福島県西白河郡矢吹町にある「合名会社 大木代吉本店」さんが醸す日本酒のひとつに
という銘柄があります。
わたしは勝手に「楽器ちゃん」と呼んでいるのですが、SNS上では「ガッキー」という愛称で親しまれているお酒です。
今回は楽器正宗の「sessionシリーズ」となる
の2本を飲み比べてみました。
どんな味わいの日本酒だったのか…?
早速、見ていってみましょう♪
大木代吉本店さんの醸す日本酒と言えば「自然郷」という看板銘柄のお酒で親しまれていますが、現在では「楽器正宗」の方が有名なのではないでしょうか。
楽器正宗は、もともと自然郷より前に醸されていた日本酒で2018年に復活となった銘柄です。
その造りは「本醸造」と、醸造アルコールが添加された日本酒ですが「醸造アルコールの添加を感じさせない」美味しい味わいに人気沸騰!
当サイトでも初めて飲んだ楽器正宗の味に感動しました。
\その時の記事はこちら/
その後、本醸造タイプとは異なる「純米」タイプやブランド米を使用して醸される「混醸シリーズ」、試験醸造酒となる「sessionシリーズ」などを発売。
さまざまなチャレンジや表現の幅を広げ、飲み手も楽しめる日本酒を次々と醸されています。
今回いただいたのは2021年版の「sessionシリーズ」の2本です。
sessionシリーズは、2020年より発売となったシリーズでラベルの裏には下記のように記載されていました。
セッションシリーズではこれまでの既成概念にとらわれず、さまざまな視点から日本酒を検証し、醸造の可能性に挑戦してまいります。
こちらは毎年同じ内容のものが醸される訳ではなく、毎回異なるテーマにて醸されているお酒です。
2020年は8月に第1弾が発売され、9月、10月と第3弾までの発売となりました。
福島県開発の新品種となる酒造好適米「福乃香」は、母に「誉富士」父に「出羽の里」を交配した品種の酒米です。
高精白が可能で、心白も大きく、雑味のないきれいな味わい&溶けやすいことから香り高くなる特徴があります。
2019年11月に品種登録出願をされた酒米で、楽器正宗では精米歩合60%の純米吟醸酒として醸されました。
酒質設計においての仕込配合は酵母や種麹と同様に重要な役割を担っています。
session2では、味わいの軽快さを求め麹歩合を最低限まで抑え、一方で含香の豊かさ、そして調和に注力して醸されました。
こちらも、精米歩合60%の純米吟醸酒となりました。
味わいの軽やかさを求め、上槽で使用している横型空気圧搾機のPRESS圧を最低限まで抑え時間をかけて柔らかく搾られたお酒です。
醸造アルコール入りの「特別本醸造」として醸されました。
通常の
といった銘柄と飲み比べするのがその味わいの違いをより体感できる方法だったのかもしれません。
このように、テーマに合わせて「いつもと違った味わいを楽しめる」のがsessionという試験醸造シリーズになります。
そして今年は、2020年12月に第1弾が発売され、4月、6月、7月、8月の全部で5回sessionシリーズが順次発売となりました。
となりました。
このように並べて見てみると「1度しか味わえない出逢いのお酒」がセッションシリーズなのだということが分かります。
わたしも気付いた時には「第3弾」が発売されていて「第4弾」の2本までは購入出来ましたが「第5弾」は逃してしまいました。
発売時期が決まっていないのもこの「セッションシリーズ」特有なのかもしれません。
来年はどんなセッションを楽しめるのか?
いまから待ち遠しい人も多い大人気のシリーズとなっています。
今回は同時の飲み比べではなく、別々の日にそれぞれのお酒を飲んでいます。
楽器正宗のお酒を飲むのは前回の「別撰 中取り」に続き2回目だったので「セッションシリーズがどんなお酒なのか?」知らずに購入しました。
「見たことの無いラベルの楽器ちゃん…!」
と手に取ったのが最初の出逢いです。
どんな味わいの日本酒だったのか?
