日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、福島県西白河郡矢吹町にある「合名会社 大木代吉本店」(おおきだいきちほんてん)さんの醸す、「楽器正宗 Queen」(がっきまさむねクイーン)です。
大木代吉本店さんの醸す「楽器正宗」(がっきまさむね)と言えば、
\醸造アルコールが添加されているのに旨い!/
という「アル添酒は美味しくない」と思い込んでいる人に1度は味わって頂きたい日本酒の内の1本です。
わたしも楽器正宗を初めて飲んだ時は「本当に醸造アルコールが添加されているの?」とその美味しさに驚き、もっと飲んでみたいと思う銘柄の1本となりました。
あと1本欲しい時や購入する日本酒を迷った際に、楽器ちゃんを選ぶ安心感は半端なく「間違いなし」と信頼できる存在でもあります。
初めての楽器正宗の出逢いや飲んだ時の様子は下記の記事に書きましたので、気になったあなたはぜひご一緒にどうぞ。
\はじめての楽器正宗!/
そして今回いただいた、「Q」のマークのラベルが特徴的な楽器正宗Queen(クイーン)は昨年2021年に新登場したブランドで
といった特徴のある日本酒です。
パッケージデザインの「Q」は、トランプの12(クイーン)にかけてアルコール度数の12を表し色からは「マスカット系の果実の味わい」を想像できるような配色となっています。
昨年は登場後、瞬く間に完売となり2022年の今年も「お一人様1本まで」と本数制限が掛かる人気なブランドとなっています。
楽器正宗の日本酒と言えば「本醸造」という、原材料が米・米麴・醸造アルコールの日本酒が基本ですが
といったさまざまなタイプの日本酒も発売しています。
今回のお酒、Queenは「純米無濾過原酒」で
となります。
夢の香(ゆめのかおり)は、福島県で生まれた酒造好適米で五百万石に変わる県産酒米を目的に育成されました。
八反錦1号と出羽燦々を親に持ち、心拍は大きく五百万石よりも割れ難い大粒米で吸水性に優れ、もろみ(醪)に溶けやすい特徴があります。
口に含んだ瞬間、夢が広がるようなお酒になるように…と願いを込められ命名されました。
楽器正宗の日本酒は、本醸造など混醸シリーズ以外は基本的に福島県産の夢の香を使用して醸されています。
今回のお酒「Queen」に関しては、自社田で栽培した夢の香を100%使用して醸されました。
楽器正宗の日本酒はまだまだ飲んだことの無い種類が多いのですが、Qラベルのこちらのお酒はその中でも見たことの無い1本でした。
ラベルの裏にも「どんなお酒なのか?」という説明書きなどは無く、解るのは「アルコール分が12度と低アルコール」な日本酒ということです。
低アルコールの日本酒は飲みやすく好きなお酒なので
「楽器ちゃんなら間違いないでしょ」
とその信頼と共に手に取ることとなりました。
どんな日本酒なのか?
早速、開栓してゆきたいと思います。
「特別純米酒」ということで、リーデルの純米グラスで飲んでみることにしました。
香りは、少し柑橘感のある酸味が香ります。
そこに甘みもあるのでミカンぽくも感じました。
おいしー!
なにこれ~。
甘みがやわらかくて、ふわっと口の中に広がりました。
そして柑橘感。
マスカットっぽい酸味感もわかります。
幸せな甘さ。
からの、少し強めのキレとさわやかさでまとめられてしまいました。
あれ、おかしい。
「あの飲み口の甘みはどこいったの?」
と少し迷子になってしまう味わいです。
飲み口の甘さにある柑橘っぽい感じはめちゃめちゃ好みなのですが、後口にやって来るキレ感が結構強めでキリッと辛口くらい強いです。
最初甘くて幸せなのに、辛辣な現実が待っている…みたいな。
は!!
もしかしてクイーンってそういうこと?(違う)
美味しいの。
このお酒は美味しいのだけども、最後は舌が痛いよ?
