秋田県の鳥海山と日本海に囲まれた、にかほ市にある酒蔵「株式会社 飛良泉本舗」(ひらいづみほんぽ)さんが醸す日本酒のひとつに
という、にかほ市の「優しくて、厳しい」四季を山廃づくりで表現した季節限定酒ブランドがあることをご存じでしょうか?
今回はその
の2本飲み比べてみました。
どんな味わいの日本酒だったのか…?
早速、見ていってみましょう♪
にかほ市の地と四季と寄り添いながら「500年以上」酒造りをしている飛良泉本舗さん。
その日本酒の特徴は、「酸味の強さ」と「山廃仕込み」という空気中に存在する自然の乳酸菌の力を借りて酒母の育成を行っていることです。
FOUR SEAOSONS(フォーシーズンズ)は2021年4月に誕生したブランドの日本酒でこれまで
と発売され、当サイトでも購入をし実際にその味わいを堪能してきました。
\春うすにごりを飲んだ感想はこちら/
\夏涼冷えを飲んだ感想はこちら/
そして今回は、
の2本です。
実は、この4種類のラベルを合わせると「鳥海山」が浮かび上がるという仕掛けがあるため毎回販売されるのを楽しみにしていました。
実際に合わせてみるとこんな感じです。
うーん。
ちょっとずれちゃっているような感じもしますが(笑)こういった楽しみ方を出来るのもなんだか嬉しいですよね。
秋の限定酒として発売された「ひやおろし」。
ひやおろしとは、冬場に醸し春先に搾ったお酒を夏の間熟成させ秋口に出荷するお酒のことを言います。
火入れも貯蔵前に1回だけ行う「生詰(なまづめ)」という方法で行い、熟成させることによって「まろやかな飲み口&深い味わい」になることが特徴です。
ラベルの裏には
≪秋≫は夕暮れ、日本海に落ちる夕日が鳥海山を照らし橙色に美しく染めます。
香り高いきのこや脂がのった秋刀魚など食材が豊富な秋。
穏やかな香り、そして程よい甘さと柔らかな酸、後味はかなりドライに仕上げました。
お酒単体ではなく、旬の食材と合わせて完成する日本酒です。
冷やからお燗まで幅広い温度帯でお楽しみください。
と記載がありました。
秋の食材と一緒に食中酒として愉しむことでより美味しくいただける日本酒で、飲用温度帯も楽しめることが分かりました。
冬の限定酒として発売された「しぼりたて」。
しぼりたてはその名の通り、醸したお酒を貯蔵期間を置かずに出荷するお酒で12月~2月ごろまで発売されるものは「新酒」とも呼ばれます。
しぼりたては火入れをせずに「生」のまま出荷されるため「新鮮でフレッシュな味わい」が特徴となる日本酒です。
ラベルの裏には
≪冬≫は早朝から寒さを活かして酒造りが本格的にはじまる季節です。
今回は「新酒らしいフレッシュさ」と「鍋物に合わせる」をコンセプトとし、爽やかでキレのある酸味と上品な吟醸香を組み合わせ、バランスの良いタイプのお酒に仕上げています。
しぼりたてらしく冷やでもよいのですが、特に寒い日には生酒をお燗にするのも粋です。
と記載がありました。
しぼりたては「鍋」に合わせるのが理想で、生酒だけど温めて飲むのもOKな日本酒ということが分かりました。
秋ひやおろしのお酒もそうですが「どんな料理に合わせたらいいのか?」を記載してくれているので献立を迷わずに合わせて飲むことができるため嬉しいですよね。
こちらは同日の飲み比べではなく、別々の日にいただいています。
これまで「春うすにごり」「夏涼冷え」と飲んできましたがシリーズものって何かしらの「同じ」要素があるイメージがありました。
ですが、FOUR SEAOSONSは本当にそれぞれの表情や特徴が異なるお酒なんだなぁと飲んでいて思ったのが印象的でした。
どんな味わいだったのか?
早速、飲んだ感想を書いてゆきたいと思います。
こちらのお酒は10月に購入し、11月に開栓をしました。
早速香ってみると、これはリンゴ…?
よーく香ってみるとキレがすごい!
甘さからのふわーーっとキレさっぱり。
甘み~酸味に移行し、キレふわ~という感じで後口がとてもさわやかです。
甘さも控えめで全体的にさわやか・さっぱり系。
後口に残る甘さが優しくて、美味しいのが良いです。
辛口!キレ!というお酒ではなく柔らかさもあります。
秋の食材ではありませんが、おでんと一緒にいただきます。
おでんを食べた後に飲むと、さっぱり感。
うん、嫌な感じはないかな。
どちらかと言えばキレ感があり甘さが広がったりはしません。
ですが、おでんと一緒に美味しくいただけます。
おでんを食べたらやりたい!おでんの出汁割り。
早速、出汁を日本酒で割ってみると、うん。穏やかさがありホッとしますがキレ感が少し強いかな?
割る日本酒の量を調整し、おでんの出汁9:日本酒1にしてみるととても美味しくなりました。
お酒は少しで良い感じです。
おいしい!
1日で飲み切らずに、冷蔵庫にて保管をしていました。
味わいに変化はあったのでしょうか?
早速香ってみると、酸味が香ります。
酸味、そしてキレ感。少し辛さもあります。
甘さよりもキレ感強めです。
今日は餃子です!
