
香りが、ショートケーキやベリー系というのがわかる!
飲んでみると甘さがやわらかい。
後口は酸味を強く感じました。
改めて飲むと、水のキレイさが分かるお酒。
木屋正酒造では、三重の山田錦を一番長く使っている。
17年前デビューした時もこれで仕込んで試飲会の時に持って行って評価してもらった思い出の1本。
山田錦のお酒を定点観測してもらうと、うちの味わいが分かる。
昔はもっと甘くて香りがあった。もっと濃かった。
年を重ね、経験値を積み、だんだん変わって来てバランスを取ることが大事だと思っている。
昔15年前の無濾過生原酒ブームの際は、濃くて甘いほうが評価されていたけど、段々それだと量が飲めないし食事との相性も合わないというのもありバランスを取るように変わってきた。
山田錦は一番優等生なお米で、酸・渋・苦・旨…といった5角形のバランスが一番取れるお米。
熟成に向く。山田錦だけ3年5年経ってもダレてこない。
これが酒米の王様と言われる由縁だと思っている。
甘さのある香り。
酸味も穏やかに香り、パインぽさも感じる香り。
飲んでみると、1番おだやかで飲みやすい酸味感。
美味しく飲める。
改めて飲むと「わたし山田錦好きだな」と思う1本。
料理と合いそう。膨らみ方がすき。
甘味が特徴。すごく良く溶けるお米。
熟れたマンゴーやパッションフルーツのような香り。
一見単調に甘いようになるけど、そうならないように仕込んだのが而今の愛山。
お酒はでんぷんから出来てくるので甘さと旨みというのがやはり特徴だけど、それをどう上品に表現するというのが杜氏の腕になってくる。
ベタっと甘くなく、酸でスッとキレるお酒を表現している。
なるほど、これがマンゴーの香りなのか…
わたしはマンゴーとパイン、一緒に(同様の香りに)感じちゃっているかもしれません。
ここまで香って来て「パイン率が高い」のでお分かりいただけたかと思います…
6)の山田錦よりも甘いパインの香りがします。
飲んでみると、甘さがキレイにスッと入ってきます。
きれいで酸味がやわらかく…でもしっかりと酸味を感じます。
今まで飲んだ愛山の日本酒と比べ、穏やかさのある甘み。
酸味はキュート。
改めて飲むと、甘さよりも酸味の方が表面に出ている感じがします。
而今で初めてきもとで造ったお酒。
秋津の山田は中々手に入らない、コロナだから譲ってもらえた貴重なお米。
特A地区の中でも素晴らしいお米。
このお酒がきもとと当てられる人は中々少なく、こんなキレイな生酛ができるんだと感じて欲しい1本。
生酛香は、京都の千枚漬けのような香りが出る。これは酪酸菌が湧いてしまっている状態で、これは温度管理で回避できる。
優良乳酸菌は8℃~10℃くらいで湧く、10℃~15℃くらいに持って行くと悪玉乳酸菌が湧いてしまうということで、緻密な温度管理によって生酛特有香がでないようにできる。
変わった香り!
他とは違う香りがします。からの、パイン。
飲んでみると、飲みやすい!
甘さが良い感じで、後口さっぱり、スッキリキレ感。
おいしいです。
きれいな甘さ。
確かに生酛と言われないと、このお酒が生酛だと分からないです。
名張の粘土質の土地で造ったタカナミさんという農家さんのお米。
NABARIは一番よく出来ていると思っていて、余韻の美しいお酒。お米の力が出ていて、東条の秋津よりも最近は名張の山田の方がいいなぁと感じている。
毎年毎年お米が入荷して品質はバラツキがあるけど、名張だけはばらつかない。
兵庫県の山田錦は少しブレてきていると感じている。
こちらも香りは、パインが香ります。
甘さもあるけど、酸味。さっぱりする香りです。
飲んでみると、あ!美味しい。
酸味きれいで後口もきれい。
唯一木桶で造っている生酛。
吟醸香が木に吸われ、少し穏やか。含むと後半木の香りがする。
(木桶は、木の香りをうつすと共に、余分な香りも木が吸ってくれる)
木を感じると安らぎ効果もあるし、まるでワインの樽香も感じる。
木の種類は杉。
大阪府堺にあるウッドワークさん、最後の木桶職人の方に造ってもらった。
青りんご?
酸味がスーッと香り、これは木?
飲んでみると、甘さ、不思議な感じからのすーっときれいな酸味。
後口は苦味も残る。
途中の酸味が印象的なお酒。
比べると、東条秋津山田錦のきもとの方が好みです。
9)のNABARI山田錦を袋吊りにしたお酒。
なぜ取ったかというと大吟醸の全国新酒鑑評会に出品しようと思っていたお酒。
結果的に出さなかったけど、それだけ実験的に取ったお酒で4合瓶で60本くらいしかないお酒。
雫取りにすることによって、やさしく絞られている。
薮田でしぼったよりも、本当に渋みと苦味がない、甘と旨のやわらかい球体のようなお酒。
斗瓶の18Lで囲うことにより丁度丸くなる。2週間くらい斗瓶で置いて、瓶詰め詰め替えして火入れしたもの。
酸味、パインの香り。
キレるようなものも香る。
飲んでみると、うわっ、おいしい…。
球体がとてもよく分かります。
甘さからして丸みがあり、酸味もツンツン飛び出ない。
これはまぁるいお酒。角が一切ありません。
改めて飲むと、美味しっ!
