日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、青森県青森市にある「西田酒造店」さんの醸す、「田酒 特別純米酒 生 新酒」です。
田酒(でんしゅ)は、青森県の地酒として多くの日本酒ファンから愛されている銘柄のお酒です。
その大きな特徴は、米の旨みを楽しめる旨口の純米酒。
田酒には酒米違いや磨き違いなど多くの種類がありますが、通年商品として発売されている定番酒でありながらフラッグシップとなるお酒が「特別純米酒」です。
特別純米酒は、精米歩合55%・アルコール分16度のお酒です。
近年、低アルコールの日本酒が増えていますが、西田酒造店の代表である西田司社長は
個人的には、酒は15~16度が一番旨いと思うので、自分が旨いと思うものを売りたい
というこだわりから、田酒が生まれた昭和49年より変わらないスタイルにて進化を続けながら現在も旨口のお酒を醸されています。
そしてこの特別純米酒は、1回火入れの瓶貯蔵酒として発売されるお酒です。
どんな味わいのお酒なのか?
詳しくは下記の記事に書いていますので、気になったあなたはご一緒にどうぞ。
\田酒 特別純米酒(シン・デンシュ)/
今回いただいたお酒はフラッグシップである特別純米酒の「生酒」バージョンのお酒となります。
見た目のボトルの色が水色なため一見「夏酒かな?」と思いますが、毎年11月に発売される「新酒」(しぼりたて)のお酒になります。
新酒とは、新しい酒造年度がスタートしその年に獲れた「新米」を使用して醸された日本酒で、主に11月末頃~2月頃までに各蔵でリリースされる日本酒です。
生酒とは、火入れ殺菌処理をしていない日本酒のことで、しぼりたてならではのフレッシュな味わいを楽しむことができます。
通常の茶色いボトルで発売されている特別純米酒の「生酒バージョン」と聞いたら「味わいを比べてみたい!」って思いますよね。
実は、田酒のお酒は一回火入れをしているものが多く「生」で発売されるお酒はかなりレアとなっています。
田酒で発売される「生」のお酒は主に4種類あります。
他にも、北海道と東北限定で百四捨(ひゃくよんじゅう)という青森県産の酒造好適米である華想いを使用した生酒が12月頃に発売となります。
このように、マイクロバブル以外は「冬の新酒の時期にしか飲めない」季節限定の生酒となっています。
そのため田酒の生酒を飲んでみたい人は、11月~1月までが購入の勝負となり逃してしまったらまた来年まで待つ必要があります。
既にお気付きの人も居るかもしれません。
現在2023年2月ですが、写真の田酒は「2021」と記載があります。
こちらは、2021年の11月に発売されたものをマイナス5℃で保管できる日本酒セラーにて氷温熟成をし2023年1月に飲んだものとなります。
つまり、今年の田酒の新酒は2022年11月に製造・発売されたため「2022」の表記のものが最新となります。
生酒は酵母が生きているため、通常の冷蔵庫の温度(5℃~10℃)で保管するとボトルの中で発酵が進み味わいがどんどん変化してゆきます。
そのため、生酒特有のフレッシュさを存分に楽しみたい人は「直ぐに飲む」ことが必要です。
ですが、その発酵を最小限に遅らせることが出来る温度が「マイナス5℃」なので、専用のセラーなどがあれば「氷温熟成」というマニアックな楽しみ方をすることも可能になります。
前回の「田酒 特別純米酒」に続き、田酒の新酒の生酒を飲むのはこれが初めてです。
はじめての日本酒で、特に生酒は直ぐに飲みたい気持ちが大きいのですが「新酒買いすぎ問題」にて後回しとなり今日まで来てしまいました。
マイナス5℃で冷やせるAQUA SAKECABINETがあることで日本酒を長期保管が出来る安心感もありますが、気になるお酒を買い過ぎちゃうという反省点もあります。
まだ飲めていない新酒もあるため、今年の田酒の新酒2022は購入していません。
果たして約1年2ヵ月間氷温保管した、2021年11月の新酒の味わいはどんなものだったのか?
