ねこと日本酒

本日の1本

【本日の1本】WAKAZE(わかぜ)「THE CLASSIC」フランスで日本人が醸す日本酒その味わいは?

【本日の1本】WAKAZE(わかぜ)「THE CLASSIC」フランスで日本人が醸す日本酒その味わいは?

日本酒には出会いがある。

いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。

ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。

本日の1本は、フランスのパリ近郊の醸造所「KURA GRAND PARIS」(クラ・グラン・パリ)で醸される「WAKAZE THE CLASSIC」(ワカゼ・ザ・クラシック)です。

WAKAZE(わかぜ)の日本酒とは?

WAKAZE(わかぜ)の日本酒とは?

あなたは「WAKAZE」(ワカゼ)という日本酒をご存じでしょうか?

もしかしたら、高級スーパーとして知られる「成城石井」のお酒の冷蔵庫に並ぶ姿を見掛けたことのある人もいるかもしれません。

その見た目は、一見「日本酒である」とは分からないラベルになっています。

どちらかと言えばワインぽい?

それもそのはず。

こちらの日本酒は、フランス産のお米とフランスの土地の水によりフランスで醸された日本酒(SAKE)なのです。

またこちらのお酒、日本酒マニアや日本酒通の人であれば知っている人も多くなる銘柄ですが知らない人はどういった日本酒なのかさっぱりですよね。

実は、成城石井で取り扱いが開始されたのも「2022年3月1日(火)~」とごく最近の出来事です。

これまでは、日本にある限られた販売店さんでのみで購入が可能でしたが、成城石井の195店舗あるうちの50店舗にて取り扱いがスタートしました。

このことにより多くの人の目に留まる機会が増えたSAKEとなりますが「どういったSAKEなのか?」分からないままでは中々手に取れませんよね。

わたしも最初は

ということしか知りませんでした。

WAKAZEを知ったきっかけは「新政酒造」さん

WAKAZEを知ったきっかけは「新政酒造」さん

WAKAZE(わかぜ)は本来銘柄の名前ではなく「株式会社WAKAZE」というベンチャー企業の社名となります。

つまり「WAKAZEの造るお酒(SAKE)」ということですね。

その意味は「和の風」と東北地方で若い蔵人を指す「若勢」が由来となっています。

わたしが秋田県にある新政酒造さんの日本酒を好きでなければ、WAKAZEはもしかしたら出逢う機会の無い日本酒だったかもしれません。

新政酒造さん出身で日本酒業界に一石を投じている人物は他にも、稲とアガベ醸造所の「岡住修兵」さんという方が居ます。

\応援したくなる醸造家・岡住修兵さん/

{$title}
【本日の1本】稲とアガベ prototype03 応援したくなる醸造家・岡住修兵さんの醸すお酒とは?

実は、お二人は1988年生まれの同級生。

お互いに新政酒造さんで若手蔵人として働いていました。

そして今井翔也さんは「WAKAZE」として「日本酒を世界酒に」というビジョンを持って海外へ。

岡住修兵さんは「自分は国内の現状を変えよう」と現在、秋田県男鹿市に「稲とアガベ醸造所」をオープンし規制のある日本酒業界に立ち向かっています。

規制のある日本酒業界とは?

規制のある日本酒業界とは?

WAKAZEの今井翔也さんが海外へ行った理由でもある日本酒業界の「規制」。

実は、日本国内で日本酒を造り、そのお酒を日本国内で販売するためには「清酒製造免許」が必要となります。

ですが、清酒製造免許の新規発行は原則認められていないため「日本酒業界に新規参入をしたい!」と思っても清酒製造免許を取得することはできません。

現在、日本国内での新規参入としてできることは、

があります。

WAKAZEも最初は「委託醸造」と「その他の醸造免許」による酒造りからスタートしました。

日本酒を世界酒に!WAKAZEの歴史

日本酒を世界酒に!WAKAZEの歴史

WAKAZEは、代表兼CEOである稲川琢磨さんとCTO兼杜氏の今井翔也さんの2人によってスタートしたプロジェクトです。

「世界中でSAKEが造られ、飲まれる世界」を目指し創立されました。

このように、日本国内では自分たちの手によって日本酒(清酒)を醸造し販売することができないため「フランス・パリ」に醸造所を構えSAKEを醸しています。

なお、WAKAZE三軒茶屋醸造所では日本酒を醸すことができないため「どぶろく」や「ボタニカルSAKE」など革新的なSAKEを現在も醸されています。

フランス・パリで醸されるWAKAZEのSAKEとは?

