日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、新潟県長岡市にある「朝日酒造株式会社」さんの醸す「久保田 純米吟醸にごり」です。
「久保田」という名前の日本酒は、日常で日本酒を飲まない人でも「日本酒の名前だよね」と認識しているほどに全国的に有名な銘柄の日本酒です。
それもそのはず。
いつものスーパーに行けば当たり前のように日本酒の棚に陳列されていて「いつでも手に取って購入できる1本」として存在感があります。
中でもプレミアムラインである久保田の「萬寿」(まんじゅ)は、父の日やハレの日に実家に買って行って喜ばれる1本となっているのではないでしょうか?
わたしもお正月に家族で集まる際、いつも兄が持ってきてくれるためみんなと一緒に美味しくいただいています。
久保田を醸す朝日酒造さんが創業したのは1830年(天保元年)。
久保田と言う銘柄が生み出されたのは、1985年。
当時の日本酒としては全く新しい越後の「淡麗辛口」ブームの火付け役になったのが久保田の日本酒になります。
その味わいは、すっきりとしたキレが特徴で日本の食卓を彩る1本です。
ここ数年で「久保田から見たことの無い新しいお酒が発売されている」と思った人はどれくらいの人がいるでしょうか。
今回紹介するお酒「久保田のにごり」もそうですが、2020年の朝日酒造創立100周年&久保田発売35周年に合わせブランドリニューアルが行われています。
そして新しい挑戦として、
などなど、これまでになかった久保田のお酒に次々とラインナップが加わることとなりました。
こうやって見てみると、いつでもすぐそばにあった久保田というお酒に知らない顔ぶれが増えていて「飲んでみたいな…」と言う気分にさせられます。
そして今回のお酒がこちらの「久保田 純米吟醸 にごり」です。
こちらのにごり酒は「2022年2月」に新発売となった久保田ブランドでは初となるにごり酒になります。
2023年の今年も2月より限定出荷として発売され「春の季節にだけ楽しめる」にごり酒となっています。
わたしもはじめてSNSで見掛けた際は「久保田ってにごり酒出してるんだ(ほほぅ)」程度で眺めていたのですが
「美味しい」
「飲みやす過ぎる」
「今年も旨い!これは買い!」
などなど、日本酒ファンはもちろん普段は希少銘柄などを嗜んでいる日本酒コア層の愛好家の方たちからも大好評の声を多く見掛けました。
そのため「今、飲むべき1本」として気になる存在に!
調べてみると、昨年(2021年)から新発売された2月限定出荷のにごり酒!ということで今年初購入することができました。
にごり酒と言われたら、独特なにごり(オリ)の存在感が口の中に残るのが特徴的で「好き嫌いが分かれる」お酒かもしれません。
わたしは基本的ににごり酒は好きですが、たっぷりとしたオリ感が重たすぎ&甘くないキレさが強いにごりは苦手かもしれません。。
久保田のにごりに関してはラベルの裏に「さらっとなめらか、フルーティーですっきりとしたにごり酒」と記載があります。
使用している酒米は、他の久保田と同じく「五百万石」が使用されキレのある酒質に仕上げられているとのことです。
ちなみに、2022年は白のフロスト瓶でしたが2023年はベネチアンブルー瓶が使用され「爽やかさ」を感じられるボトルとなっていました。
ボトルの見た目も可愛いこちらのにごり酒。
アルコール分は13度と低アルコールで、冷暗所で保存OK(常温可)というこれまでに飲んで来たにごり酒とはちょいと違う印象がありました。
流石に購入後は冷蔵庫で保管をしましたが、時間が経ってもオリが下に落ち切らず上澄みとオリは完全に分離することはありませんでした。
\不思議!/
久保田のお酒のイメージは「スッキリとしたキレ」果たして「飲みやすくて美味しい」と話題のにごり酒はどんな味わいなのでしょうか?
早速、飲んでゆきたいと思います。
まずは下に溜まったオリを混ぜずにグラスへ注ぎます。
うっすらとにごりがありますね。
パイン系の香り。
甘さと重さがあり、まったりとした印象が強い香りです。
甘酒?と思うような甘みがします。
そしてスッキリとした柑橘的酸味が下から上へと口の中に広がり、甘みと交わって美味しいです。
なんだか、濃縮還元のオレンジジュースを飲んでいるようなたっぷりとした濃ゆさがあります。
パインさもありつつ、柑橘的な酸味がとってもいい感じに甘みをスッキリとさせてくれるためとっても飲みやすいです。
続けて飲んでいると、パイン缶を開けて汁をそのまま飲んでいるような感じもあります。
しっかりとにごりますね!
