日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、千葉県山武市にある「合資会社 寒菊銘醸」さんの醸す「寒菊 愛山 50 -Red Diamond-」(かんきく あいやま 50 レッドダイヤモンド)です。
最近SNSでは見ないことの無い、人気急上昇中の酒蔵さんがこちらの寒菊銘醸(かんきくめいじょう)さんです。
「日本酒好きの人はみんな飲んでる」
今ではそんなイメージがわたしの中では定着しており\今選ばれる大人気な銘柄/といっても過言では無いのでしょうか?
千葉県の地酒と言えば「甲子(きのえね)」という飯沼本家さんの日本酒が好きなのですが、今まで寒菊という銘柄の日本酒は知りませんでした。
わたしが気になりはじめたのは2021年頃で「何か最近よく見かけるこのお洒落なラベルはどこのお酒なのかしら?」と思ったのがきっかけです。
目を惹くラベルがとっても特徴的ですよね。
そんなブレーク真っ只中の寒菊銘醸さんは、千葉県の九十九里海岸にほど近い場所に酒蔵があり1883年(明治16年)に創業しました。
全く知らない酒蔵さんだったので調べてみたところ、
といった日本酒業界では異例とも言える経歴にて寒菊銘醸の杜氏となった柳下さん、そして寒菊銘醸の5代目となる佐瀬建一社長とタッグを組み寒菊のお酒を醸しています。
元々は千葉の地酒として地元に向けた日本酒を中心に醸していましたが、2018年~2019年ごろより東京へ進出!
その後「フルーティーで濃厚な甘みのうまいお酒がある!」と話題が話題を呼び【今注目の酒蔵さん】となっています。
寒菊銘醸さんの醸す日本酒は、全部で4種類のブランドがあります。
ラインナップを詳しく知りたい!
という方は、寒菊銘醸さんのお洒落なホームページにて確認ができますのでぜひご一緒にどうぞ。
寒菊銘醸/日本酒ラインナップ
http://kankiku.com/japanese/product
また、寒菊銘醸さんでは日本酒の他にクラフトビールにも力をいれており1997年に誕生した「KUJUKURI OCEAN(九十九里オーシャン)」も人気があります。
今回飲んだ「寒菊 愛山 50」はOccasionalブランドの中の1本で、毎年2月頃に発売される「愛山」(あいやま)という酒米を使用して醸されたお酒です。
愛山とは、栽培が難しい品種で希少価値の高い酒米のひとつ別名「酒米のダイヤモンド」とも呼ばれます。
元々、剣菱酒造さんが復活させた契約栽培米で「十四代」という銘柄で有名な高木酒造さんが愛山を使用したことにより一躍有名となった酒米です。
「甘みが特徴で、すごく良く溶けるお米」といった性質があり、ベタっとした甘さを出さずにどう表現するかが杜氏の腕次第となってくる酒米でもあります。
寒菊 愛山 50 -Red Diamond-は、愛山を贅沢に50%磨いた純米大吟醸・無濾過生原酒のお酒となっています。
愛山という酒米のネーミングから「赤」をコンセプトカラーとし、そのエレガントで上品な甘みを演出することから「宝石」をモチーフと致しました。
繊細な扱いを必要とするお米のため、鑑評会と同等の丁寧な原料処理と醪管理をチームの総力で行った渾身の限定酒です。
と記載がありました。
「愛山だから飲みたい」
という、愛山ニアと呼ばれる日本酒愛好家もいるほど人気の酒米をどのような味わいに仕上げているのか?とっても気になりますよね。
寒菊の日本酒を飲むのはこれで「2本目」となります。
初めての寒菊は「39-Special Thanks-」という年末(12月)に発売された限定酒です。
まだ記事にしていませんので、その感想はまた書いてゆきたいと思います。
果たして寒菊銘醸さんの醸す「愛山」はどんな味わいだったのか?
早速、開栓してゆきたいと思います。
華やかな香り。
パッションフルーツとか、甘さの濃ゆ~い香りがします。
パイン飴っぽくも感じます。
甘さの強~いパイン!
酸味も少し香ります。
そしてグラスにはトローリとお酒の跡が残るくらいのトロミがあります。
舌の中心にジワリ。
唇には酸味がピリピリ残ります。
甘みはとっても濃厚!とろりとした舌触りも少しあります。
酸味がありつつ、ちょいと苦みがあり、最後はさっぱり感。
舌に感じる「ジワリ」としたガス感は、ピチピチよりもパチパチと弾けるような感じがします。
パチパチは一瞬で落ち着きますが、そんなイメージを想像できます。
そしてやはり濃ゆいお酒です。
飲んでいると、赤武のNEWBORN愛山に似た印象がありますが、赤武と比べるとこちらの方が「酸味」の印象が強いです。
そしてガスのピチピチ感も印象的。
旨みと濃ゆさがたっぷりとあるため、重たい感じもして飲み飽きしそうな感じもしました。
1~2杯で満足しそうな甘みもたっぷりした味わいです。
今日はサラダとスンドゥブ!
