日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、秋田県秋田市にある「新政酒造」さんが年の瀬から新年にかけてしぼり元旦に出荷させる日本酒「新年純米しぼりたて」です。
新政酒造さんの日本酒が好きな方は、毎年お正月より発売となる「新年しぼりたて」を心待ちにしている人も多いのではないでしょうか。
名前の通り、年が明け新年1発目に販売となるお酒です。
ボトルに直接印刷された干支のデザインがカッコ良く、毎年「今年はどんなデザインなんだろう?」とワクワクしますよね。
わたしは今まで発売された新年しぼりたて中では「2020年の子年のタロットカード」のボトルが可愛くて1番すきなデザインとなっています。
この1本が「新政酒造さんのボトルを捨てずに取っておこう!」と思わせた思い出深い1本です。
そして、ボトルには絵馬も掛けられ「縁起の良いお酒」ということがわかります。
ですがこちらの日本酒、実はただの「新年に発売される縁起の良い日本酒」ではありません。
他の酒蔵さんでも「干支ボトル」といった新年のお酒は発売されていますが、それらとは違う新政酒造さんだけが行っていることがあるのです。
一体どういうことなのか?
早速見ていきましょう。
通常、お正月より発売となるお酒は12月中・大晦日よりも前に搾り、新年に飲めるよう年の瀬に前もって出荷し酒販店さんの店頭に並びます。
これはなんらおかしなことではなく、普通のことですよね。
ですが新政酒造さんは違います。
「新年純米しぼりたて」
その名の通り、まさに元旦、年の瀬から新年にかけてしぼられたお酒なのです。
大晦日~元旦といえば、お正月休みに入っている人がほとんどで少なくともわたしは家でゆっくりダラダラしている時です。
そんな中、新政酒造さんではフル稼働されているのです。
新政酒造の8代目蔵元・佐藤祐輔さんは下記のようにお話しされていました。
今まではあまり意識していませんでしたが、このお話を聞いて
\なにそれ、めっちゃ大変なことしていたお酒なの!?/
と、縁起酒ということは理解していましたが、よりありがたみが増しました( ´人` )ありがたやー
実は、新年しぼりたてのお酒に関しては下記のようにも話されていました。
…え、雲行きが…あやしく…
でもこのお酒は、佐藤祐輔さんが蔵に戻る前からやっていること…というのもあり「縁起物」なので続けていると。
そして、
とも話されていました。
…ということは、一巡したら…?
新年しぼりたての今までの干支ボトルデザインは、2021年の特別頒布会のノベルティについていた「新政カレンダー」に載っていました。
こちらを見てみると、2013年の巳(み)から始まっていることが分かります。
ということは、2022年の今年は寅(とら)なので、2023年の卯(う)・2024年の辰(たつ)が発売されたら…?
終了してしまうのか、年の瀬~新年にかけてしぼるのをやめるのか、別の方法(商品)にするのか?
こちらは祐輔さんにしかわかりませんが、ひとまずあと「2年」はお正月の楽しみの1本として待つことができそうです。
これらのお話は、新政酒造×Minimalコラボレーション記念インスタライブで最後の方にお話しされていた内容です。
「気になる!」
「もっとくわしく!」
と思ったあなたは、アーカイブが残っていますので見てみてください。
新年はつしぼりに関しては、1:27:40ごろより話されていますがそれまでのお話やコラボ生チョコレートのお話も必見です!
【新政×Minimal】コラボ記念インスタライブ
https://www.instagram.com/tv/CYBvXGJI2hC/
今年は寅(とら)年なので、ボトルデザインもカッコイイ寅を想像していましたが
寅じゃない、だと?(ガタッ)
名前は”The Eternal Tiger”(エターナル・タイガー)と名付けられていますがデザインに関しては
を暗示するデザインとなっていて
いくつもの神聖な幾何学模様で構成した、年始向けのおめでたい構成となっております。
とTwitterにてつぶやかれていました。
でもカッコいいのは変わらないので(* ´ω` *)gヨシ!
ちなみに、ご祈祷はお酒だけではなく「絵馬」もしっかり祈祷され
が願われています( ´人` )ありがたやー
ちなみに、新政さんのお酒のボトルには「2020」「2021」といった西暦が記載されていますが
の記載となっています。
関東在住なので、1月1日のしぼった当日に飲むことは叶いませんが今年も無事に購入させていただくことができました。
ありがたいお酒なので、1人ではなくシェアして美味しくいただきました。
新政さんの日本酒は、ひとりで飲むより誰かと飲んだ方がより美味しく味わえると思っているわたしです。
実際、どんな味わいだったのか?
