日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、福島県南相馬市小高にある「haccoba -Craft Sake Brewery-」さんの醸す「サニーデイ・レモネード」です。
あなたは、haccoba -Craft Sake Brewery-(ハッコウバ クラフトサケブリュワリー)をご存じでしょうか?
日本酒の製造技術をベースとした「クラフトサケ(Craft Sake)」という新しいジャンルのお酒を醸している酒蔵さんです。
「酒造りをもっと自由に」
というポリシーを掲げ、お米をベースにホップなどを発酵させるジャンルの垣根を超えた自由な醸造スタイルにてお酒を醸されています。
haccobaが誕生したのは、2021年2月。
首都圏に住んでいた3人の若者が、福島県にある南相馬市小高に移住し民家をリノベーションした酒蔵をオープンさせました。
Makuake(マクアケ)でクラウドファンディングをされていたため、応援購入に参加された方も居るかもしれません。
そんなhaccobaの代表を務めるのは「佐藤太亮」(さとうたいすけ)さん。
酒蔵の息子でもなく、酒造りとは無縁の経歴だった佐藤さんは「酒づくり」という美しい仕事に惚れ込みゼロからの酒造りに挑戦されました。
そして酒蔵の修行の場として選んだのが、新潟県にある「阿部酒造」さんです。
1年間みっちりと酒造りの基礎を学び、その経験を基にhaccobaでの酒造りに挑戦されています。
メインのお酒となるのは「はなうたホップス」という、うっすらピンク色のお酒です。
名前の通り、日本酒の発酵過程でビールの原料となるホップを加えたSakeになります。
色がピンクになるのは、ホップの成分によって少しずつピンクがかってくるという特徴があります。
わたしが初めて「はなうたホップス」を飲んだのは、2022年に開催された「若手の夜明け -sake jump- 2022」でした。
実はそれまで「クラフトサケ」ジャンルには積極的に手を伸ばしていなかったのですが、飲んで後悔しました…
なぜ今まで飲まなかったのかと…
それほどまでに、意味が分からないくらい美味しい味わいのお酒でした。
\好みにドストライク!/
その後調べてみると製造数が非常に少ないため「発売されると直ぐに売り切れちゃうお酒」ということを知りました。
そのため、はなうたホップスを購入したことはまだありません。(いつか買います!)
\若手の夜明けとは?/
今回購入できたお酒が「サニーデイ・レモネード」です。
丁度、dancyu祭2023(ダンチュウ祭り)が開催された4月23日に東京に居たため、その時販売されていたサニーデイ・レモネードを買いに行きました。
「レモネードなお酒なのか~美味しそう!楽しみ!」
と、どんなお酒なのか特に調べずに購入しましたが、後々調べてみるとこのお酒とても変わった内容であることが分かりました。
あなたは、CBD(カンナビジオール)をご存じですか?
CBDとは、大麻草の成熟した茎や種子から抽出できる大麻草に含まれる成分のひとつです。
大麻?と心配になった方も安心してください。
CBDは合法的に扱うことの許された成分で、身体と心の状態を整える効果があることから世界的に注目され研究が行われている成分になります。
そんなCBDを、国内のCBD業界を牽引するONE-INCH(ワンインチ)さんから提供してもらったものを配合しているのがこちらのサニーデイ・レモネードです。
なので商品の説明に
と書いてあったのですね。
そして、CBDの他にレモンとミントも一緒に発酵させ、ゴクゴク飲めるレモネードをイメージし爽やかな味わいに仕上げたとのことです。
以前に発売された「ゴキブリ(トルキスタンローチ)の卵鞘」を一緒に発酵させたお酒にも度肝を抜かされましたが…(買ってません…)
haccobaさんの発売されるお酒をしっかり調べてみると、さまざまな面白い発見や出逢いを得られるかもしれません。
ONE-INCH(ワンインチ)さんの商品も気になるわぁ~。
初めましてのお酒を飲む際は、基本的にどんなお酒なのか調べずに飲んでいます。
そのためこちらも「レモネードなお酒」と思って開栓しました。
ちなみに、haccobaさんのボトルは「500ml」で王冠は簡易的に再栓できる王冠栓を使用されているため「開けてもまた嵌められる」ようになっています。
\1度で飲み切れなくても安心!/
実際はどんな味わいだったのか?
