日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、静岡県藤枝市にある「株式会社 志太泉酒造」さんの醸す「シダ・シードル 純米発泡酒」です。
志太泉酒造さんの公式サイトはこちら
https://shidaizumi.com/
静岡県にある志田泉(しだいずみ)酒造さんの醸す「シダ・シードル」という日本酒をご存じでしょうか?
その見た目と「シードル」と名前が付いていることから
「リンゴのお酒なの?」
「リンゴ酸が効いてるのかしら?」
と林檎酒であるシードルの味わいを想像する人もいるかもしれません。
ですが、こちらの日本酒の味わいにシードル(リンゴ)は実は関係がありませんでした…。
使用されている酵母も、静岡酵母のNew-5という華やかな香り&淡麗に仕上がる酵母で特に「リンゴ酸を多く発生する」といった酵母ではありません。
そのため林檎を想像して飲むと\リンゴの味しないじゃん!/と思う人も居るかもしれません。
シダシードルという名前の由来は
「シードルの爽やかな泡の感覚を再現することが、志田泉の発泡性純米酒造りの目標であった」
ということから名付けられました。
ラベルのSida Cidre(シダシードル)の下に水色の文字で「Snow Flake Version」(スノウフレイク仕様)と記載があります。
こちらの意味は「涼しげな淡い雪の結晶のイメージ」から付けられており、水色のボトルと瓶の底に溜まるオリで表現されています。
なるほど!
はじめてこちらのお酒を見た時に
「水色のボトルで可愛いのだけども、ラベルがなんだか実験酒っぽい」
と思っていました。
そしてやはり「シードル」という言葉から「りんごのお酒」を想像していたため、どんな味わいか想像できずに中々手が伸びなかった日本酒の1本でした。
ですが、意味合いをちゃんと知ると「そういう理由から付けられていたのね!」と納得することが出来ました。
こちらのシダ・シードルは、知る人ぞ知る毎年人気な発泡性純米酒なのですが見たことの無い人も多いかもしれません。
中身のお酒は、山田錦を100%使用した甘口の純米酒で強い発泡性により辛口にも感じる…といった特徴があります。
瓶内二次発泡のお酒で「日本酒は苦手で全く飲めない」という人にも抵抗なく飲めるお酒として設計されています。
\チーズやピザにも良く合う/
という特徴があり、BBQのお供や大勢がワイワイ集まるパーティー酒としてもってこいなお酒となっています。
そしてこちらのシダシードルは、2016年に初めて試作限定品として発売がスタートとなった日本酒です。
実はその試作時のラベルのまま、現在まで発売され続けています。
そのため「中身は美味しいのに、このラベルでは贈答用に向かない…」という意見もチラリと見掛けました。
この意見はわたしも「確かに!」と思う意見で
「試作品のようで安価に見えてしまう」
「なんだか手が伸びない」
とその味わいを知らない人からしたら、ラベルで手が遠のいてしまう雰囲気をとても感じます。
わたしもその一人だったため、とっても勿体ないなぁと思いました。
わたしはよくラベル買いをする人間のため、日本酒のラベルって本当に大事だと感じています。
ですが今回飲むことができたため、しっかりとその中身のお酒の味わいの感想を書いてゆきたいと思います!
そして今回調べてみて「そうだったのか!」と思ったのがこちらです。
普段カップ酒をほとんど飲まないわたしでも思わず手に取った猫ラベルのワンカップ!
そう、にゃんかっぷを醸している酒蔵さんがシダシードルを醸す志田泉酒造さんだったのです。
カップ酒と言えば「普通酒」が多い中、志田泉さんのにゃんかっぷの中身は「純米吟醸酒」とお米の個性と志田泉らしさが詰め込まれています。
そのため美味しいカップ酒として贈答用にも良いかもしれません。
また、梅酒のにゃんかっぷもあるため猫好きなみなさまにもお勧めです。
ちなみに、にゃんかっぷはカップ酒でも有名な味ノマチダヤさんで購入しました。
味ノマチダヤさんはこちら
http://ajinomachidaya.com/
暑い季節になってくるとシュワシュワの日本酒が飲みたくなるわたしです。
シダシードルは毎年4月ごろより発売となる日本酒ですが、夏の暑い季節に入ってもまだまだ購入できるスパークリング日本酒です。
※7月7日現在も絶賛販売中!
「美味しい!人気!」
ということは前々からウワサで聞いていたのですが、そのラベルを見掛けるものの長らく手を出すことが出来ていませんでした。
ですが、今回タイミングが合いついに購入!
