日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、秋田県秋田市にある「新政酒造」さんの醸す「No.6 R-type 2021」(ナンバーシックス アールタイプ2021)です。
新政酒造さんの醸す「生酒」。
その定番となるブランドが「No.6」(ナンバーシックス)と呼ばれる、ボトルの「6」の数字のデザインが印象的な日本酒です。
新政酒造さんでは全ての日本酒で「6号酵母」という酵母のみを使用しています。
6号酵母による「生」のフレッシュな味わいを愉しむことを前提として醸されているシリーズのため「品質保証期限」が設けられ
に飲むことを推奨している日本酒となります。
「折角買えたのに、もったいなくて飲めない!」
と思っている人も居るかもしれません。
分かります。
ですが「むしろさっさと飲まないとモッタイナイ!」というのがNo.6というお酒です。
生酒は火入による殺菌を行っていないため、瓶の中で酵母が生きているお酒です。
そのため搾りたてのフレッシュな味わいを愉しむことが出来ます。
つまり瓶の中でも発酵を続けているため、時間が経つにつれ味わいがどんどん変化していきます。
そのため、新政酒造8代目蔵元の佐藤祐輔社長も
といったお話をJSP UATGのYouTube番組の新政の回にてされていました。
詳しく知りたい方は下記からどうぞ!
JSP UTAGE 新政(2022/04/28)
https://www.youtube.com/watch?v=FAW_uBB3nAc&t=1397s
劣化させない方法は、あります。
生酒の中で生きている酵母は、温度が高いほど活発になり味わいの変化が起こります。
これは保管する温度や開栓後の空気に触れる面積(酸化)によっても異なり、
そのため、わたしも日本酒セラーAQUAというマイナス5℃管理のできるセラーを使っています。
ですが、使用していて思うことは「完璧に酵母の活動をストップ出来るわけではない」ということです。
開けたり閉めたりの温度変化もありますし、霜取り運転中は室内の温度が設定温度よりも上がります。
そのため、長期保管が出来るとはいえ「生酒はやっぱり早く飲みたいし、飲むべき!」というのが現在までの結論です。
え?冷蔵庫しかない?
蔵元さんの想いを味わいたいなら、その生酒は直ぐ飲むことをオススメします。
日本酒セラーに関しては2つの記事を書いていますので、気になったあなたは一緒にチェックしてみてください。
\AQUAを実際に使っているレビュー/
R-type(アールタイプ)は通常のNo.6の中でも「レギュラー」タイプと呼ばれる入門編のような位置のお酒です。
精米歩合65%と、お米の味わいもしっかり感じつつ新政酒造さんで発祥した「6号酵母」の味わいを楽しめます。
価格もNo.6の中で一番お手頃で「1980円(税込)」になります。
ちなみに、2022年4月より価格の改定がありました。
一番人気は「S-type」ですが、昨年の2020ヴィンテージでは「X-type」の味わいが称賛されていました。
わたしも実際に3種類を飲み比べることができましたが、2020はX-typeが味わいが豊かで一番好きでした。
2020ヴィンテージとは、酒米の収穫年度で「2020年に収穫したお米を使用している」という意味です。
そのため、今回飲んだ「2021ヴィンテージ」とは2021年に収穫したお米にて醸されたR-typeのお酒になります。
ざっくり説明すると、去年収穫した酒米で今年のお酒を醸しているというイメージです。
毎年、2月頃に発売されるNo.6より新しいヴィンテージのお酒へと切り替わります。
ワインのブドウと同様に「収穫された年のお米の出来によって味わいが異なる」というのも愉しめるのが新政酒造さんの日本酒です。
ヴィンテージが変わると変更となるのが、ボトルの胸ポイントのデザインです。
2020年は「松・竹・梅」のデザインでした。
2021年は「源平合戦」がテーマとなり、
となっています。
当サイトでは、R-typeの2021ヴィンテージしか入手していないためデザインについては佐藤祐輔さんのTwitterを引用させていただきたいと思います。
2021ヴィンテージの酒の完成に合わせて、胸ポイント新デザインの瓶がやっと揃いました。明後日から瓶詰めになります! pic.twitter.com/nvy0XJe3PS
— 新政酒造 佐藤祐輔 (@aramasayamayu) January 19, 2022
X-typeの蝶々かわいすぎかよ!(* ´ω` *)
このようにヴィンテージごとに胸ポイントが異なりますので、飲食店さんなどでNo.6が出てきた際にチェックしてみると面白いかもしれません。
2021ヴィンテージに切り替わり、No.6を購入できたのはこのR-type「1本だけ」です。
昨年は思ったよりも出逢うことができ、No.6の十周年記念もあり、購入できる機会が多くありました。
今年…?