フランス・パリで醸されるWAKAZEのSAKEとは?

HEROES(ヒーローズ)と呼ばれるフランス・パリで醸されるSAKEは

といった徹底したフランス産原料によって醸されています。

日本のお米やお水でなくても、日本の伝統により海外の土地でも美味しいSAKEは醸せるということの証明と共にフランスならではのSAKEの醸造をされています。

HEROES(ヒーローズ)には大きく分けて3種類あり、

があり、ラベルのイラストがそれぞれ異なります。

今回いただいた日本酒は「THE CLASSIC(ザ・クラシック)」になります。

WAKAZE THE CLASSIC(ザ・クラシック)とは?

WAKAZE THE CLASSIC(ザ・クラシック)とは?

こちらのTHE CLASSICは、フランス産の原料100%はもちろんのこと精米歩合は90%、黄麹とあわせて「白麹」も使用して醸されている日本酒です。

白麹を用いることで、甘酸っぱい果実を思わせるフレッシュな味わいとキレのよい後味を実現しました。

そして飲みやすい低アルコール「13%」。

実は、THE CLASSICにも種類があり、何も知らないで最初に手に取ったのがノーマルな「THE CLASSIC」でよかったなぁと調べてみて安心しました。

THE CLASSICの種類とは?

通常のTHE CLASSICのほかに、

といったバージョンがあります。

これらは全て同じイラストで、夏酒はボトルの色が白いので分かりやすいですが書いてある内容が若干異なります。(「生」や「DRY」表記有)

ボトルを手に取る際は「自分はどのバージョンが欲しいのか?」よく見て選ぶことをおすすめします。

WAKAZE THE CLASSIC(ワカゼ・ザ・クラシック)を飲んでみての感想は?

WAKAZE THE CLASSIC(ワカゼ・ザ・クラシック)を飲んでみての感想は?

WAKAZEの日本酒は、日本人の手によりフランスで醸され「逆輸入」という形で日本に住むわたしたちが手にし飲むことができます。

その存在を知ってから気にはなっていた日本酒でしたが、特に調べることもなく、なかなか手に取る機会もなく日々は過ぎてゆきました。

「フランス産の日本酒」

というのが、なかなか手が伸びなかった理由かもしれません。

ですが、ある日酒屋さん巡りをしていた際に「新規で取り扱いをはじめた」酒屋さんでついにWAKAZEに出逢いました。

「あ、これは飲むタイミングだな」

と巡り合わせに誘われるまま、ようやく手に取ったのがこちらの「THE CLASSIC」です。

果たしてどんな味わいの日本酒だったのか?

感想を書いてゆきたいと思います。

グラスに注いでみると…

結構、黄色いです。

香りも強めで、お米の素材の香り。

酸味と酸っぱさもあります。

濃ゆくて穀物のような香りがします。

ひと口含むと…

甘み。

そして、熟成させたお酒のような味わいです。

シイタケとかそういった香りもします。

後口は酸味と、熟成感と、甘み強めの味わいです。

旨みがすごくあります。

出し汁みたいな。

料理と一緒に…

豚バラミルフィーユ鍋に合わせてみました。

食べてから飲んでみると、甘みUP!からの酸味&甘さ加減がとても美味しいです。

さわやかな酸味感が出ました。

生姜とお酒の甘味がとてもマッチしている印象です。

なかなか酸味も合いますね。

しっかり甘みも付いてくる感じがします。

ポン酢で食べた後に飲んでみると、お酒の酸味がとても美味しくなりました。

甘みも美味しい!

飲んで食べているとコーヒーのような香りもしてきました。

慣れるととても美味しくいただけますが、香りにとにかく特徴のある日本酒です。

料理と一緒であればスルスル飲めちゃうのですが。

酸味スルリ系のお酒。

そして、香りや味わいに旨みが凄い。

やはりシイタケとか出汁とかの印象もあるお酒です。

【開栓2日目】WAKAZE THE CLASSICの味わいは?

【開栓2日目】WAKAZE THE CLASSICの味わいは?

1日で飲み切るお酒では無いと思い、残りの分を冷蔵庫にて保管していました。

味わいに変化はあったのでしょうか?