うっきうきで開けた感想を書いてゆきたいと思います。
うん。
香りはあまり香りません。
ジュワっ!
口の中にガス感が広がります。
柑橘感があり、和梨っぽさも感じます。
飲み口「甘いのかな?」と思いますが、すぐにさっぱり。
とてもきれいなお酒です。
今日はもつ鍋!
モツを食べてから飲んでみると、柑橘さっぱり感があるのでモツの脂っぽさが気にならなくなります。
梨感。
去年の新年しぼりたてより美味しいのでは?
もつ鍋に「味噌」を加え、味変してみるとお酒の甘みがUPしました。
でも基本はさっぱりします。
グレープフルーツっぽい苦味も出たかな?
飲む度にジュワリ・ジュワリとするため、それがまた美味しいです。
〆のカマンベールチーズと一緒だと、酸味とミルク感がとてもお酒に合いました。
旨いのだが?
そんなこんなで、飲む度に「おいしーおいしーねー」と言いながら飲み切ってしまいました。
他の方の口コミを見てみると【2日目以降は甘みが増して美味しい】といった声がありましたが、飲み切ってしまいました(2回言う)
もう…ない…
ですが、今年も飲むことができて嬉しかったです。
ちなみに、昨年の新年しぼりたての記事は書いていませんが飲んだ感想のメモを見てみると
「後口はシャインマスカットのようでとにかく美味しい」
と書いてありました。
飲み比べとかできたら最高なんですけどね!
お店で飲む機会があれば、また飲みたいなぁと思っています。
出逢いに、ゆかねば…
おいしかったです!
ごちそうさまでした♪
新年しぼりたて、飲みたいですよね。
新政酒造さんの日本酒は蔵での販売はしていないため「特約店さん」での購入が必要です。
ですが、こちらのお酒が店頭に並ぶことはほとんどありません。
基本的に、
などとなり「酒販店さんに足を運ぶことが大事」となる1本かと思います。
わたしも、今年のしぼりたては前もって条件を聞いておき、それを満たすために1年間足繁く特約店さんに通わせていただきました。
実績を積んでの購入となりましたが、本当に購入できるかどうか直前まで緊張しました。
それだけ入手困難となる1本だと思います。
もし来年の新年しぼりたてを購入したい場合は、いまから酒販店さんに購入条件を聞いておくのも良いかもしれません。
これはもう「頑張れ!」の一言です。
ちなみに、2021年の新年しぼりたて(丑)は「はせがわ酒店グランスタ東京店」の店頭に並びました。
今年は調べていないので不明ですが、こういったこともあります。
ゲリラ的な店頭販売もあるので、SNSなどでチェックをしておくと情報をキャッチすることも可能です。
ですが、自分の足で行って・見てみるのが一番です。
一部の特約店さんに関しては、下記のJSP(ジャパンサケショウチュウプラットフォーム)のサイトより確認できます。
新政酒造株式会社・取り扱い酒販店
https://j-s-p.or.jp/kuramoto/aramasa
毎年入手難易度が上がっている実感がある「新年しぼりたて」。
来年はまたどうなるか不明ですが、わたしも出来る限り頑張りたいと思います。
こちらは毎年、新政酒造さんが直接フォームを設け抽選販売を行っています。
販売に関しては、12月ごろにTwitterにて告知がありますので通知などを設定しておくと安心です。
今年は12月13日より受付開始し、年内のお届けとなりました。
またそれとは別に、各特約店さんにも入荷することがありますのでタイミングが合えばそちらで買えるかもしれません。
新年あけたタイミングで1度、特約店さんへ行ってみることをおすすめします。
内容量 :720ml
アルコール度:13%(原酒)
原材料名 :米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)
精米歩合 :麹米55%・掛米60%
原料米名 :秋田県産あきた酒こまち100%使用
使用酵母 :きょうかい6号
杜氏名 :植松誠人
価格 :2,500円(税込)
製造者 :新政酒造株式会社/秋田県秋田市大町6丁目2-35
公式サイト :http://www.aramasa.jp/
Twitter :https://twitter.com/aramasayamayu
ボトルデザインがおしゃれな新政 新年純米しぼりたて。
今回「除夜の鐘が鳴っている時に搾り機のボタンを押す」と聞いて、いろんな意味でありがたいお酒なのだと知ることができました。
来年もまた、楽しみに待ちたいと思います。