日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、秋田県秋田市にある「新政酒造」さんと日本のメタルゴット「伊藤政則」(いとうせいそく)さんがコラボした日本酒
です。
こちらのお酒は、2022年9月2日より開催された「政則十番勝負2022」で発売されたコラボ限定酒。
そのコラボ名は「ARAMASAITO」(アラマサイトー)
秋田県の新政酒造さんと、HR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)界のカリスマである伊藤政則(Masa-Ito)さんによるコラボ日本酒です。
政則十番勝負とは、タワーレコード渋谷店にて毎年9月の風物詩として開催されている日本のメタルゴット「伊藤政則」さんによる10日間のトークイベント。
各界から著名なゲストを招きスリリングなトークバトルを繰り広げるイベントで、伊藤政則マニアにとっては見逃せない大人気イベントになります。
ちなみに、2016年にタワレコ渋谷にて伊藤政則さんのメモラビリア展を開催したのが始まりで、その後、2019年より政則十番勝負として開催されています。
2020年と2021年は新型コロナウイルス感染拡大防止策として無観客で行われたため、2022年は3年ぶりの有観客でのイベント開催となりました。
ここで気になるのはARAMASAITOのコラボ経緯ではないでしょうか?
No.6 ビーストtypeのボトルデザインやチャーム、「THE NUMBER OF THE BEAST TYPE」という名前からHR/HMが好きな人には直ぐにピンと来たかもしれません。
THE NUMBER OF THE BEAST(ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト)は、イギリスのメタルバンド「アイアン・メイデン」の3rdアルバム&5曲目に収録されている曲です。
邦題は「魔力の刻印」。
歌詞の冒頭のナレーションには、ヨハネ黙示録13章18節が引用されており「獣の数字、666」について言及しています。
まさにこのお酒はアイアンメイデンをオマージュしていることが分かります。
そしてチャーム(メタルタグ)のデザインは、アメリカ出身のヘヴィメタル・バンド「メタリカ」のオマージュで、ロゴを参考にされていることが分かります。
実は、新政酒造の8代目蔵元・佐藤祐輔さんは中学生の頃からロック好き!
HR/HMの洗礼を受けたのは中2の春。
出逢ったバンドは「アイアンメイデン」でした。
曲を聴き一夜にしてメタル界に身も心も囚われた…といった話が、お酒と共に同封された豪華冊子に記載されていました。
そして今回、偉大なるHR/HMの伝導者であるメタルゴットこと伊藤政則さんとコラボする機会が訪れました。
今年(2022年)はアイアンメイデンのTHE NUMBER OF THE BEASTが四十周年ということもあり、666は悪魔の数字ということで「No.6」に白羽の矢が立ちました。
なお、コラボは伊藤政則さん側からお願いしたとのことです。
このストーリーを知り「このお酒、めちゃめちゃ祐輔さんの趣味が詰めこまれたお酒じゃん!」となんだか楽しくなりました。
これが、コラボの経緯とビーストタイプ(THE NUMBER OF THE BEAST TYPE)誕生の経緯になります。
もっと詳しく知りたい人は、伊藤政則さんのYouTube番組でその対談の様子を見ることが出来ますのでぜひチェックしてみてください!
No.6(ナンバーシックス)とは、新政酒造さんで醸されている唯一の定番「生酒」。
生酒とは火入れ殺菌処理をしていない日本酒のことです。
No.6は、秋田県産米のみ使用、木桶仕込、蓋麹といった無添加主義かつ伝統的製法にて手間暇惜しまずに醸されているお酒です。
そして「きょうかい6号」という新政酒造さんで発祥した6号酵母の魅力をダイレクトに味わえるのがこのNo.6という日本酒になります。
今回のビーストタイプはNo.6のスピンオフで「貴醸酒ベース」の生酒となっています。
貴醸酒とは、一部の仕込み水を「お酒」に変えて仕込んだ日本酒のことで通常の日本酒よりも「甘口&濃厚」に仕上がるのが特徴です。
その貴醸酒をベースとし、さらに軽い瓶内二次発酵を行っているため「適度なガス感」を楽しめるお酒となっています。
冊子には仕上がりの味わいを下記のように記載されていました。
まさに、ヘヴィにして先鋭的なサウンドならぬテイストがボトルに満ち溢れているといえよう。
甘み・酸味・ボディ感・ガス感の四拍子が揃った、新しい「No.6」のスタイルの先駆けがここにあるのではないだろうか。
最初にこのお酒を知った時は、
「わたしが好きな貴醸酒(陽乃鳥)ベースで生酒でシュワシュワ?絶対飲みたいやつじゃん!!!」
とひとり興奮しておりました。
よくよく調べてみると陽乃鳥ではなく「迦楼羅(カルラ)」がベースになっているようです。
なお、アルコール分は12.5度と飲みやすい低アルコールに仕上げられています。
\陽乃鳥(ヒノトリ)とは/
こちらの日本酒は、政則十番勝負2022のPart2の初日TBSアナウンサー「宇賀神メグ」さんとのトーク・バトルの回で抽選に当選し購入できた1本です。
その日に用意されている分よりも抽選応募者が多かったため、当選することができて本当に感謝でした( ´;人;` )ありがたや。
そしてビーストタイプは「思ったよりドライ」という感想を聞き「もう少し寝かせたいな」と思いました。
その後、完全に開けるタイミングを見失ってしまい現在もまだ日本酒セラーAQUAの中で眠っています。
そのため、まだ飲めていません。
ズタ袋のままセラーに入れたため、久しぶりに取り出してみたところ「生酒/品質保証期限2023年12月までに速やかにお飲みください」との記載を見て一瞬焦りました。
今年(2023年)の12月まで!過ぎてなくて良かった!
