いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、?酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、山形県鶴岡市にある「亀の井酒造株式会社」さんの醸す、「くどき上手 Jr.の小川酵母~BEYOND~」(ジュニアのおがわこうぼ ビヨンド)です。
「くどき上手」という銘柄で浮世絵の女性ラベルが特徴の日本酒を醸すのは、明治8年(1875年)に創業した亀の井酒造さんです。
十四代を醸す高木酒造さんに続き、山形県の地酒として人気な銘柄の1本です。
現在は親子二代で日本酒を醸しており、「親」と「子」それぞれが担当する銘柄(シリーズ)が異なります。
亀の井酒造さんの社長兼杜氏を務めるのは、五代目「今井俊治」さんで「くどき上手」「ばくれん」を醸されています。
そして、俊治さんの息子で「Jr.」(ジュニア)と呼ばれる専務で六代目となる「今井俊典」さんの醸すシリーズが「くどき上手 Jr.」です。
当サイトでくどき上手を飲むのは2回目となり、初めて飲んだのは「Jr.の摩訶不思議ちゃん」と言う銘柄でした。
詳細は下記の記事に記載しています。
\くどき上手 Jr.の摩訶不思議ちゃんとは?/
今回も「Jr.」の醸す1本を手に取ってみました。
小川酵母は「きょうかい10号酵母」という名前でも知られ全国の酒蔵さんでも使用されている酵母です。
総合酒類メーカーである「明利酒類 株式会社」さんが開発した酵母で、亀の井酒造さんと小川酵母は切っても切れぬ関係となっています。
それもそのはず、亀の井酒造の五代目である今井俊治さんは元々、明利酒類で修行をしており「小川酵母」を発見した小川知加良先生より指導を受け酒造りをされています。
そこで、六代目となる今井俊典さんも小川酵母に関して特別な想いを持っています。
ラベルには
この酵母とともに酒造りに精進しております。
と記載がありました。
なお、小川酵母の特徴としては優れた香気を造り、酸は少なく、低温でよく働くため「吟醸酒」や「純米酒」に向いた酵母として高い評価があります。
通常であれば、くどき上手Jr.のお酒は「小川酵母&M310酵母」「小川酵母&1801号酵母」など小川酵母を使用する際は「他の酵母も一緒」に使用し醸されています。
ですがJr.の小川酵母は「小川酵母1種類のみ」を使用し、まさに小川酵母をメインとして醸されたお酒となっています。
ラベルには
酵母にとっての5日間は凄い月日です
「いまどき」は目指しておりません。
「いまどき」より「自分らしく」
と記載があり、今井俊典さんのお酒造りに対する想いが綴られていました。
ちなみに、Jr.の小川酵母は現在までに「3種類」が存在ます。
現在までに発売されたJr.の小川酵母は下記の通りです。
今回のお酒は、山形県鶴岡市羽黒町で栽培された「改良信交(かいりょうしんこう)」という酒造好適米を使用して醸されたものです。
ちなみに改良信交を使用した銘柄は「超辛口 ばくれん」「スーパーくどき上手」「くどき上手 Jr.29%」「スーパーくどき上手Jr.その2」などで使用されています。
その改良信交を30%まで精米し純米大吟醸酒として醸されました。
なお、Jr.の小川酵母は2019年より「白ラベルの山田錦」からはじまったシリーズで白ラベルは毎年発売されています。
それまでくどき上手は一升瓶(1800ml)でしか発売が無かったため、初めての四合瓶(720ml)で発売としても話題になりました。
現在も一升瓶でしか発売していないお酒もありますが、四合瓶の種類も増え買いやすくなっています。
白ラベルのJr.の小川酵母に関しては、2022年は7月26日ごろより発売され、8月4日現在も在庫のある店舗で購入することが可能です。
残りの2種類は、2022年より新発売となった限定品で
発売され、今回限りなのか来年も発売されるのか、はたまた種類が増えるのか…はまだわからないお酒となっています。
こちらも在庫があれば現在でも購入可能です。
前回初めて飲んだJr.の摩訶不思議ちゃんでは「濃ゆい甘みなのに後口さわやか!」という不思議体験をしました。
ですが、好きなタイプのお酒であることが分かりました。
そして今回は「小川酵母」がメインとなるお酒。
小川酵母(10号酵母)をメインとして謳っているお酒はこれまでにあまり飲んだことがありません。
どんな味わいなのか?
ワクワクしながら飲んでゆきたいと思います。
スッキリとした酸味が先にやってきて、その下に厚みのあるメロンの青さが香ります。
甘みもありジューシーさのある香りです。
甘み。
からのジュワっとメロンが押し寄せてきました。
軽やかな酸味と可愛いらしさのある甘み。
ジューシーでフレッシュさのあるお酒です。
ぎゅっと果実みのある甘みが印象的で、飲んでいる時の香りはとにかくメロン。
フレッシュな苦味とスッキリとした酸味が中盤でやってくるので、後口に甘みの余韻はしっかり残りつつもスッキリさでフィニッシュします。
アルコール分17度にしては、重たくない!飲みやすい!