一体どんな味わいの日本酒なのか?
早速開栓してゆきたいと思います。
先に見出しに書きましたが盛大に噴きこぼしました…。
シダシードルは、後から炭酸ガスを充填するのではなく「瓶内二次発泡」というシャンパンと同じ製法でスパークリング日本酒に仕上げています。
そのため「開栓注意」となる日本酒なのですが、水色ボトルの爽やかな見た目から完全に油断をしていました。
キャップはスクリューのため、何も考えずに気軽に回したところ速攻で泡が上がって来てブシャー!っとするではないですか。
まさかの出来事だったため頭が回らずに固まり、噴き出す姿を眺めること数秒…
スクリューの場合、泡が上がってきたらスグに閉めることで噴きこぼれを防止することが出来ます。
そんなことはスッカリ抜けていたため、脳みそが再起動したところで急いでスクリューを閉めました。
「シダシードルは強発泡!開栓時は要注意」
と身をもって体験し学んだ瞬間でした…(モッタイナイ…涙)
気を取り直して香りは、スッキリとしたガス感が印象的です。
さすが強発泡なだけあります。
乳酸菌な香りもします。
下に溜まっていたオリも自然に混ざってくれていました。
飲んでみると甘みから入るのですが「スカッ!」とするような酸味がやって来ます。
舌にはジワジワとガス感を楽しみつつ、スッキリとした味わいです。
レモンスカッシュみたい。
あーでも、レモンよりもライム系のスカッとさのある酸味ですね。
後口は結構ドライでにごりの乳酸&なめらかさも口の中にふわふわと残ります。
ですがスッキリさが大きいため、もったり感は残りません。
今日はささみのピカタと共にいただきます。
食べてから飲んでみると、合います。
スッキリジュワっと!
甘みが少し引き出され、共にガス感を存分に愉しむことが出来ます。
茹でブロッコリー(マヨ)にも合います。
マヨネーズの滑らかさに合いつつ、やはりガス感もしっかりと楽しめます。
ピザやチーズに合うというのも分かりますが、この感じ…
ケンタッキー・フライド・チキンやマクドナルドのハンバーガーといったジャンク系の食べ物と絶対合う味わいだと思います。
特に、てりやきバーガーとかポテトとか…
うわっ、絶対合うって!
あとは暑い日にも美味しくいただける日本酒だと思います。
スッキリライムっぽさが強いので、とても爽やかに飲むことができます。
これまで様々なスパークリング日本酒を飲んで来ましたが「かなり美味しい」スパークだと思います。
そんなこんなで飲み終わってしまいました。
美味しかったです!
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「ライム系でかなりスッキリ・ガス感も楽しめる」と思ったスパークリング日本酒ですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが、均一なガス感ではなく瓶内二次発泡ならではの複雑さのある酸味や甘み、お米の旨味を楽しめるスパークリング日本酒です。
日本酒が苦手な人やスパークリング日本酒バッチコイ!な人にお勧めできる1本だと思います。
気になったあなたはぜひ一度お試しください。
志田泉酒造さんの醸す日本酒は、静岡県にある蔵の酒売場でも購入することが可能です。
公式のオンラインサイトは無いようです。
そのため、蔵での販売以外は取り扱いのある特約店さんで購入する必要があります。
また、ネット販売を行っている酒販店さんもありますので
「シダシードル」
といったキーワード検索をGoogleやYahoo!などで行うとヒットさせることができます。
例えば
※7月7日現在・在庫あり!
気になったあなたはぜひチェックしてみてください。
品目 :日本酒(純米発泡酒)
原材料名 :米、米こうじ
使用米 :山田錦100%(すべて国産米)
精米歩合 :60%
アルコール分:14度
内容量 :720ml
価格 :1,650円(税込み)
製造者 :株式会社 志田泉酒造
所在地 :静岡県藤枝市宮原423番地22の1
公式サイト :https://shidaizumi.com/
Instagram :https://www.instagram.com/shidaizumishuzo/
志田泉さんの日本酒を飲むのは、にゃんかっぷ以外にシダシードルが初となります。
一見、ボトルから味の想像が出来ず手が伸びずらい雰囲気もあるお酒ですが、飲んでみるとスッキリ爽やかな瓶内二次発泡のスパークリング日本酒ということが分かりました。
ちなみに、720mlの他に300mlサイズの用意もあるようです。
そして一点注意することは「開ける時は慎重に!吹き出し注意!」ということです。
もし購入される際はお気を付けくださいませ!