それまでには開栓して、飲んだ味わいの感想をこちらに追記で記載したいと思います。
こちらのコラボ酒の販売はすでに終了していますが入手する方法として、
と2回購入するチャンスがありました。
ビーストタイプは全部で「666本」のシリアルナンバー入りです。
UTAGEでの発売は政則十番勝負の後である、2022年10月6日の発売だったため「まだあったの?」「買えるの?」と驚きと期待が溢れる回となりました。
結果は「即完売」「サイトに繋がらない」「誰が買えたのか不明(Twitterなどでの報告なし)」とUTAGEでの限定酒は幻のお酒となりました。
こちらのコラボ酒に関しては「非常に重要なお知らせ」として新政酒造の佐藤祐輔社長から下記のアナウンスがありました。
このアナウンスが入る前に既にチケットは購入済みでしたが、わたしの動機が不純(飲みたかったのでチケットを買ってみた)ため一度は行くのを諦めました…。
ロックは好きなのですが、メタルはあまり聞いたことがありません。。
こんなわたしに参加する資格など…ナイヨ…( つω;` )
ですが、Part1(9/2~9/6)とわたしが行く予定だったPart2(9/16~9/20)とイベントの期間が空いた際、Part1期間中にとんでもなく腹の立つ転売ヤーが現れました。
買占め&高額転売(怒!)
\こんな輩に渡るなら、わたしが買う!!/
666本のうちの1本を救済すべく、イベントに参戦しました。
転売する人は本当に嫌いです。
参加するからにはメタル(HR/HM系)について知る必要がありました。
あと、推し(佐藤祐輔さん)が好きな音楽がどんなものなのか?とっても気になります。
ありがたいことに、祐輔さんがApple music用のプレイリストを作ってくださいました。
ビーストタイプ販売記念に、とある秋田のバーの方から頼まれてApple Music用のプレイリストを作りました。Apple musicで、Aramasa Breweryでリスト検索すると見つかるはずです…はじめて作りましたので、まだよくわかってないですが。ややビギナー向けで名曲ぞろいです。日本酒飲みながらどうぞ pic.twitter.com/LApNZYx5Xl
— 新政酒造 佐藤祐輔 (@aramasayamayu) August 28, 2022
プレイリストは2つあるので気になったあなたはぜひ聴いてみてください。
わたしが聴いてみて思ったことは
という感じでした。
ビーストタイプを飲みながら聴くならPart2だなぁと思っています。
そしてイベント当日は、TBSアナウンサーの宇賀神メグさんの回だったためお話の内容もマニアック過ぎずにわたしでも愉しむことができました(* ´ω` *)
ビーストタイプの抽選も無事に当選できたため、行くまではいろいろな意味でドキドキしていましたがとっても嬉しかったです。
新政酒造さんはコラボ酒を出す際に、グッズとして「Tシャツ」を出してくれることが多々あります。
No.6十周年記念の時もTシャツが販売され、わたしもNo.6紫舟タイプのポロシャツ以外は購入しています。
今回もしっかりとGETしましたので写真を載せておきたいと思います。
ちなみに価格は4,800円(税込)となります。
品目 :日本酒(貴醸酒)
内容量 :750ml
アルコール分:12度
原材料名 :米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)、日本酒(秋田県産米)
精米歩合 :麹米55%、掛米60%
原料米名 :秋田県産米100%使用(2021年収穫)
使用酒母 :きょうかい6号
醸造年度 :令和3酒造年度(2021-2022)
杜氏名 :植松誠人
製造者 :新政酒造株式会社/秋田市大町六丁目2-35
製造年月日 :2022.08
販売価格 :6,666円(税込)
公式サイト :http://www.aramasa.jp/
Twitter :https://twitter.com/aramasayamayu
Instagram :https://www.instagram.com/aramasayamayu
No.6 ビーストタイプは、赤い封蝋が施されボトルには鮮血のような血が飛び散ったデザインが印象的です。
さらにボトルはズタ袋に入れられており、HR/HMファンにも魅力的に感じるデザインとなっていたのではないでしょうか。
わたしは666=オーメンで、ラベルはエヴァっぽい!と思っていました。
こちらのお酒を飲む際は、ボトルデザインを楽しみつつプレイリストの曲を聴きながらゆっくりと飲みたいと思います。
また、今回同封されていた冊子は豪華版でいつもよりページ数も多く、伊藤政則さんと佐藤祐輔さんの特別対談の内容がたっぷり掲載されていました。
こちらのコラボ記念対談のフルバージョンは【伊藤政則のロックTV!】というYouTubeチャンネルで見ることが出来ますので、まだ見たことの無いあなたはぜひご一緒にどうぞ。
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