前回に続き、久しぶりの更新となる「日本酒と食材のペアリング」。
今回も「ケンタッキー・フライド・チキン」と日本酒のペアリングについて書いてゆきたいと思いますが今回筆(?)を取ったのには理由があります。
もしかしたらこの記事を読んでいるあなたも、こんな噂を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
【新政酒造さんの亜麻猫スパークは”レッドホットチキン”と最高に合う】
…と。
「え?なんですって?」
そんなことを言われてしまっては、ケンタッキー大好きなかの人は黙っていられません。
「試してみるしか、ない!」
ということで、今回は初めて購入できた高酸味系日本酒の発泡バージョンとなる
とケンタッキーを合わせてみました!
【亜麻猫スパーク×レッドホットチキン】
という、美味しいと評判のあるペアリングの結果はどうだったのでしょうか?
早速、はじめて行きたいと思います♪
こちらの日本酒は、秋田県秋田市にある「新政酒造株式会社」さんが醸す、高酸味系酒となる亜麻猫(あまねこ)の発泡バージョンです。
亜麻猫(あまねこ)はPRIVETE LAB(プライベートラボ)というシリーズの内の1本で、新政酒造さんの実験ラインとなる日本酒です。
その特徴は、通常・日本酒を醸す際に使用する「黄麹」(きこうじ)に加え「白麹」(しろこうじ)を使用していること。
日本酒造りに白麹を使用することによって、大量のクエン酸が生成され「酸味増し増しの日本酒」を醸すことができます。
そのため、いつも飲んでいる日本酒とはまた違った味わいを楽しむことができます。
詳しくは下記の亜麻猫(あまねこ)の記事に書きましたので、気になったあなたはぜひご一緒にどうぞ。
\白麹で醸される亜麻猫/
密閉した瓶の中で、生きている酵母が発酵してガスが生み出されています。
このため、お買い上げ後はすみやかに冷蔵庫に入れて管理し、出来るだけ早くお飲みください。
なお品質の向上のため今年から735ml封入したので、開栓の際の難易度が少しあがりました。
噴き出さないように、少しづつガスを抜きながら慎重に開封ください。
といったコメントが書かれていました。
亜麻猫スパークはガス感の強い猫さんで、通常4合瓶は720mlのところ735mlと少し多めに入っていることが分かりました。
(なんだか得した気分ですね!)
実は、亜麻猫スパークを購入するのは初めて!
通常の亜麻猫も購入するのは初めてでしたが、スパークバージョンは売っているのを見るのも初めてとなる日本酒でした。
むしろ「普通に(?)販売されてたんだ…」と昨年はじめて知り驚きました。
そして「ぜひ、自分で買って飲んでみたい!」と思い、2021年11月ついに初の泡猫さんを手にすることができました。
亜麻猫スパークのラベルの裏にはお酒の説明のほかにも
といった、「何番目に仕込まれたロットのお酒で、その味わいは…」というテイスティングコメントも記載がされており、そのお酒を「知る」ことができます。
この識別番号(ロット)により、お酒の味わいはかなり異なってきます。
亜麻猫スパークだからと言ってすべてが同じ味わいではありません。
新政酒造さんのお酒は「ロットごとの味わい」も楽しめるお酒なので、「今年はこのロットのお酒が美味しかったなぁ」といった自分メモにもなります。
なおテイスティングコメントは猫スパだけでなく、2020年ヴィンテージから「PRIVETE LAB」と「Colors」に追加された内容で「No.6」には記載がありません。
これは、No.6は生酒で味わいがどんどん変化していくお酒のため「記載しても飲む頃には味わいが変わってしまう」という理由からになります。
そしてこのことを知った時に「ロットで味わいが異なるなら、1本買って満足してたらだめじゃん…」と思ったのはきっとわたしだけではない…はず。
全てのロットを購入することは不可能に近いため、何本かはロット違いを飲み比べてみたいですよね。
初の泡猫さんは、2020ヴィンテージのもので下記の内容となっていました。
こちらを読み解くと、
となり製造から7か月間、蔵で寝かしてから出荷となったお酒と言うことが分かりました。
本ロットの味わいに関しては、下記のテイスティングコメントが記載されていました。
通常よりもやや甘みも少なめに仕上がっており、特に爽快なロットである。
出荷の現時点の発泡もやや強め。もちろん、二次発酵酒のため、発酵は継続している。
バランスが崩れない内の早めの飲用が奨められる。
なにやら、甘め少なめ・ガス感強めといった特徴のあるロットになっているようです。
当サイトで行っている【ケンタッキー×日本酒】ペアリングでは、現在までに出ている結論があります。
「お互いに美味しさを引き立て合う」日本酒の特徴として
という条件を兼ね揃えている日本酒が、ケンタッキーとマリアージュすることが「11種類の銘柄」とペアリングしてきた中で分かりました。
ですが「レッドホットチキン」と日本酒を合わせるのは初めて!
