日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、秋田県にかほ市にある「株式会社 飛良泉本舗」(ひらいづみほんぽ)さんの醸す、「FOUR SEAOSONS 夏 涼冷え」です。
飛良泉本舗さんより、2021年の今年から新しくリリースされた「四季」を感じるブランド「FOUR SEAOSONS」(フォーシーズンズ)シリーズ。
秋田県にかほ市の地で日本酒を造ること500年以上。
そんな「にかほ市」の四季折々の表情を山廃づくりの日本酒で表現したのがこの「FOUR SEAOSONS」シリーズです。
こちらの2本目となる「夏 涼冷え(すずびえ)」は、名前の通り「夏季限定」で醸される日本酒です。
2021年の今年は、6月26日ごろより酒販店さんの店頭に並びました。
涼やかな冷酒をテーマとして、飲み口の軽さ・低アルコールを目指して醸されています。
といったように「夏」を意識した酒質設計となっています。
今回は飛良泉本舗さん自慢の「山廃づくり」に加え、13%という低アルコールでも飲みごたえを出すために「四段仕込み製法」が採用されています。
山廃づくりに関してはこちらに記載しています。
通常、日本酒は「三段仕込み」にて醸されます。
日本酒造りの際、本格的なアルコール発酵を行わせるために、掛米・麹米・水・酒母を投入して「醪(もろみ)」を造ります。
この醪を造る際の原料の投入を「3回に分けて」行うことを三段仕込みと言います。
四段仕込みは、さらに甘みのある酒質に仕上げたい時などに上槽(搾る)前に、蒸米・酒母・酒粕などを投入する手法になります。
飛良泉本舗さんではこの「四段仕込み」を採用することで、加水せずに低アルコールでも飛良泉らしい飲みごたえを出すということに挑戦されました。
これまで販売している、マル飛や飛囀(ひてん)といった銘柄のアルコール分は15%~16%です。
FOUR SEAOSONS「春」うすにごりは14%。
飛囀(ひてん)スパークリングは10%でしたが、スパークリング日本酒ではない銘柄で「13%」という低アルコールは初めてです。
「どんな味わいとなっているのか?」
飛良泉ファンの方も気になる1本となったのではないでしょうか?
飛良泉本舗さんの日本酒は、少しずついろいろと飲むようになったわたしです。
前回の春酒となる「FOUR SEAOSONS 春 うすにごり」を飲んでみて、美味しかったのでこちらの「夏 涼冷え」も発売を楽しみにしていました。
酒販店さんのポップには「大人のスポーツドリンク」と書かれていたので、アクエリアスやポカリスウェットの味わいを想像しました。
日本酒なのにスポーツドリンク。
面白いですよね。
ゴクゴク飲めちゃうのか?
早速開栓していきたいと思います。
…、
……、
うん…香りはあまりありません!
さっぱり!
思っていたよりもさっぱりします。
レモンやグレープフルーツのような酸味。
でもレモンほど強くなくて、やさしい酸味。軽やかさもあります。
スポーツドリンクって「甘味が強い」イメージがありますが、爽やかさが強いです。
サラダと一緒だと、甘さが少し引き出されます。
やさしい酸味と軽やかな甘み。
落ち着いたさっぱり感で、飲みやす過ぎる感じもあります。
あと、飲んでいると胃が落ち着く感じもあります。
塩は、甘さが出ますが基本さっぱり。
タレは、甘みが「ちゅん」と引き出されますが、後口にキレっぽさも出ました。
うーん、キレっていうよりも爽やかさUP!という感じですかね。
基本的には「やわらかいお酒」という印象が強いです。
飲んでいると温度が上がってきますが、冷たいほうが美味しいです。
キンキンに冷やして飲みたい。
うん、おいしいです。
1日では飲み切らずに、開栓前はマイナス5度で冷やせる日本酒セラーに保管していましたが、冷蔵庫へ移し0度で保管をしていました。
味わいの変化はあったのでしょうか?
早速香ってみると、やはりあまり香らず…少しまったり感と酸味を感じます。
初日よりも少しジューシーさが出ました。
甘みを感じてからのレモンのような酸味。
さっぱり爽やかさ。
そして、後口にはお米を感じますが、かなりさっぱり系のお酒という印象です。
ねばねばサラダは、さっぱり感があり酸味も良い感じに合います。
豚バラのみょうが巻きは、舌に甘みを感じてからの酸味&さっぱり。
お酒と一緒だととてもさっぱり食べれるので、豚の脂が気になりません。
夏にとってもピッタリなお酒です。
「酸味さっぱり」の夏酒と言えば「仙禽 かぶとむし」が印象的ですが、かぶとむしより味があるイメージです。
味…というか味わい?厚み?
やはり「山廃づくり&四段仕込み」となっているからでしょうか。
比べて飲んでみたかったです。
\仙禽 かぶとむしの感想はこちら/
重たくなくて軽いので、夏の暑い季節にとってもありがたい味わいのお酒でした。
おいしかったです!
ごちそうさまでした♪
わたしは、飲んでみて「また夏の暑い季節に飲みたいな♪」と思いましたが合わない人も居るかと思います。
それは、
です。
ですが、
「夏の暑い時期に、爽やかに飲める日本酒を求めている人」
にはお勧めの日本酒となっています。
日本酒特有の重たさが無いので、スルスルと飲みやすく暑さでバテ気味のカラダにも染みる美味しさのお酒でした。
ちょっと待って、
それって正しくスポーツドリンクですよね?
なるほどなぁと思いつつ、夏 涼冷えの日本酒を購入したあなたはボトルはぜひ取っておくことをお勧めします。
こちらは前回の「春 うすにごり」でも紹介しましたが、春夏秋冬のボトルを並べるとある絵柄が浮かび上がってくるためです。
2本の写真を並べて撮ってみましたが、まだちょっとわからないかもしれませんね。
次の「秋 ひやおろし」も買わなきゃ!
と思いつつ、まだ購入出来ていませんが「9月24日より全国販売店にて発売中」となっています。
シリーズものってコンプリートしたくなっちゃいますよね(笑)
味わいも楽しみつつ、絵柄も揃えていきたいと思います。
飛良泉本舗さんでは、公式オンラインショップを用意していますが「FOUR SEAOSONSシリーズ」を購入することはできません。
公式サイトには、近くの酒販店またはお取り寄せ先を紹介しますので下記までお問い合わせくださいと記載がありました。
なお、飛良泉本舗さんは一般社団法人J.S.P(ジャパンサケショウチュウプラットフォーム)に加盟しています。
下記のページにて一部の取扱店さんを確認することが可能です。
GoogleやYahoo!などで検索する場合は、
【飛良泉 特約店】
【飛良泉 販売店】
といったキーワードで検索するとヒットさせることも可能です。
わたしがよく利用するオンラインショップは下記の通りです。
気になったあなたは参考にしてみてください。
種別 :山廃 純米
原材料名 :米(秋田県産)米麴(秋田県産米)
原料米 :秋田県産酒造好適米100%使用
精米歩合 :60%
アルコール分:13度(原酒)
使用酵母 :記載なし
日本酒度 :-7.0
酸度 :1.9
内容量 :720ml
価格 :1,760円(税込み)
製造者 :株式会社 飛良泉本舗
所在地 :秋田県にかほ市平沢字中町59
公式サイト :https://www.hiraizumi.co.jp/
Instagram :https://www.instagram.com/hiraizumi_sake/
2021年9月3日より、Instagramに公式アカウントを開設した飛良泉本舗さん。
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10月4日に発売スタートとなった「マル飛 秋のにごり酒」も気になっている今日この頃です。
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