香りは乳酸菌飲料のような甘さと酸味になりました。
まったりとした感じはやはりあります。
乳酸菌らしさがUPしました!
こ、これはカルピスというよりもヤクルト飲料のような、あの感じです。
にごりのシルキーさがありつつもスルスルと飲めちゃいます。
重たさなどなく軽く飲めちゃうにごり。
たっぷりの甘みと柑橘的な酸味、少しの苦みもあるためグレープフルーツっぽさもあります。
本当に飲みやすいです。
これは評判通り「美味しいにごり酒」です。
飲んでみて久保田というお酒の印象が変わりました。
え、他の久保田も改めて飲んでみたいです(純米大吟醸とかスパークリング日本酒とか)
スッキリと飲めるのに甘みもたっぷりと口の中にやさしく残り、飲んでいると満足感もあります。
うーん。
やっぱりこれはヤクルトなのだが?
ついつい味を確かめるように飲んでしまうため、気を付けないと一瞬でお酒が空きそうになってしまうほど美味しいお酒だと思います。
危うく1日で飲み切ってしまいそうになるところ、残りは冷蔵庫で保管をしていました。
味わいに変化はあったのでしょうか?
今日は最初からオリを混ぜていただきたいと思います。
飲んでみると、美味しい乳酸菌飲料です。
酸味もしっかりと感じられるためヨーグルトっぽくもあるのですが、わたしにはヤクルトとかピルクルに感じます。
スルリとしたオリと、いい感じの酸味。
甘みも甘過ぎずにスムースでとにかく飲みやすいにごり酒です。
開栓4日目でも変わらず美味しくいただけます。
初日よりもオリがたっぷりとあったのがまた美味しいです。
オリがたっぷりなのに、ごわごわ(?)せずに飲めるのが本当に不思議。
日本人だったら好きな味わいのにごりなのでは?と思いました。
飲んでいて「飲みたくなっちゃう」お酒。
途中で「もういいや!」とならずに、ついつい盃が進んでしまうにごり酒でした。
とっても美味しかったです!
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「甘みもあってスルリと飲みやすいにごり!また来年買いたい!」と思った日本酒ですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが、にごり酒初心者の方やごっついにごり酒が苦手だと感じている人であれば
\これがにごり酒なの?/
と感動すること間違いなしな味わいです。
本当にとっても飲みやすいです。
春の季節に美味しいにごり酒を飲みたい人にぜひオススメしたい1本だと思います。
朝日造店さんの醸す日本酒は「特約店」さんの他に「公式のオンラインショップ」でも購入が可能です。
5月11日現在、公式オンラインショップではまだ在庫があるため「まだ飲んでない!」「飲んでみたい!」と言う人は購入することができます。
お近くの取り扱い販売店さんに関しては、公式サイトに記載がありました。
また、ネット販売を行っている酒販店さんもありますので
「久保田 にごり(商品名)」
「久保田 にごり 特約店」
といったキーワード検索をGoogleやYahoo!などで行うとヒットさせることができます。
例えば
正規の価格が「720ml/税込1,415円」のため、楽天市場に出店している販売店さんでポイントUPキャンペーンなどに合わせて購入するのもお勧めです。
※転売価格に注意。
品目 :日本酒(純米吟醸)
原材料名 :米、米麹
使用米 :五百万石
精米歩合 :麹米60%/掛米60%
アルコール分:13度
日本酒度 :-35
酸度 :2.3
内容量 :720ml
価格 :1,415円(税込み)
公式サイト :https://www.asahi-shuzo.co.jp/
Twitter :https://twitter.com/asahi_shuzo_jp
当サイトで記事にするのは初となる久保田の日本酒。
その味わいは、淡麗辛口でスッキリとキレのある印象が強くわたしの好みとは異なる銘柄として今まで積極的に購入することはありませんでした。
ですが、久保田のにごりを飲んでみて「こんなに美味しいなんて!」とこれまでのイメージが変わり他のお酒も飲んでみたくなりました。
もしあなたが「久保田か…」と思っているのならぜひ飲んでいただきたいのがこちらのにごり酒です。
まだ購入できる酒販店さんもあるため、ぜひチェックしてみてください。
また、朝日酒造さんの運営するサイト「KUBOTAYA」がとっても面白いのでぜひ一緒に見ていただきたいです。
いろんなペアリングにチャレンジしていたり、飲み方の提案やためになる日本酒記事が盛りだくさんです!