(ヾノ・∀・`)ムリムリ
またNo.6を買うことの出来ない日々が戻ってきてしまいました。
でも、あたし、飲んだ!
ということで、2021ヴィンテージはどうだったのか?
感想を書いてゆきたいと思います。
柑橘。
グレープフルーツのような苦みも香ります。
甘さよりも濃ゆめな苦味…
これは木桶の木?
えっ、でもNo.6ってサーマルタンクですよね?
凄い木のニュアンスが香るのですが、なぜなの?
甘さがギュッと。
美味しい柑橘。
濃厚でめちゃんこ美味しいのですが。
というか、やっぱり木桶??サーマルタンク卒業した?というくらい濃ゆくて頭の中が「???」で一杯になりました。
ミカンやグレープフルーツ感もあり、ジュワっとさが心地よいです。
飲んだのは「2021の01ロットのR-type」ですが、
\2020のどのタイプより旨いのだが?/
あれだけ美味しかったX-typeよりも、2020のRとSが比べ物にならないくらい好きだし、美味しいと感じました。
え、本当においしい。
ヤバいです。
えーっと、写真を撮っていませんでしたが晩ご飯は「ハンバーグ」でした。
ハンバーグは甘みが美味しくなってスッキリします。
脂がくどくありません。
お酒はよく冷えていた方が美味しいです。
そして、今までのR-typeとは全然違う感じがします。
やはり木桶のあのスッキリさがあります。
果実感もすごい。
ジュワっとフレッシュ!弾ける柑橘。
後口には苦さもありますが、それがまた〆てくれるので美味しいです。
ハンバーグに柑橘な酸味感がとてもマリアージュします。
飲んでいると和梨の感じが終盤に感じるようになりました。
スルンと飲めちゃう。
そんなこんなで、1本空くよね~。
旨過ぎてビックリです。
なんかその旨さに感動しました。
今年のR-type、めちゃうまです。
美味しかった!
ごちそうさまでした。
\2020ヴィンテージのR/S飲み比べはこちら/
新政酒造さんの日本酒は「全国の特約販売店」さんにて購入のできるお酒です。
ですが、基本的にNo.6はどこの特約店さんでも「飲食店さん優先」となる日本酒です。
各特約店さんでも入荷本数が少ないため「個人の人まで出せる本数がほとんどない」というのが現状なのではないでしょうか?
特約店さんによっては、
などによって買えることもあります。
販売方法は特約店さんに委ねられているため、お店によって異なります。
そして「店頭にほぼ並ぶことのないお酒」のため、特約店さんに行っても置いていないのが当たり前です。
お近くに特約店さんがある場合は「No.6を飲みたいのですが、どうしたら購入できますか?」と購入方法を聞いてみるのも良いかもしれません。
ですが、酒販店さんからしたら
「またか…」
と思われてしまう質問かもしれません。
それは、新政酒造さんの日本酒を飲みたい人が多いためです。
そのため、嫌そうな顔をされることもあるかもしれません。
なのでわたしは「No.6は買えないもの」として特約店さんへ行っています。
それでも飲みたいなら、飲食店さんへ行けばいいじゃない!
それ位買えないのが「No.6」というお酒です。
まずは、お近くの特約店さんを知って行ってみることからがスタートになります。
直接、新政酒造さんへ電話をすることで紹介してもらうことも可能です。
わたしが「新政」目当てでひとり呑みをした飲食店さんは下記のお店になります。
\ひとり呑み女子・横浜「寿司処かぐら」/
基本、家飲み派のためまたどこかお店を開拓したら記事にしてゆきたいと思います。
品目 :日本酒(純米酒)
アルコール分:13度(原酒)
原材料名 :米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)
精米歩合 :麹米55%・掛米60%
原料米名 :酒造好適米100%使用(2021年秋田県収穫)
使用酵母 :きょうかい6号
醸造年度 :令和3酒造年度(2021-2022)
杜氏名 :植松誠人
瓶名称 :Madame Edwarda #1
内容量 :720ml
価格 :1,980円(税込)
製造者 :新政酒造株式会社/秋田県秋田市大町6丁目2-35
公式サイト :http://www.aramasa.jp/
Twitter :https://twitter.com/aramasayamayu
なかなか出逢えることのない「No.6」。
2021ヴィンテージのS-typeとT-typeも購入出来たら嬉しいですが、うーん。と唸ってしまうのが現状です。
これから先、新政酒造さんの日本酒はさらに購入できなくなるのでは?とも思っています。
飲めるうちに、楽しみたいですね…( ´人` )