早速、書いてゆきたいと思います。
キャラメリーな甘酸と共にパインっぽい酸味が香ります。
甘みが濃ゆいですが、スッキリさもある香りです。
おいし~!
甘みがジューシーかつ濃ゆくて、キレイな酸味と共にあります。
1年前の新酒ですが、フレッシュさも残っていて少しのガス感&爽やかさもあります。
甘みが濃ゆ~い!
後口にはスルリとしたキレ感と苦味が舌に残りますが、それがまた美味しい。
甘旨です。
キャラメルのような甘みと酸味もあり濃ゆ旨っ!
田酒の生酒は買ってすぐに飲んだことがありませんが、氷温熟成最高なのだが?
旨みたっぷりジューシーでとってもおいしいお酒です。
今日は、まぐろとアボカドのわさび醤油和えと共にいただきたいと思います。
まぐろとアボカドって肝臓にも良い組み合わせなのですよね。
食べてから飲んでみると、ジュワっとさがUPしました!
醤油とお酒の甘みがめっちゃ合います。
単体で飲んでいた時は、少しお酒の濃ゆさに重たさを感じていましたがマグロと一緒だとスルリと飲みやすさが出ました。
とってもおいしくいただけます。
うまうまです。
旨みのある甘酸が丁度良い感じになりました。
マヨネーズサラダも、お互いを美味しくいただけます。
ですが、アルコール分16度というどっしり感(?)はとても感じます。
しらすと豆腐も合いますね~。
本当に、料理と一緒だと飲みやすさが出て「美味しい~」と思います。
そんなこんなで1本飲み終わってしまいました。
とっても美味しかったです!
ごちそうさまでした。
わたしは、飲んでみて「田酒の生酒ってやばい旨いのだが?」と思った日本酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは、
です。
ですが「これぞ甘旨!」と思う、とっても美味しい日本酒です。
また、食中酒としても本当に美味しく、料理もお酒も共に楽しめる味わいの日本酒かと思います。
わたしは1年寝かせてしまいましたが、購入して直ぐ飲めばもっと新鮮さを楽しめるかと思います。
なお、2022年の特別純米酒の新酒は「シン・デンシュ」として生まれ変わっていますのでまた進化した味わいになっているかと思います。
見掛けた際はぜひ飲んでみてくださいね。
田酒は「入手困難」といわれている日本酒のひとつとして名前が挙がるお酒です。
ですが、実際に自分で購入してみて入手困難酒の中でも「比較的に買いやすい」お酒だと思います。
田酒の購入方法の詳細は、下記の記事に詳しく記載しています。
\田酒を買うには?/
基本的に、取り扱いのある特約店さんでの購入が必要となりますので
ということが必要になります。
西田酒造店さんでは、電話で問い合わせをすることで近くの特約店さんを紹介してくださいます。
多くの酒販店さんでは「ネットではなく店頭にて販売」という販売方法を取られていますので、まず行ける範囲お店を知っておくと良いかと思います。
そして「新酒」の生酒は「11月に発売」となる季節限定のお酒です。
発売後は直ぐに売り切れとなってしまうため、発売のアナウンス(公式Twitterなどで発信あり)はしっかりとチェックしておく必要があります。
あとはもう買うだけですね!
発売を逃すと来年まで飲めないお酒ですのでご注意ください。
特定名称 :特別純米酒
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
原料米 :華吹雪(はなぶぶき)
精米歩合 :55%
アルコール分:16度
内容量 :720ml
価格 :1,485円(税込み)
製造者 :株式会社 西田酒造店
所在地 :青森県青森市油川大浜46
公式サイト :http://www.densyu.co.jp/
Twitter :https://twitter.com/UraShuzo
日直ブログ :https://denshu.exblog.jp/
田酒の生酒は、主に冬の季節のみに発売されるお酒と知り「めっちゃレアじゃん!」とひとり興奮していました。
火入より生酒がやっぱり好きなんです。
次に購入できた際は、寝かせずに直ぐに飲もう!と思いました。
田酒の生酒を飲んだことのないあなたは、11月~1月までの3ヶ月間はしっかりチェックしてみてくださいね。
\日本酒セラー選びに困ったら/