実際に飲んでみた感想を書いていきたいと思います。
今回購入できたsessionシリーズ第3弾。
ラベルの裏には
食事の前に飲むお酒は五感や胃を刺激して食欲を引き出す効果があります。
今回のセッションでは食前酒としてより華やかな苺やリンゴ系の果実味を持たせ、それでいて盃の重なる軽やかな酒質に仕上げました。
と記載されています。
醸造アルコールの入っていない、アルコール分13度の特別純米酒として醸されたお酒です。
早速、開栓してゆきたいと思います。
ラベルの裏に記載の通り、りんごやいちごのような香りがします。
酸味もありますが甘~く香ります。
香り高く華やかさあり。
ジュワっと感が強く、舌が少しピリッとしました。
酸味が刺激的です。
りんごのように爽やかで、香りに感じたほど甘さはありません。
後口にはお米のキレ感とアルコール感が残りますが、飲んでいる時は酸味の強いリンゴジュース感があります。
さっぱり。
飲む度にジュワジュワと刺激的で、面白い酸味です。
爽やかなお酒です。
食前酒ですが、料理と一緒にいただいてみました。
ねばねばサラダは、さっぱり感。
豚キムチは残念ながら合いませんでした…。
キレが強くなり、酸味も強く感じました。
今回は日本酒セラーがいっぱいだった関係で、開栓前から冷蔵庫の野菜室(0度)にての保管でした。
味わいの変化はあったのでしょうか?
香ってみると、甘さのある美味しい香り。
華やかで苺っぽい香りです。
飲んでみると、ちょいジュワっとからのさっぱり爽やか。
舌にジューシー感もあり甘さが広がりますがこれは「リンゴ酸」!
酸味がとても良い感じです。
飲む度に舌にジュワジュワと刺激があり、甘さが甘過ぎずに酸味とマッチしていて美味しいです。
ちょっと待って。
開栓初日より美味しいのだが。
今日はチャーハンです。
チャーハンを食べた後に飲んでみると、合う!
飲む度のジュワジュワ感が本当に美味しくて、甘酸のバランスも良いです。
軽さもよし!
甘ジュワ~からの酸味さわやか。
初日に感じた、お米のキレ感や日本酒感がありません。
これは美味しいお酒!
楽器正宗は開栓後、直ぐに飲みきらなくても大丈夫…というイメージがあるため3日間に分けて飲んでみました。
味わいの変化はあったのでしょうか?
まったりした香りがします。
バナナ?メロン?といったまったり感のある甘さが強い香りがします。
少しジュワっと舌にジワジワ。
しっかりとした甘さと酸味がうまく合わさって抜けてゆくので後口はさわやか。
ジューシーな甘さからの爽やかさがあります。
美味しい!
開栓6日目の今が丁度良いかもしれません。
とても飲みやすくて、食前酒として優秀なお酒です。
ウインナーは甘さが引き出されて、きゅんきゅんして美味しい甘みになりました。
サラダ(だしつゆ)は、甘さが美味しくなります。
なにこれ、合う。
甘さがキュンとして軽やかさもあります。
カレーと一緒だと、美味しい甘酸になりました。
酸味がチュンとして合います。
甘みもあるのがおいしい。
料理と一緒だと、香りに感じたまったり感が消えて爽やかです。
飲みやすくてめちゃくちゃ美味しいです。
続いてはこちらの第4弾のお酒です。
ラベルの裏には
柔らかなアタックとそしてキレ。
醸造アルコールの酒質への効果をはかりながら低アルコール下での酒質バランスを最大値で仕上げました。
という、低アルコールなのにアル添という今まで日本酒であまり体験したことの無い酒質のお酒だと思います。
アルコール分13度、精米歩合60%の「特別本醸造」。
一体どんな味わいなのか?
早速、飲んでゆきたいと思います。
美味しい香りがします。
リンゴやみかんっぽい酸味。
キレも少し顔を見せるような香りです。
おいしい!
飲みやすいです。
口の中でやわらかな甘さが広がり、穏やかな旨みも感じます。
後口にはキレ感。
思ったよりも酸味がやわらかく、ツンツンしません。
飲み口には厚みを感じます。
「醸造アルコール添加」というのは言われないと最初はわからないかも。
ですが、後口のキレ感が結構強くここにアル添を感じます。
飲み口はやわらかく、飲み続けているとジュワっと感もあります。
最後のキレが特徴的ですが、やわらかさもあるので嫌な感じは全くありません。
比べると「session3」の方が好きかな。
アルコール分が13度なのに最後が強いです。
サラダは甘味がふわっとして美味しいです。
後口のキレの強さが気にならなくなりました。
ナスの豚バラ巻きは、甘さが強くハッキリとしました。
ふむ、ちょっと甘過ぎかしら?