飲んでいて二重人格のような印象があり、嫌いじゃないけどギャップを凄く感じました。
香りは洋ナシっぽい感じもあります。
今日はマヨサラダと豚キムチです!
サラダのマヨネーズに合います!
甘味が美味しくて強かったキレ感が無くなりました。
後口も甘さでフィニッシュしてくれるので嬉しいです。
本当に飲み口の甘さ、好きです。
豚キムチは、甘さが合います。
うん、美味しいです。
キレも感じますが、嫌な感じはなくさわやか。
口の中で甘みが広がるので「甘さが美味しい」しかありません。
単体で飲むより、料理と一緒に味わう方が美味しく飲めます。
そして常温の方が甘さが広がります。
いや、本当に料理と合うのだが…
マヨネーズも酸味をしっかり感じつつ、甘みよりさわやかな感じが出て美味しいです。
通常、アルコール度数の12%のお酒は1日でペロリと飲んでしまうわたしです。
ですが味わいの変化も見てみたかったので、冷蔵庫にて保管をしていました。
何か変化はあったのでしょうか?
飲んでゆきたいと思います。
今日は香りをよく拾える「雪だるまグラス」にしてみました。
昨日よりもまったりした香りがします。
キレも増しているような…そんな香りです。
まったり!
香りの通り甘さがまったりします。
ほんの少し、柑橘の皮寄りの苦味も感じます。
甘さは昨日の方が美味しかったです。
ですが、キレ感は落ち着いて全体的にまとまりが出た感じがします。
舌に少しピリッと感あり。
今日は昨日と同じ、サラダと豚キムチ(2日目)です。
サラダはやはりマヨネーズと合うので美味しくいただけます。
落ち着いた甘さと酸味。
豚キムチは、甘酸感がUPしてさわやかさが出て美味しいです。
やはり料理と一緒のほうがおいしくいただけます。
アルコール分12度なのでとても飲みやすいですが、軽すぎる感じはありませんでした。
そして、2日目の方がお酒の味わいのバランスがまとまったように感じましたが、わたしは開栓初日の甘みが最高に好きでした。
うーん、面白いですね!
おいしかったです。
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「飲み口の甘みが最高に好きだ」と思った日本酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが、「いつもとは違う楽器正宗」を飲んでみたい人にはピッタリな日本酒かと思います。
また、アルコール分12~13度の低アルコール日本酒を飲んでみたい人・お探しの人にもおすすめです。
そして「食中酒」として美味しくいただけるため、晩ご飯のお供の1本をお探しの方もぜひどうぞ!
大木代吉本店さんの醸す楽器正宗シリーズは、蔵に直接行っても買えない銘柄になります。
そのため、正規取扱店さんでの購入が必要となりますが公式サイトには一覧などの掲載がありません。
電話にて問い合わせすることでお近くの販売店さんを紹介してもらえると記載がありました。
中にはインターネットで販売している特約店さんもありますので
「楽器正宗 特約店」
「楽器正宗 Queen」
といったキーワードで検索するとヒットさせることができます。
なお、2021年は8月頃の発売となりましたが、2022年は1月・2月に入荷している酒販店さんがありました。
例えば下記の特約店さんになります。
※2月21日現在、一升瓶であれば在庫があり購入可能です。
特定名称 :特別純米酒
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
原料米 :自社田「夢の香」100%使用
精米歩合 :60%
アルコール分:12度
内容量 :720ml
価格 :1,496円(税込み)
製造者 :合名会社 大木代吉本店/福島県西白河郡矢吹町本町9番地
公式サイト :https://www.daikichi-sizengo.co.jp/
Facebook :https://www.facebook.com/ookidaikichi/
楽器正宗の新ブランド「QUEEN」。
ただの低アルコール日本酒ではない、大木代吉本店さんの奏でる日本酒。
コスパも良し!飲んだことの無いあなたはぜひ一度、その味わいを体感してみてください。
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