日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、山形県村山市にある「高木酒造株式会社」さんの醸す「十四代 特吟 純米大吟醸 生貯蔵酒」(じゅうよんだい とくぎん)です。
「日本酒が好き!」を突き詰めてゆくと必ず出逢う1本があります。
それが「十四代」(じゅうよんだい)という銘柄の日本酒です。
十四代は、山形県にある高木酒造さんが醸す日本酒で1615年に創業した400年以上の歴史のある酒蔵さんです。
元々は古酒の名前として「十四代」を使っていました。
現在の当主となる15代目蔵元「髙木 顕統」(たかぎ あきつな)さんが、1993年(25歳)で蔵へ戻り新しく醸す日本酒として「十四代」をブランド名とすることとなりました。
それまでは「朝日鷹」(あさひたか)という日本酒を主に醸していました。
朝日鷹は、現在も地元銘柄として山形県内のスーパーや酒販店さんのみで流通をしており県外では中々お目にかかれないこちらも入手困難な1本です。
十四代を醸す高木酒造さんは
とインターネットで公式が公開している情報がほとんど無く「これから十四代を買ってみたい!」という一般の人からすれば「良く分からない謎の多い」酒蔵さんです。
ここまで人気となったきっかけは、日本酒が「淡麗辛口ブーム」の時代にフルーティーで米の旨みと甘みを引き出した「芳醇旨口」の日本酒を生み出したことです。
髙木 顕統さんの醸す十四代によって、日本酒業界の流れが大きく変わったのです。
その後、全国の酒販店さんが取り扱うようになり一躍全国区で高い知名度を誇るようになりました。
そして、多くの日本酒ファンもその味わいに惚れる人が続出し、求める人が多くなりました。
ですが「いくら人気になっても生産量は増やさない」という蔵元さんの意向があるため、市場に出回る数が少なく限られ「入手困難」「幻の日本酒」となっています。
またインターネット通販ではプレミア価格での販売は当たり前で、転売などもされており【定価で購入】することはとても難しい状況となっています。
十四代は公式サイトが用意されていないため、
「どこで買えるのか分からない」
「どうやって買えばいいの?」
「高過ぎィィイ!」
と、自分で買ってみよう!と調べた人がまず頭を抱えてしまう日本酒ではないでしょうか。
調べるほどに、とても閉鎖的な印象で情報を中々キャッチできません。
また基本的に、店頭に並ぶことはほぼないお酒のため「一見さんがフラッと酒屋さんに寄って購入する」ことは不可能なお酒です。
そんな中「Sakenomy(サケノミー)」というサイト経由で十四代がたまーに販売されていることはご存じでしょうか?
十四代 特吟(じゅうよんだい とくぎん)は、300mlと小さいながら一見さんでも購入できる1本でわたしも「初めて購入できた十四代」がこちらの特吟になります。
その特徴は、
といった内容のお酒となっています。
十四代はアルコール分が15度~17度としっかりあるものがほとんどなので、初めての十四代としても飲みやすいお酒となっています。
入手困難として名前の挙がる、十四代・而今・新政。
わたしはこの3本が並んでいたら「新政」を選ぶ、新政好きの人間のため十四代にはそれほど興味がありませんでした。
また十四代は飲食店さんで飲むこともあり、特に自分で買わなくてもそれで満足な銘柄の1本です。
ですが日本酒メディアを担当していることもあり、日本酒愛好家に選ばれている「十四代」は外すことの出来ない存在です。
また、当サイトは「実際に飲んだ日本酒」しか基本掲載しないため、まずは現状のわたしが今買うことのできる「十四代 特吟」を購入することにしてみました。
果たしてどんな味わいだったのでしょうか?
早速、見てゆきたいと思います。
段ボールを開け、厳重なプチプチに包まれた中身を取り出すとカッコイイ黒い箱が現れました。
「JUYONDAI」
と描かれたロゴのマークが印象的で、十四代ってこんなカッコイイマーク使ってたんだなぁとちょっと意外でした。
ボトルのラベルの十四代の文字も箔押しで、キラキラと光り荘厳な印象があります。
こ、これが十四代…
ちょっぴりドキドキしましたが、300mlのミニミニボトルには可愛い印象もありますよね。
色はうっすらと黄金色。
注いでいる時からフルーティーな香りが漂います。
鼻を近付け香ってみると、パイナップル系の香りがします。
甘みと酸味がしっかり。
ジューシーで強さがあり、ちょっと重たい印象の香りです。
甘い!!
シロップのような甘さで少しトロリとします。
ぎゅっとした甘みと共にある酸味がより甘さを際立たせている印象です。
旨みが凄いのに後口はスーッとキレ…というかスッキリさがあります。
ですが鼻にはお米の甘みが残るため「最後まで甘さの余韻が残る」お酒です。
とにかく飲む度に濃い!
これは1日1杯、お酒の味わいと向き合いながら飲みたくなる感じがします。
そして飲んでいると途中に苦味もしっかりと広がります。
ですが嫌な苦さではありません。
結構、舌の中心を刺激してゆく感じがあります。
香りの感じは「花陽浴」を想像できるトロピカルな感じがあります。
旨みと甘さがたっぷり濃厚。
なのに重たさの残らないお酒です。
飲み口の甘みが秀逸。
少しジワッとして甘みがドーン!って来てからの酸味有りつつ、苦味とスッキリまとまる感じ。(語彙力…)
香りはパイン。
その香りが鼻に残るので甘さがふわふわ漂う感じがします。
今日は、焼きサバとサラダと共にいただきたいと思います。
焼きサバを食べてから飲んでみると、甘みがジュワっと苦味もUPしました。
でもスッキリさがあります。
サバもお酒もお互い旨みがスゴイですが、ケンカはしません。
そしてマリアージュという感じはなく、仲は良いのだけど一定の距離感を保っている印象かしら。
それぞれが美味しくいただけます。
サラダのドレッシングが白醤油ドレッシングなのですが、十四代と合わせると甘みがギューン!と増してちょっと甘すぎる印象です。
ですが、料理と一緒だとジワジワして良い感じにいただけます。
十四代 特吟は、全体的に甘みと旨みの強いお酒だなぁと思います。
300mlなんてスルッと飲めちゃう量ですが、翌日の味わいも確かめたくて1杯分残しておきました。
開栓後は、冷蔵庫で保管をしています。
何か変化はあったのでしょうか?