餃子を食べてから飲んでみると、甘さからのキュッとした酸味&キレ感。
酸味が強くなりました。
さわやかな感じで酸味は強いけど悪くないです。
油を流してくれるウォッシュ効果で餃子が食べやすくなりました。
餃子のタレにお酢を入れていますが、そのお酢に酸味がとても合います。
美味しくいただけますが、ドライさが印象的なのでちょっと物足りなさも感じます(もっとマリアージュ感が欲しい)
温めても良いということなので、まずは人肌~ぬる燗くらい(38℃)で飲んでみたいと思います。
早速飲んでみると、グイグイと酸味がUPしました。
少し苦味も出たかな?
ちょっと38℃だとぬるいので、続いて上燗まで上げてみたいと思います。
上燗(45℃)で飲んでみると「うまっ!」
甘さもあり、口に含んだ時の温かさがとても良いです。
温めるとレモンっぽい酸味になります。
上燗から温度が下がっていく時の味わいも旨いです。
酸味が良い感じで甘みも出て美味しい。
まろやか!
冷やのまま飲むよりも、温めてから温度が下がった時のやわらかな甘さがとても美味しいです。
燗酒◎
こちらのお酒を飲むのなら、ぜひ上燗は試していただきたいと思いました。
続いてはこちら。
12月に購入し、1月にいただきました。
早速香ってみると、香りが特徴的!
酸味と共に濃いめの甘い香りが漂います。
キャラメルっぽい感じがします。
酸味&甘み。
味わいもキャラメルっぽさがあります。
あのキャラメルの濃い甘味に酸味感、少しスッキリするようなあの感じ。
とても濃い甘さですが、後口は酸味&苦味のおかげでスッとします。
コンセプトが「鍋に合わせる」ということなので、もつ鍋にしてみました。
もつ鍋を食べてから飲んでみると、酸味と甘みがとても美味しくなりました。
緩やかになったという感じでしょうか。
そして後口には日本酒のお米の素材感が広がります。
もつ鍋のモツにとても良く合います。
酸味がキレイでとても美味しくいただけます。
脂っぽさを感じさせず、一緒に美味しく食べれるし美味しく飲める。
しっかり甘さを感じるのに後口の酸味がうまい具合にまとめてくれるので、甘すぎる感じがありません。
料理と一緒だと甘さよりも酸味が印象的になるお酒です。
キャベツ、ニラ、スープよりも「モツ」自体に1番合って美味しい。
甘味と酸味がめっちゃマッチします。
うまーい!
飲み進めていると、お米っぽさはなくなりクセが消えました。
冬しぼりたてはもつ鍋に合うお酒!
そんなこんなで、こちらは4合瓶1本飲み終えてしまいました。
おいしかったです!
ごちそうさまでした。
今回は、飛良泉の季節限定酒FOUR SEAOSONSの「秋 ひやおろし」「冬 しぼりたて」を飲み比べてみました。
「にかほ市」の四季折々の表情を日本酒で表現しているとのことですが、本当に表情が異なりました。
といった感じで、酸味が印象的という共通項はありましたがその味わいは本当に全く異なる2本となっています。
わたしは、春・夏・秋・冬と飲んできて1番好みの味わいだったのが「春うすにごり」でした。
そして4本すべてをコンプリートしてみて、他の酒蔵さんとはひと味違う季節限定酒だと思いました。
飛良泉本舗さんの季節により変わりゆく表情(お酒の味わい)をしっかり堪能したい人にはお勧めのシリーズだと思います。
飛良泉本舗さんの醸す、FOUR SEAOSONSは蔵でもごく少数の取り扱いがあります。
(以前までは特約店さんのみでした)
飛良泉本舗さんの公式オンラインショップを見てみたところ、3月1日現在「FOUR SEAOSONS 4本セット」が購入可能です。
価格は7,920円(税込)となり数量限定発売のため、無くなり次第終了となります。
こちらは季節を待たずに一気に飲める!というお得なセットとなっているため「飲んでみたかった!」という人にはおすすめです。
公式オンラインショップで売り切れの場合は「特約販売店さん」での購入が必要です。
購入希望の人は、近くの酒販店や取り寄せ先を紹介してくれるとのことです。
また、ネット通販を行っている酒販店さんでも購入することが可能です。
【飛良泉 特約店】
【飛良泉 販売店】
といったキーワードで、GoogleやYahoo!検索をすると見つけることができます。
例えば、下記の酒販店さんで取り扱いがあります。
FOUR SEASONSは季節限定酒なので、季節に合わせてチェックをしておくと買い逃さずに済みます。
品目 :日本酒(山廃 純米/生詰酒)
原材料名 :米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)
原料米 :美山錦74%使用、秋田酒こまち26%使用
精米歩合 :60%
アルコール分:16度(原酒)
酵母 :きょうかい701号
日本酒度 :+9.0
酸度 :1.9
内容量 :720ml
価格 :1,760円(税込)
※日本酒度はプラスになればなるほど辛口と言われています。
品目 :日本酒(山廃 純米/生酒)
原材料名 :米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)
原料米 :美山錦74%使用、秋田酒こまち26%使用
精米歩合 :60%
アルコール分:15度(原酒)
酵母 :秋田酵母No.15
日本酒度 :±0
酸度 :2.1
内容量 :720ml
価格 :1,760円(税込)
製造者 :株式会社飛良泉本舗/秋田県にかほ市平沢字中町59
公式サイト :https://www.hiraizumi.co.jp/
Instagram :https://www.instagram.com/hiraizumi_sake/
春のうすにごりを購入した時から「全種類集める!」と思っていたボトルも無事に揃えることができました。
並べてみると色合いがとてもかわいいです。
また、季節ごとの日本酒の味わいを知ることで「春酒が好み!」「やっぱりしぼりたて!」など自分の好みの季節限定酒を知ることもできます。
気になったあなたはぜひワンシーズン、その異なる味わいを愉しんでみてくださいね。