日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、秋田県秋田市にある「新政酒造」さんが2020年に発売した特別頒布会の1本「茜孔雀90」(あかねくじゃく 90)です。
新政酒造さんが毎年4月~6月の間に恒例で、2本セットのお酒を3ヶ月間連続で発売する「新政特別頒布会」(あらまさとくべつはんぷかい)。
2020年の頒布会はコロナ禍の影響で【6月~】の発売となりました。
2021年の頒布会は【5月~】の3ヶ月間の販売となりました。
ここ2年は発売時期が恒例とは異なっているため、4月頃より「そろそろかな?」と気持ちの準備をしておくと逃さずに済むかもしれません。
なお二2021年の頒布会のお酒に関しては下記の記事に記載しています。
\2021年(令和二醸造年度)新政酒造 特別頒布会/
今回いただいたお酒は2020年の頒布会の1本です。
毎年、頒布会のお酒にはテーマがありますが2020年は過去にリリースした作品の「復刻版」となりました。
その名も「Past Masters Remix Vol.1」(過去のマスターズリミックス)です。
といった内容となり、当時の貴重なお酒の復刻版を楽しむことができました。
茜孔雀とは貴醸酒製法にて醸されるお酒です。
新政酒造さんの「貴醸酒」と言えば「陽乃鳥(ひのとり)」ですが、平成22酒造年度から3年間は「茜孔雀(あかねくじゃく)」というかりそめの姿での発売となりました。
それも、風の森という日本酒を醸している奈良県にある油長酒造さんが「火の鳥」という焼酎銘柄を所有していたためです。
そこで商標の問題が発生し、「陽乃鳥」という名称が使えず別の名前の「茜孔雀」として発売しなくてはいけなくなってしまったのです。
その後、油長酒造の蔵元さんに快諾を得たことで平成25酒造年度より再び「陽乃鳥」という名前に戻り再スタートし現在に至っています。
頒布会の茜孔雀90は、茜孔雀での発売時期である平成24年に低精米での貴醸酒製法を試したときに「発売できずに終わった作品」を復刻したものになります。
未発売となった理由は、搾ったお酒に間違えて他の酒をブレンドしてしまったためです。
90とは「精米歩合90%」のことで、10%しか磨いていないお米を使用してお酒が醸されています。
通常、低精米の場合はまろやかできれいなお酒になりずらいため、そこを貴醸酒製法にすることによりバランスの取れた味わいを表現しようとしたのが茜孔雀90でした。
出来上がったお酒の特徴として、通常の日本酒よりも熟成耐性があり長期の保管もおすすめ。飲用温度帯も冷や~燗まで問わない。
と言った内容となっています。
通常、2本で1セットの販売となる頒布会のお酒ですが、6月分の茜孔雀90を2021年12月に開催されたナマハゲフェスティバルにてボトル購入をすることができました。
当サイトで新政頒布会2020のお酒を購入できたのは、こちらの1本のみとなります。
思いがけずに購入出来たので嬉しかったです。
イベントで飲み切れなかった分を持ち帰り、改めて自宅で飲んでみました!
ちなみに
のお酒で、実際に飲んだのは2021年12月のため1年と8ヵ月の間、新政酒造さんの蔵にて保管・熟成されていたものになります。
どんな味わいだったのか。
早速、飲んだ感想を書いてゆきたいと思います。
柑橘ぽさもありつつ、甘い香りが美味しいです。
メロンでも、マスカットでもなく、とても美味しい甘さが香ります。
スーッとする清涼感もあり。
おいしい!
若干、カラメルっぽい熟成した甘みを感じます。
精米歩合90%と思えないほど、きれいで甘さからの酸味感がとっても美味しいです。
通常の陽乃鳥より熟成感があります。
後口に残る味わいがとっても好きなのだが?
(語彙力がなくてうまく表現できません…)
これだけでも楽しめるお酒だと思います。
何かと合わせたい!
ということで、丁度あった「食べるおだし」と一緒にいただきたいと思います。
うん、食べるおだしに合います!
甘さがより美味しく感じるようになりました。
梨っぽい香りもありつつ、甘みが印象的です。
まぁるい甘みに酸味がまとうので、スッキリ美味しいです。
うーん。
陽乃鳥大好き人間なのですが、茜孔雀もとっても好きです。
でもやっぱり、陽乃鳥の方がすきだ!!
そんなこんなで飲み終わってしまいました。
美味しかったです!
ごちそうさまでした♪
わたしは飲んでみて「好みの味わいで飲めてよかった!」と思った日本酒ですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが、新政酒造さんの陽乃鳥(ひのとり)が好きな人には1度は味わっていただきたい日本酒だなぁと思いました。
陽乃鳥は精米歩合60%くらいのため(ヴィンテージによる)低精白でさらに精米歩合90%のものとなると味わう機会はなかなかありません。
残念なことに、茜孔雀90は2020年に発売された頒布会限定のお酒です。
一般の販売は終了しているため、まだ熟成させ途中の茜孔雀90が冷蔵庫で眠っているよ…という飲食店さんでしか飲めないかもしれません。
そしてその分、さらに熟成の進んだ味わいになっているかもしれません。
気になったあなたは、もし見掛けることがありましたらぜひ飲んでみてくださいね。
新政酒造さんの日本酒は
といった方法で購入、または飲むことができます。
手間暇掛けられて醸されるお酒は、生産本数が限られているため【入手困難】としても名前が挙げられるお酒となります。
特約店さんへ行っても「置いていない」「買えない」ということがほとんどとなるお酒です。
特に、頒布会の日本酒は玄人向けかつ入荷が限られるため「いつも買いに来てくれるお得意様」や「飲食店さん」優先で販売する特約店さんがほとんどです。
まずはお近くの特約店さんを見つけることが必要となりますが、購入の詳細に関しての詳細は下記の記事に記載しています。
何かしらの参考になりましたら幸いです。
\新政頒布会のお酒を買うには?/
特殊製法 :貴醸酒
アルコール分 :14.1度
原材料名 :米(秋田県産)米麴(秋田県産米)日本酒(秋田県産米)
精米歩合 :90%(麹米・掛米ともに90%)
原料米名 :あきた酒こまち100%使用(2019年 秋田県収穫)
使用酵母 :きょうかい6号
醸造年度 :令和1酒造年度(2019-2020)
内容量 :720ml
価格 :4,500円(税込)※桃やまユと2本セットの金額
製造者 :新政酒造株式会社
所在地 :秋田県秋田市大町6丁目2-35
公式サイト :http://www.aramasa.jp/
Twitter :https://twitter.com/aramasayamayu
陽乃鳥は2008年よりスタートしたPRIVETE LAB(プライベートラボ)の1本で、間に「茜孔雀」が存在していることをこの酒を飲むまで知りませんでした。
初めて飲んだのは飲食店さんで、2020年11月。
その時は「もうちょっと厚みがでたらもっと旨い!」と思いましたが、2021年12月に飲んでみて「確かに寝かしたほうがより旨い!」というのを実感しました。
熟成による変化を楽しめるのも、新政酒造さんの日本酒の特徴だと思います。※No.6除く(生酒のため3ヶ月以内の飲用推奨)
\はじめて茜孔雀90を飲んだ時の感想はこちら/
\陽乃鳥2020の感想はこちら/
\陽乃鳥スパークの感想はこちら/