ケンタッキーは大好きなのですが、実はレッドホットチキンは好んで食べない人なのです。
通常のオリジナルチキンとクリスピーが大好きなわたしです。
そんなわたしですがレッドホットチキン、買ってきました!
結果はどうだったのか?
早速、一緒にいただいてみましょう♪
開栓注意なこちらのお酒は、首掛けに「浴室で開栓することをおすすめします」と書いてありました。
どれだけジュワジュワなのでしょうか?
ちょっとドキドキしますよね。
わが家ではマイナス5度で冷やせる日本酒セラーにて保管をしていたので、一先ずそのまま開けてみると
\すんなり開いた!/
シュッ…と少しガスが抜けましたがシュワシュワもさほど見受けられません。
マイナス5度保管、優秀です。
ボトルの底には滓(オリ)がふんわり溜まっていますが、まずはおりを混ぜずにいただきたいと思います。
お米の素材感からの酸っぱい酸味、これは梅かな?
密かに柑橘の香りもします。
どぶろくのような食感のあるお米を口に含んだ時のような香りがします。
わたしは、木花之醸造所のどぶろくハナグモリを飲んだ時の香りを思い出しました。
上顎にジュワ―っと発泡感。
柑橘っぽい果実感と酸味、甘みも口の中を巡ってゆきますが後口はとてもさっぱり!
甘さがスッといなくなっちゃいました。
グレープフルーツを食べた時のような苦味が後口に残ります。
うーむ、美味しい。
酸っぱいだけではなく、ジュワリとした甘さと後口の苦味。
鼻に残るお米の香りなど、味わいを楽しめるお酒です。
口に含んだ時のガス感には満足感もあります。
飲んでいると、さっぱりドライな一面も!
ついに来ましたね。
まずはレッドホットチキンをひと口。
その後に亜麻猫スパークを飲んでみると、ガス感がジュワ―!と強くなりました。
そして甘みが増して美味しいです。
チキンの辛さと良く合い、後口はドライっぽさもあるので良い感じに「油」が流れる…というより「調和」してくれます。
なるほど。確かにおいしいです。
おいしいのですが、普段から「ケンタッキー × 日本酒」をペアリング嗜むわたしからしますと「ふむふむ。なるほどね?」と思いました(笑)
もっと相乗効果で互いを引き立て旨さを楽しめるペアリングを知ってしまっているからです…。
\ケンタッキー×日本酒No.1ペアリングはこちら/
こちらはレッドホットチキンではありませんが、めちゃくちゃ美味しくてリピートするほどな組み合わせなので気になったあなたはぜひ!
折角なのでレッドホットチキンだけではなく、いろいろ買ってみました。
クリスピーの後に飲むと、うん、うまい!
あ、でもお酢っぽい酸っぱさが引き出されちゃったかしら?
レッドホットを食べた後なので、クリスピーとのマリアージュに物足りなさを感じている自分がいます。
しっかりにごりました。
飲むと、シルキーさがでて美味しい~!
酸が突出していますが、甘さと穏やかさがまとめてくれていて後口のさっぱり感が良い感じです。
レモンぽい酸味になりました。
レッドホットの辛さが口に残っているため、余計にそう感じるのかもしれません。
さっぱり!
サラダ(マヨネーズ)は甘さとジューシーさがおいしいです。
マヨに合いますね。
チキンうまっ!
甘さがUPしました。
ジュワっと甘いのが美味しいです。
後口もドライ過ぎずに、甘さがふわっと残るのが心地良いです。
なるほど!
いろいろ一緒に合わせてみて
「このお酒に1番合うのはレッドホットチキンである」
ということが分かりました。
オリジナルチキンも美味しいのですが、レッドホットチキンと亜麻猫の甘さが良い感じにマッチします。
そんなこんなで、1本飲み終わってしまいました。
亜麻猫スパークを家で飲むのは初めてでしたが「好きなお酒か?」と聞かれたら「天蛙(あまがえる)の方が好きです」と答えそうです。
\夏限定!天蛙(あまがえる)/
でもおいしかった!
ごちそうさまでした♪
実は、亜麻猫スパークの「04ロット」も購入することができこちらも飲んでみました!
本ロットの味わいに関しては下記のように記載がありました。
ガス感も適度であり、酸と甘みとのバランスも良好。
前ロットの出来を上回り、2BY亜麻猫スパークの総決算的なロットといえるのではないだろうか。
二次発酵酒のため厳格な低温管理と早期の飲用をおすすめする。
結論から申しますと
\04ロット最高に旨かった…!/
ということです。
ラベルの裏にも記載の通り、レッドホットチキンとペアリングした「03ロット」よりも美味しかったです。
美味しい香り。青りんご感。クリームソーダがすごく分かる!
