日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、秋田県仙北郡美郷町にある「合名会社 栗林酒造店」さんの醸す「春霞 花ラベル 純米」です。
当サイトで、栗林酒造店さんの春霞(はるかすみ)の日本酒を飲むのは2回目。
秋田県の中央部にある六郷村(現美郷町)という豪雪地帯にある酒蔵さんで、蔵元杜氏である栗林直章さんは秋田の蔵元集団「NEXT5」のメンバーのおひとりでもあります。
そのお酒の特徴は、
と、地元秋田の土地で醸される「栗林酒造店さんだからこそ造れる」日本酒を存分に味わうことができます。
栗林酒造店さんの詳細に関しては下記の記事に書きましたので、気になったあなたはぜひご一緒にご覧ください。
\はじめての春霞は「六号酵母」のオレンジラベル/
セオリーではなく、自らの蔵でしか醸せない最高の日本酒にて金賞を受賞したというのはとても素敵なことだと思いますし、凄いことですよね。
蔵付き分離酵母とは、その蔵に住み着いている蔵付きの酵母を分離して使用することで「その酒蔵さんならではの独自の個性を味わえる」酵母となります。
例えば、同じ秋田県の新政酒造さんでは「6号酵母」が発祥となりました。
6号酵母は「きょうかい6号」として日本醸造協会が全国の酒蔵さんでも使用できるように頒布しているので、購入することによりどこの酒蔵さんでも使用することが可能です。
他にも「7号酵母」や「1801号酵母」といった頒布されている「きょうかい酵母」を使用して日本酒を醸している酒蔵さんがほとんどです。
ですが、栗林酒造さんでは独自の蔵付き分離酵母となる「亀山酵母」と、熊本酵母の「KA-4酵母」を主に使用して日本酒を醸しています。
今回のお酒「春霞 花ラベル」はこちらの亀山酵母(蔵付分離)を使用して醸されました。
亀山酵母の特徴としては「米と水の味わい豊かな食中酒向き」といった味わいを愉しむことができます。
花ラベルは春の季節(3月~4月)に発売される日本酒で、精米歩合60%の純米酒となります。
秋田県の内陸、奥羽山脈の蔵の酒蔵『春霞』。
山の雪解け水は良質な地下水となり、広大な仙北平野の田園と里を潤します。
当蔵はこの豊かな土地の柔らかな水を用い、米の味わいを引き出す酒造りを心掛けております。
ご飯のおかずとも相性の良い食中酒。せひお料理のおともに。
と記載がありました。
春霞の季節限定酒は他にも
があるため、季節による味わいの違いを楽しむことができます。
これまで飲んできた「春酒」は、きゅんとした甘酸で低アルコール(~13度くらい)グイグイ飲みやすい!といったものが多くそんな味わいがとても好みでした。
ですが花ラベルはそれらの日本酒とは違いそうです。
アルコール分も16度のため、しっかりとした日本酒を想像できます。
実際はどんな味わいなのか?
早速、開栓してゆきたいと思います。
メロンの皮寄りの香りがします。
青さのある香り。
甘みもありますが、スッキリとしたキレさが香ります。
舌にジュワっとしつつ、メロンの青っぽさとキレ感。
後口にはお米の素材感がふんわりと残ります。
しっかりと「日本酒」を感じる味わいです。
アタックが結構強くて、しっかりとぶつかってくる感じもします。
お米の旨みとキレさを感じつつ飲める「日本酒」ですね。
最近は「これは本当に日本酒なの?」という味わいの日本酒ばかりを好んでのんでいたので、久しぶりに「日本酒らしいお酒」を飲んだ気持ちになりました。
飲み口の甘みには酸味もあり、甘さよりも酸味、そして日本酒らしいキレ感と共にふわふわとお米の味わいが口の中に残ります。
春酒かつ花ラベルということで、桜の平盃で飲んでゆきたいと思います。
冷酒を注ぐと桜の花がピンクに色付くため、可愛くてテンションも上がるし最&高!
Twitterに動画を上げたのでこの可愛さをぜひ見てください!
わが家ではまだまだ桜を楽しめます☺️🌸
\春霞 花ラベル🌸/ pic.twitter.com/H70cYh2Ewm
— ねこと日本酒🐈🍶@なかのひと (@neko_nihonsyu) April 13, 2022
やっぱりピンク×ピンクは合いますね~(* ´ω` *)
と酒器の説明が長くなってしまいましたが、平盃でも飲んでみたいと思います。
え!明らかに平盃で飲んだ方が美味しいのだが?