最後は硬めに去ってゆきます。キレ感に硬さがでました。
一緒だとジュワっと舌に来ます。
甘さも辛さもハッキリします。
おいしいのだけども…
「お酒呑みたーい!」という人には合いそうな味わいです。
13度なのにこの強さ。とっても不思議です。
「やわらかくて甘くてジューシー」なお酒を求めている人には向かないかもしれません。
この楽器ちゃんは柔らかさもありますが、それだけではなくて「猫を被っている」という感じがあります。
ナスの豚バラ巻は味付けがぽん酢なので、この強さはポン酢に引き出された味わいなのかもしれません…。
サラダはさっぱりと、強さを感じずにスーッと食べれます。
こちらも、冷蔵庫にて保管をしていました。
味わいの変化はあったのでしょうか?
香り高いリンゴ。
甘みの強い香り&みかんっぽい酸味。
初日の印象とあまり変わりません。
甘~~いからのキレ。
強すぎないキレ感でさっぱりします。
飲み口の甘さは強く、初日よりもアル添の抜け感を感じました。
でも重たくないふわっと感。
オクラとナスの煮びたしは、さっぱり感ありで甘さが控えめになりました。
甘さの感じがおいしいです。
ほうれん草とベーコンのバター炒めは、バターにお酒の甘さが合わないような感じがします。
甘過ぎちゃう、強くなる感じ。
でも食べて飲んでを繰り返していると、美味しく感じてきました。
甘さに穏やかさを感じ、キレは気にならなくなりました。
うん、美味しいです。
サバは甘さからのスーッと消える感じで、お酒の後口よりサバが強いです。
からあげくんのレモン味!
なにこれ一番合います!
酸味が良い感じに甘さと交わって美味しくなりました。
後口さわやかでうまいです。
session4は、2日間で飲み切ってしまいました。
美味しかったです!
ごちそうさまでした♪
今回は、楽器正宗の2021セッションシリーズ「3」と「4」を飲み比べてみました。
試験醸造のお酒なので今回限りの味わいとなりますが、
という結果となりました。
今回の2本は両方とも「アルコール分13度」の低アルコールでしたが、それぞれ全く違う印象のお酒でなかなか面白い体験ができたと思います。
楽器正宗のお酒はまだまだ飲んでいないものが多いため、他にも飲んでみたいなぁと思える日本酒です。
sessionシリーズは来年もまた発売されると思いますので、気になったあなたはぜひチェックしてみてください。
楽器正宗の銘柄は、蔵での直接販売はしておらず「特約店限定流通」のお酒になります。
取扱店に関しては電話にて正規取扱店を紹介してもらえるとのことでした。
ネット通販を行っている特約店さんであれば
【楽器正宗 特約店】
【楽器正宗 取扱店】
といったキーワードで、GoogleやYahoo!検索をすると見つけることができます。
例えば、下記の酒販店さんにて購入することができます。
なお、セッションシリーズに関しては人気のシリーズのため発売開始後は早めに売り切れてしまう銘柄となっています。
発売時期を逃さないようにチェックが必要な商品ですので、見掛けた際はぜひお早めに!
特定名称 :特別純米酒
原材料名 :米(国産)、米こうじ(国産米)
原料米 :夢の香
精米歩合 :60%
アルコール分:13度
内容量 :720ml
価格 :1,500円(税込)
特定名称 :特別本醸造酒
原材料名 :米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
原料米 :夢の香
精米歩合 :60%
アルコール分:13度
内容量 :720ml
価格 :1,381円(税込)
製造者 :合名会社 大木代吉本店/福島県西白河郡矢吹町本町9番地
公式サイト :https://www.daikichi-sizengo.co.jp/
Facebook :https://www.facebook.com/ookidaikichi/
楽器正宗のお酒はその味わいだけではなく「コスパが良い」ということも人気の理由のひとつになります。
おいしいお酒ですので、飲んだことの無いあなたはぜひお試しください。