全部飲んでみてこれが一番おいしいかも。すきです。
200周年を機に、代々受け継がれてきた高砂(たかさご)銘柄をリブランドしたいと思い造ったお酒。
これだけ酵母が違う。
他のお酒は而今全般「自社保存9号」(木屋正酵母/マイナス80℃の凍結保存)を使っているけどこれだけ熊本の酵母を譲り分けてもらった「熊本9号」を使っている。
どちらかというとクラシックタイプの印象。
1番異なる香り。
乳酸菌?ヨーグルト?
飲むと香りが広がります。
甘さがありつつスーッときれいに去っていくお酒。
キレイさのある酸味。
木屋正酒造の中でも1番高いフラッグシップのお酒。
なぜ高いかというと、雄町は世の中にあるのはほぼ1等米か2等米しかなく品種改良が行われていないのでどうしてもお米の出来にバラツキがある。
でも岡山の時光さんという酒米農家さんだけが「特等や特上」を出せる。
それだけ貴重で、たった0.1%の発生確率となる雄町で醸したお酒。
※特等・特上の雄町を出したのは時光さんが世界で史上初。
何がすごいのか?粒ぞろえが良く、ぷっくりとラグビーボールのように膨れた粒が揃っているのがこの時光さんだけ。
2018年に史上初めて特上等級の雄町が出たので、このお米で誰が造ったらいいかね?と農家さんが考え、大西君が造ったらいいのでは?と声を掛けてもらった。
特上雄町を醸したのはまだ大西さんしかいない!という貴重なお酒。
時光さんは山田錦の種子も作っている。優れた農家さん。
–補足–
今回のこちらのお酒は特上ではなく、2020年に収穫された雄町の最上等級となる「特等雄町」のお酒。
いまでやの社長さんが隠し在庫として持っていたものを飲み比べとして出してくれた一般の人は早々出逢うことの無いであろう貴重なお酒。
精米歩合を35%まで磨いたお酒で、大西さんは精米歩合は35%が限界だと思っていて、それ以上削っても成分が変わらない。
周りの余分なたんぱく質や脂肪を取り除いて、でんぷんの結晶を出来るだけ液体にしたいと思って造った。
お米の旨みを出来るだけ残したいと思って醸した。
水を詰め気味に(あまり水を入れずに)造って、濃く造ろうとした。
ゆっくりと噛みしめながら味わって頂きたいお酒で、旨味とか甘みとか厚みというのをゆっくり観察して欲しいと思っているお酒。
香りはスッとするパイン!
もう、パインしか出てきません!
飲んでみると、旨みのある甘さ。
甘さが美味しいと感じます。
そして酸味。
後口はスー―っとします。旨みがとにかく凄い。
噛みしめながら味わいたいというのがよく分かります。
雄町のキレさもあります。
甘味が美味しく、でも甘さはずっと残らずに酸味からのお米の甘さと香り。
この後口に残る「お米の甘さ」がアミノ酸(旨み)なのかな?と今日一日を通して感じました。
飲み比べをしてみて、雄町よりも山田錦が自分の好みということが分かり、このお酒も「特等」と言われないとありがたみが無いかもしれません…
(こんなわたしに飲ませちゃダメなお酒なのでは?)
ですが、とても美味しいお酒でした。
今回、而今の大西さんがゲストの日本酒セミナーに参加してみて、いままで知らなかった「而今というお酒」について
などに触れることができました。
入手困難と呼ばれる通り、気軽に購入できるお酒ではありません。
「種類や価格、味わいの違い」などを知り普段飲むことのできない希少酒も実際に試飲し体感することが出来て嬉しかったです。
大西さんは「単純に美味しい、酔うためのお酒として造っていない」と仰っていました。
わたしの父も職種は全く違いますが職人なので、大西さんはとても職人さんなんだなぁと「お酒は人を表すと思っている」という言葉にも納得でした。
そして今回、而今のお酒を13種類飲んでみて、どのお酒も後口にお米の甘さと香りが残ると感じました。
これが「而今というお酒なのかな」と思いましたが、わたしが持っている香りのバリエーションや表現のバリエーションが少ないため上手く説明できません…
もっと勉強しなくては!
而今のお酒はまた飲食店さんで飲むか、酒販店さんで出逢えたら家でゆっくりと味わってみたいと思います。
日本酒セミナーは普段飲めないお酒が飲める&そのお酒のことをもっと知れるので楽しいですね!
この機会に感謝!
\初めて購入した而今の感想はこちら!/