平盃で飲むと甘みの余韻がグラスよりも長くなりました。
そして酸味も「きゅん」として日本酒らしいキレ感も穏やかに。
花ラベルは「グラス」よりも「平盃」で飲むのが断然味わいが美味しく感じます。
スルリと飲めるし、メロンポさがありつつ柑橘さも出ました。
メロンはグラスで飲むより青さを感じません。
今日はサラダやフライなどと色々合わせてみましたが
「酸味がスッキリ!」
「さっぱりさUP!」
と、平盃に変えてからお酒の味わいがとても美味しくて料理とも合い楽しみながらいただくことができました。
グラスよりもやわらかくてスルスル飲めちゃいました。
お酒の温度は冷たいとジワジワ感が口の中を刺激して美味しいですし、常温だと柔らかさが出ます。
基本的にスッキリ・さっぱり・酸味な味わいのお酒で料理の邪魔をせずに「食中酒」としてとても美味しいです。
今日の料理で1番合ったのは「サーモンとクリームチーズの生春巻き」です。
クリームチーズにとっても合います。
1日で飲み切らずに開栓後は冷蔵庫にて保管をしていました。
味わいの変化はあったのでしょうか?
今日は最初から「平盃」で飲んでゆきたいと思います。
香りは平盃なのであまりキャッチできません。
飲んでみると、甘みがやわらかく酸味もやわらか。そしてスッキリします。
今日は鮭の南蛮漬けです。
鮭を食べてから飲んでみると、飲み口の甘みが良い感じですが後口に少し苦味がでました。
でも悪い感じではありません。
そのため、料理を食べて少し待ってから飲んでみると苦味も気にならずに美味しく飲むことができました。
料理のお酢が強すぎなのかしら?
平盃で単体で飲むと、やわらかく緩やか。後口がさっぱりするのでとっても美味しくいただけます。
そんなこんなで飲み終わってしまいました。
美味しかったです!
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「グラスより平盃で飲む方が最高に美味しい!」と思った日本酒ですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
春霞の花ラベルは、春らしい華やかなお酒ではなくグラスで飲むと「日本酒らしいキレ感」をしっかり感じるお酒でした。
そのためお酒単体で楽しむのではなく、料理と合わせることで美味しくいただけるお酒だと思います。
そして、グラスを平盃に変えることで「やわらかさ」や「穏やかさ」が浮き彫りになりとても美味しくいただくことができました。
アルコール分も16度の為、平盃でゆっくりと飲みながら食中酒として料理と共に楽しむのがお勧めな日本酒かと思います。
乾杯のお酒向きではありませんが、ゆっくりと春の季節に楽しむ1本として食卓に寄り添ってくれるお酒だと思いました。
栗林酒造店さんの醸す日本酒は蔵での直接販売を行っていないため「特約店」さんにて購入する必要があります。
なお、栗林酒造店さんの隣にある「高良酒店 」さんも特約店さんの為、蔵へ行った際はそちらで購入することが可能です。
買えるお店は公式サイトにまとめられてます。
また、蔵元集団が運営する「J.S.P」に加盟しているため下記のページでも一部の特約店さんをチェックすることができます。
「近くに取扱店さんが無い!」という場合は、ネット通販を行っている特約店さんもありますのでチェックしてみてください。
例えば
なお、春霞の花ラベルは春の季節限定酒のため「3月~4月」の発売となり、店舗在庫にて終了となるお酒です。
4月28日現在は、上記の尾崎商店さんでしたらまだ在庫がありましたが、他のネット通販を行っている特約店さんは売り切れとなっていることがほとんどです。
季節のお酒は、今年を逃すと来年まで購入できませんのでご注意ください。
品目 :日本酒(純米吟醸)
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
使用米 :秋田県産 美郷錦100%
精米歩合 :60%
アルコール分:16度
酵母 :亀山酵母(蔵付分離)
内容量 :720ml
価格 :1,375円(税込み)
公式サイト :https://harukasumi.com/
Instagram :https://www.instagram.com/sake.harukasumi/
今回2本目となる春霞の季節限定酒を購入してみました。
ベーシックでスタンダードな味わいとなる「緑ラベルの春霞」はまだ購入出来ていませんが、いずれ出逢えた時に購入したいと思っています。
まだ2本しか飲んでいませんが、春霞は「派手さはなく硬派だけどやわらかく寄り添ってくれる日本酒」というイメージを持ちました。
UTAGEで購入した2本もありますので、また飲み次第記事にしてゆきたいと思います。