マヨネーズサラダは、甘みがシュワ―っと広がりました。
しっかり甘みが残りつつ後口は爽やかに〆ります。
スンドゥブは酸味に合います!
悪い感じはなく、お酒の酸味もUPするように感じました。
ジュワジュワしてキレっぽさも間にありつつ、甘みも一緒にフィニッシュします。
マヨサラダよりもスンドゥブの方が甘みの余韻がしっかり最後まで残ります。
改めてサラダを食べて飲んでみると、マヨネーズにめっちゃ合う!
今日の料理は、なかなか美味しい組み合わせです。
開栓後は冷蔵庫にて保管をしていました。
どんな変化があったのでしょうか?
見てゆきたいと思います。
パインの甘みの濃ゆい香り。
初日と印象はあまり変わりません。
甘~~いけど、酸味が良い感じにある香りです。
口に含むと、酸味の強さが少し穏やかになった印象があります。
甘みの濃ゆさがありつつ、酸味さっぱり。
少しの苦みが後口にふわりとします。
開栓4日目ですが、飲む度にフレッシュさを感じます。
そして初日より重たくない!
あ、でも少しキレっぽさがでましたね。
それでも美味しいです。
今日はおでんと穂先メンマ!どちらもセブンイレブンで買えます(笑)
おでんを食べてから飲んでみると、甘みが美味しくなりました。
とても良い甘さになり、最後は苦味が〆てくれるのでお酒が重たくありません。
丁度良く心地よく飲めます。
飲んでいる時の香りはパインですね。
甘さがしっかりあるのに、酸味と苦味のおかげてとても良い感じになります。
こういう濃い甘さも好きだなぁ。
おでんと一緒だと、バランスがよくて飽きずに飲めます。
穂先メンマは、甘みがとても強くなりました。
結構な強さ。
でも酸味で甘さを切ってくれるので悪くはありません。
でもこの組み合わせだけだと甘過ぎに感じちゃうかも。
おでんがあって良かったです。
そんなこんなで飲み切ってしまいました。
美味しかったです!
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「他の寒菊も飲んでみたいな」と思った日本酒ですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが、甘口で派手さのある日本酒が好みの人にはピッタリではないでしょうか。
…あれ、ちょっと待って。
ラベルの裏には「エレガントで上品な甘み」と書いてあったような…(?)
結構、濃厚な甘みのためきっとこれからどんどん洗練されてゆくのでは…と酒質の向上にも期待の1本でもあります。
特に初日は「強い」ため飲む時は、1日で飲み切るのではなく何日かに分けて飲んでみると味わいの変化を楽しめるかと思います。
また「愛山を使用した日本酒」を飲みたい人には、他の酒蔵さんの愛山の日本酒と味比べの意味でもオススメな1本です。
寒菊銘醸さんの醸す日本酒は、蔵の直売所でも購入することができますがOccasional(オケージョナル)シリーズは一部販売店限定の商品です。
そのため、蔵へ行っても購入することはできません。
ですが、公式サイトには取扱店舗一覧といった案内がありませんでした。
そのため、
【寒菊 取扱店】
【寒菊 特約店】
といったキーワードにてGoogleやYahoo!検索をするとヒットさせることができます。
お近くにない場合は「ネット通販を行っている取扱店さん」を利用すると逃さずに購入することも可能です。
例えば下記の酒販店さんになります。
なお、愛山は毎年1度「2月ごろ」に発売のお酒ですのでご注意ください。
また、上記の「矢島酒店」さんは寒菊銘醸さんと特別な取り組みを行っており【矢島酒店限定の特別タンクで仕込まれたお酒】を時々販売しています。
酒販店さんと寒菊銘醸さんのコラボ酒です。
いつ発売されるかは決まっていませんが、6月17日現在「寒菊 OCEAN99 星海-Starlight Sea-」の限定別誂バージョンの予約を受け付けています。
※上記のコラボ酒は2022年6月25日(土)に発売されました。
こういった特別酒も存在しますのでファンの方は参考にしてみてください。
品目 :清酒/純米大吟醸
原材料名 :米(国産)・米麴(国産米)
精米歩合 :50%
アルコール分:15%
原料米 :兵庫県産愛山100%使用
内容量 :720ml
価格 :1,980円(税込み)
製造者 :合資会社 寒菊銘醸
所在地 :千葉県山武市松尾町武野里11
公式サイト :http://kankiku.com/
Twitter :https://twitter.com/kankikumeijo
Instagram :https://www.instagram.com/kankikumeijo/
まだまだ飲んだことの無い寒菊のお酒ですが、種類がたくさんあるためゆっくり飲んでゆきたいなぁと思っています。
また、7月中旬には総乃寒菊の新商品「Discoveryシリーズ」が4種類同時に発売されるようです。
下記のこみや酒店さんでは予約がスタートしていますので、気になったあなたはぜひチェックしてみてくださいね。
こみや酒店Discoveryシリーズの予約はこちら
http://komiyasaketen.co.jp/
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