ワクワクしながら開栓してゆきたいと思います。
とってもスッキリ!
レモンな酸味とミントの苦味が共に香ります。
でも甘みもたっぷりあるような濃さを感じます。
思ったよりもまったり感!
厚みがたっぷりとありつつ、ジューシーなレモンの濃ゆさもたっぷりあります。
しっかり濃い味わいです。
酸味爽やか過ぎずに、レモンの皮とミントな苦味の香りが鼻を抜け、レモネードっぽいジワッとさを少し感じつつの甘み。
どちらかと言えば原液?
スッキリ爽快ではなく、氷と炭酸を入れて飲みたくなる味わいです。
ここで「あっ、そうかSAKE(日本酒)なんだ」と思いました。
どういうことかと言うと、サワーとかリキュールとかのイメージで飲んでいましたが日本酒特有の旨味というか厚みがある。
それを思い出した感じですね。
それと共に、果実感があり皮の苦味も感じられいい感じです。
オリを混ぜて2杯目を飲んでゆきたいと思います。
なるほど、しっかり混ぜたほうがバランスが良くなりました。
飲み口ジワッとレモネードっぽさがUPしました。
あと、しっかりボトルを冷やしながら飲むのが良さそうです。
たっぷりレモンで甘みもあり、苦味もいい感じでさっぱりします。
美味しいです。
アルコール分は10%なのに、厚みがあるのでとっても濃ゆく感じます。
クリームチーズと名乗れなくなってしまった「キリ」ですが、変わらずに大好きでいつも冷蔵庫に入っています。
キリを食べてから飲んでみると、合う!
チーズの酸味となめらかさがお酒の酸味に良く合います。
キリのほんのりとした甘みもまた、お酒の甘みに合い一緒だと幸せ気分になります。
あ、でもミントの苦味の香りが少し気になるかもしれません。
しっかりとオリを混ぜて、キン!と冷えていると、とっても美味しくなるお酒だと思います。
そんなこんなで1本、飲み切ってしまいました。
美味しかったです!
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「キリと最高に合う!幸せ気分を味わえる」と思ったクラフトサケですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが、新しいジャンルのお酒を楽しんでみたい人や日本酒初心者には飲みやすくてびっくりすること間違いなし!なお酒となっています。
クラフトサケはまだ全然飲んでいませんが、イベントで飲んだ感じだとhaccobaさんは配合された原材料のバランスが良いと思います。
しっかりと一つのSAKEとして完成しているため、飲みやすくて美味しいイメージがとってもあります。
そのため、クラフトサケの入門としてもお勧めできる酒蔵さんだと思いました。
気になったあなたはぜひ一度、お試しください。
haccobaさんのお酒は基本的に、福島県にある酒蔵での店頭販売と自社のオンラインストアにて購入することが出来ます。
また、取扱店さんもありますがまだ3店舗となっています。※2023年6月現在
これは製造量がとても少ないためです。
そのため「haccobaを飲んでみたい!」と思っても在庫が無く買えないことがほとんどです。
購入したい場合は、SNSなどで発信される発売のアナウンスに合わせないとまず買えません。
また、わたしが買ったように「イベントに出店」した時に買う!という方法もありますので、まずはSNSをフォローしてみてくださいね。
品目 :その他の醸造酒
原材料名 :米(福島県産)、米麹(福島県産米)、レモン、ミント、CBD
原料生産者 :豊田寿博、根本洸一
精米歩合 :88%
アルコール分:10度
内容量 :500ml
価格 :3,080円(税込み)
製造者 :株式会社haccoba
所在地 :福島県南相馬市小高区田町2-50-6
公式サイト :https://haccoba.com/
haccobaさんから発売されるお酒は毎回「どこか変わっていて面白いんだな」ということが分かりました。
きっと「えー!?」という内容でも、見事に完成させているのではと予想が付きます。
そのため「これはチョット…」というお酒も、今後は機会があれば買ってみたいなぁと思いました。
まずは、はなうたホップスを買ってみたいと思います!
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