香ってみると、甘みがギュッとした香りでパイナップルな酸味があります。
飲んでみると、やはりシロップのような甘さでぎゅっと濃ゆい甘みと旨み。
そこへ酸味も合わさりスッキリさもあります。
冷たいのが美味しいです。
昨日よりも苦味はさほど感じなくなりました。
十四代 特吟は、おつまみなど無くてもこれだけでじっくりと向き合いながら楽しめるお酒なのでは?と感じました。
これだけの市場価値のある日本酒なので、選ばれる理由を探しながら飲むのも愉しいかもしれません。
とかなんとか言いつつ、食パンの賞味期限が迫っていたためチーズツナサンドにして一緒にいただきたいと思います。
パンを食べてから飲んでみると…合う!
これはうまいです。
マヨネーズとお酒が合うのか、全体的に濃い味わいに対してまろやかさがプラスされました。
甘さには爽やかさもプラスされ、とても食べやすいし飲みやすくてお互いを美味しくいただけます。
十四代にはツナマヨチーズパン!
本当に合うので、お手元に十四代がある人にはぜひやってみていただきたい組み合わせです。
シロップな甘さがジューシーになって、トロリさからの爽やか感UP!がとっても美味しいのです。(語彙力…)
というか…
300mlって少なすぎです…オワタ…
もっといっぱい味わいたかったです。
初めての家での十四代はこれにて終了!
うーん。美味しかった。
ごちそうさまでした♪
わたしは飲んでみて改めて「甘みと旨みがすんごい」と思った日本酒ですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
正直な感想を申しますと、わたしは飲食店さんで十四代を飲んだことがありその時も特に「好きだ!これじゃないと嫌だ!」と思ったことはありません。
すごいすごいと聞こえてくる日本酒ですが、自分の好みにはピッタリとはまらない印象が当時からありました。
それは、今回家でじっくりと飲んでみても変わりませんでした。
確かに美味しいです。
ですが基本的には「買うための条件が厳しい」日本酒なので、そこまでの労力を使うのであれば「これじゃなくても良い」とうい印象は抜けませんでした。
これはもう好みの問題だと思います。
自分で買って家で飲みたい人はぜひ、購入のチャレンジをしてみてください。
そして、自分の舌でその味わいを確かめてみてくださいね。
高木酒造さんの日本酒は、取り扱い酒販店さん(特約店)での購入が必要となるお酒です。
そのため、山形県の酒蔵へ行っても買うことはできません。
また、楽天市場やAmazon、メルカリ(転売)などはプレミアム価格での販売がほとんどのため正規の価格ではありません。
「じゃぁ、どこで買えるの?」
「どうやって買えばいいの?」
こちらに関しては、わたしも現在進行形で購入のために頑張っているところですのでまた別の記事にて詳しく紹介したいと思います。
今回購入した「十四代 特吟 300ml」に関しては「Sakenomy(サケノミー)」というサイトで購入しました。
こちら、元サッカー日本代表選手の中田英寿さんが代表を務める
そして
が連動して日本酒を購入できるECサイトを2021年1月28日にオープンし「蔵元直送」での日本酒を購入することがでるサイトです。
オープン当時から「幻の日本酒 十四代が買える」と話題になり、日本酒ファンの人たちから注目をされていました。
これまでに販売された十四代は
です。
「十四代 特吟」に関しては、数回に渡り販売されていますが「前回購入した人は買えない」という条件が付いています。
そのため、通常は即売り切れとなるところ今年初買いとなったわたしはすんなり購入することが出来ました。
今のところ1年の内に何かしら販売されているため、チェックをしておくと十四代を買えるチャンスがあります。
1点注意点があり
という点です。
十四代 特吟は定価が1000円くらいの所、Sakenomy価格は1705円+送料1100円=「合計2,805円(税込)」となります。
プレミアム価格では「12,800円(価格+送料)~」が楽天市場で出品されていました。
例)
いや、プレミアム価格…(ヤバすぎ)
Sakenomyは確かに定価よりはお高いですが、蔵元さんと直接取引をしているため安心感があり価格設定も良心的だと思います。
そのため
「少しくらい高くても十四代が飲みたい!」
という人にはオススメです。
またサケノミーではTwitterにて販売の際に告知が入るため、逃したくない人は通知設定をしておくと良いかもしれません。
品目 :日本酒(純米大吟醸酒)
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
使用米 :山田錦
精米歩合 :40%
アルコール分:14%
内容量 :300ml
価格 :1,705円(税込/Sakenomy価格)
公式サイト :なし
十四代はその入手困難さから、普段日本酒を自分で買う日本酒好きな人が「1度は買ってみたい!」と憧れる銘柄かもしれません。
自分で購入できない人は「飲食店さんで飲んだ方が早いし、結果的に安いし、味わいを知れる」お酒です。
幻だからと言って、自分の好みに合うという訳ではありません。
まずは飲んでみて「追いかける or 追い掛けない」を決めてみるのも良いかもしれません。
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