飲むとシュワシュワ酸味過ぎずに、甘みとのバランスがとても良い感じ。
柑橘っぽさもあり、これはとても好きな味わい。
オリを混ぜて飲んでみると、乳酸ぽい香りUP&梨感もUP!
「これは亜麻猫なの?」
と思う。今まで飲んだ亜麻猫の中でも本当においしい。
とても甘酸のバランスがよくて美味しい。
甘味ありつつ柔らかな酸味。そして後口はさわやか。
…といった感想になります。
2本のロット違いで亜麻猫スパークを飲んでみて、たぶん最初の1本のみであれば「そんなに頑張って買わなくていいかな」と思ってしまったかもしれません。
それは結構入手する道のりが大変だったためです。(特約店さんを巡りに巡りました)
ですが2本目を飲んで「こんなにロットで違うんだ!」というのを認識しました。
え、好きです。亜麻猫スパーク。
もし新政さんのお酒を飲んで「あまり好みじゃなかったなぁ」と思ったあなたは、別のロットを飲んでみると印象が「ぎゅん!」と変わるかもしれません。
日本酒って面白いですね。
結果は
ということが分かりました。
03ロットはさっぱり感が強かったため、04ロットのほうがもっとマリアージュしたかもしれません。
甘酸のバランスが良いほうがケンタッキーに合うと(自分の)データでは出ているためです。
ちなみに、04ロットは天ぷらと共にいただきましたが、めちゃくちゃ合いました。
中でも春菊の天ぷらが1番合う!とメモにありました。
苦味と甘さのマリアージュ。
【天ぷら × 亜麻猫スパーク】
も機会がありましたらぜひお試しください。
新政酒造さんの日本酒は全国にある「特約店」さんにて購入可能です。
特約店さんの一部は下記のサイトで確認ができます。
ですが、新政酒造さんのお酒は「入手困難」ですので、行けば必ず買えるものではありません。
亜麻猫や陽乃鳥、Colorsの銘柄であれば比較的入手できる確率が高く特約店さんによっては店頭にゲリラ的に並ぶこともあります。
いつ並ぶのか?などは不明の為「行って、自分の目で置いてあるのを見るしかない」という方法が基本です。
亜麻猫スパークは、PRIVETE LABの中でも入手難易度が上がります。
こちらもタイミングです。
SNSで「購入した!」といったような投稿を多く見かけるようになった時、酒屋さん巡りをしてみると出逢えるかもしれません。
なお、入荷の問い合わせなどは受けていない特約店さんがほとんどです(問い合わせが多く営業に支障をきたすため)
迷惑はかけぬようにを心掛け、酒販店さんとの信頼関係を築くのが1番良い方法ですが「酒屋さん巡り」もしてみると面白い出逢いがあるかもしれません。
特殊製法 :白麹使用 高酸味酒
アルコール分 :12度
原材料名 :米(秋田県産)米麴(秋田県産米)
精米歩合 :麹米60%・掛米60%
原料米名 :あきた酒こまち100%使用(2020年収穫 秋田県産)
使用酵母 :きょうかい6号
発酵容器 :木桶(4・5号)
醸造年度 :令和2酒造年度(2020-2021)
内容量 :720ml
価格 :1,950円(税込)
使用瓶 :六花附長筒酒入(りっかつきながつつさけいれ)
製造者 :新政酒造株式会社
所在地 :秋田県秋田市大町6丁目2-35
公式サイト :http://www.aramasa.jp/
Twitter :https://twitter.com/aramasayamayu
ケンタッキー・フライド・チキンに合う日本酒は?
という企画のペアリング記事となりますが、今回【レッドホットチキン × 亜麻猫スパーク】をペアリングしてみて
\このお酒に1番合うのはレッドホットチキンである/
という結論がでました。
クリスピーでもなく…
ポテトでもなく…
オリジナルチキンでもなく…
\レッドホットチキンがベストマッチ!/
ですが、オリジナルチキンもとっても美味しかったです。
試したことの無い人はぜひ、亜麻猫スパークを入手した際に1度は合わせていただきたいペアリングとなります。
また、新政酒造さんのお酒はロット(仕込みのタンク)によっても味わいが異なる…ということが本当によく分かる体験もできました。
もちろんヴィンテージによっても味わいは異なりますが、好きなロットを見つけたら得した気分になっちゃいますね♪
03と04しか飲んでいませんが、2020ヴィンテージの亜麻猫スパークリングは【04ロット】が優勝でした!
2021ヴィンテージもぜひ飲みたいと思っています!
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