ですがとっても濃ゆこゆなお酒です。
今日は、焼き鳥とサラダとともにいただきたいと思います。
焼き鳥(塩)は、スッキリさがUPしますがお酒の甘みが鳥の脂の甘みとマッチしてとても美味しくいただけます。
酸味ジュワっとさがUPしてスッキリ。
香りはやはりフレッシュメロン!
しっかり冷やしながら飲むと気持ちよく飲めます。
マヨサラダも爽やかさUP!
お酒とマヨネーズが合うので美味しくいただけます。
ねばねばサラダも美味しくて、納豆が悪さをしないお酒ということが分かりました。
(納豆の臭みが増す日本酒もあります)
料理と一緒だと、甘さの主張を抑えつつ旨みのあるスッキリ&爽やかさが出るため、とっても美味しくいただくことができます。
焼き鳥のタレも合う!
料理の甘みを邪魔せずに、お酒の甘みが優しく交わり酸味がジュワっと広がります。
そしてスッキリ、甘みジワジワ、フレッシュさが美味しいです。
食べて飲んでいると「食中酒向き」ということがとても良く分かりました。
料理と一緒だと飲みやすさが加速するのでキケン!でもね、美味しくて飲んじゃうの!
1日では飲み切らずに、開栓後は冷蔵庫に保管をしていました。
間に違う日本酒を何本か開けたため、気付けは「8日」経っていました。
初日と味わいはどう変化したのか?
飲んでゆきたいと思います。
マスカットのような香りがします。
ジューシーな甘みがありつつ、爽やかな酸味。
そして熟したメロンの皮寄りの青みのある香りにも感じます。
飲んでみると、甘みが美味しい!
まさにマスカットを食べた時の弾けるジューシーさ!
軽やかな酸味と青い苦味もフィニッシュに向けてありますが、それがまた美味しいです。
メロンやマスカットの果汁を飲んでいる感じがあります。
甘みに柔らかさもあり!
気付けば今日も焼き鳥です。
まずサラダを食べて飲んでみると、少し苦味がUPして後口にキレさがプラスされました。
入りは甘いです。
焼き鳥は、青いメロン感がでてスッキリとした苦さも出ました。
料理と一緒にいただくのは悪くないのですが、初日と比べるとお酒単体で飲んだ方が甘みを楽しめます。
あんなに食中酒向きだったのに!
面白いですね。
飲んでいると香りがメロンで、それがまた美味しいです。
そんなこんなで飲み切ってしまいました。
美味しかったです!
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「とにかくメロンで17度なのに飲みやすい」と思った日本酒でしたが、合わない人も居るかと思います
それは
です。
ですが、その心地よさをゆっくりと味わって飲みたい人にはオススメの日本酒です。
初日は食中酒として、開栓数日後はお酒単体として愉しむことができました。
また「小川酵母」に特化しているのも面白いため、小川酵母で飲み比べや他の酵母との飲み比べなども楽しいかもしれません。
くどき上手Jr.シリーズは限定品も多いため、気になったあなたは逃さぬようにチェックしておくと安心です。
亀の井酒造さんの日本酒は、全国の特約店さんにて購入することができます。
ですが、亀の井酒造さんは自社の公式サイトやSNSなどを用意されていないため自分で調べる必要があります。
GoogleやYahoo!検索にて
【くどき上手 特約店】
【くどき上手 販売店】
【くどき上手 東京(地名)】
などのキーワードで探すと取り扱い酒販店さんを見つけることができます。
わたしも近くに特約店さんが無いため、ネット通販を行っている特約店さんで購入をしています。
例えば下記の酒販店さんで購入することができます。
8月4日現在、くどき上手Jr.の小川酵母(改良信交)の在庫は終了していますが他の小川酵母の在庫はありました。
気になったあなたはぜひチェックしてみてくださいね。
特定名称 :純米大吟醸(生詰)
原材料名 :米(国産)米こうじ(国産米)
原料米 :改良信交100%
精米歩合 :30%
アルコール分:16度以上17度未満
内容量 :720ml
価格 :2,200円(税込)
製造者 :亀の井酒造株式会社
製造所 :山形県鶴岡市羽黒町戸野字福ノ内1
公式サイト :なし
YouTube :https://www.youtube.com/channel/UCTPZOXpcAhERmrNt9zYXJYA
はせがわ酒店さんを見てみたら「くどき上手 Jr. 夏吟醸 酒未来(さけみらい)」の販売がスタートしていました。
※8月4日現在
最近、酒未来の記事を続けて書いていたのでとても気になる1本です。
気になったあなたもぜひチェックしてみてくださいね。