早速香ってみると、お米・すっぱい酸味・熟した甘みが香ります。

飲んでみると、りんご酢ジュースのような、梅酒っぽい酸味と甘み。

リンゴ酢ではなくて、梅のすっぱい酸味感があります。

口にもじんわりと強さと甘みが残ります。

でも後口はさっぱりもします。

料理と一緒に…

お酒のアテに、フランスパンにモッツァレラチーズをのせて焼いてみました。

食べてから飲んでみると、酸味さわやか、熟成感あり。

甘さは常に下の方で漂っています。

この甘みは熟成酒とか古酒の甘さです。

ドライフルーツとか…とても個性的なので好き嫌いが分かれてしまうお酒のように感じます。

ですが、酸味の感じがいい感じに重たくせず、くどさが後口に残らないため

「こういう味わいのお酒」

理解して飲めばクセになる味わいだと思います。

フランスパン&チーズは美味しくいただけます。

酸味は梅っぽい感じで、お酢っぽさも感じる日本酒です。

【開栓4日目】WAKAZE THE CLASSICの味わいは?

【開栓4日目】WAKAZE THE CLASSICの味わいは?

もう少し寝かせてみようと思い、冷蔵庫にて保管をしていました。

味わいの変化はあったのでしょうか?

早速香ってみると、ホットケーキの香り!

いえ、メープルシロップの香りがします!

なんじゃこれ、初日・2日目とは異なり美味しい甘さの香りになりました。

飲んでみると…

甘み、そして酸味からのさわやかメープルシロップ感。

梅感もありつつ、スッキリさもあります。

梅酒に漬けた梅を想像しました。

おいしいのですが、やはりクセ感はあります。

でも4日目!中々に美味しいです。

料理と一緒に…

今日は麻婆豆腐と共にいただきます。

食べてから飲んでみると、美味しい酸味がいい感じに引き出されました!

甘さがキュルリとして飲みやすくなりました。

気になるクセ感も無くなりました。

香りはメイプルシロップ感がすごい!

麻婆豆腐、なかなかに合います。

そんなこんなで飲み切ってしまいました。

うーん、面白いお酒でした。

美味しかったです!

ごちそうさまでした。

WAKAZE THE CLASSIC(ザ・クラシック)が合わない人は?

WAKAZE THE CLASSIC(ザ・クラシック)が合わない人は?

わたしは、フランスのお米と水のテロワールはこんな感じなのかな?と楽しみながら「新しい日本酒体験」として飲むことが出来ました。

ですが、合わない人も居るかと思います。

それは、

です。

ですが、フランスの地で「日本酒を世界酒に」と熱い想いを持ちSAKEを醸す若者たちのお酒をぜひ飲みたい!という人にはピッタリだと思います。

フランスパリ醸造所では今年(2022年)で3期目。

これからもどんどん味わいが進化してゆくSAKEかと思います。

「一体どんな日本酒なのか?」

気になったあなたはぜひ1度、自分の舌で味わってみてください。

WAKAZE(ワカゼ)のお酒を買うには?

WAKAZE(ワカゼ)のお酒を買うには?

WAKAZE(ワカゼ)のお酒は、

にて購入することができます。

また、ザ・クラシックのみとなりますが全国の成城石井の一部店舗にて購入することもできます。

WAKAZE公式オンラインストアの場合、売り切れている商品もありますが取り扱い酒販店さんで在庫のあることもあります。

例えば下記の酒販店さんでしたらインターネットより注文可能です。

酒販店さんによっては扱っている商品も異なりますので、ぜひいろいろとチェックしてみてくださいね。

WAKAZE THE CLASSICのデータ

WAKAZE THE CLASSICのデータ

品目    :清酒
原材料名  :米(カマルグ産米)米麴(カマルグ産米)
原産国名  :フランス
精米歩合  :90%
酵母    :ワイン酵母
アルコール分:13度
内容量   :750ml
価格    :2,475円(税込み)
輸入者及び取引先:株式会社ワカゼ/山形県鶴岡市播磨字若松51-1
公式サイト :https://www.wakaze-store.com/
Twitter    :https://twitter.com/wakaze_sake

フランスで醸造しているSAKEのほかに、三軒茶屋にある醸造所では

などを醸しており、今まで味わったことの無いどぶろくやボタニカルSAKEを楽しむことができます。

気になったあなたはぜひこちらもご一緒にご覧くださいませ。

この記事が役に立ったらシェアをお願いします
この記事を書いた人
ねこと日本酒 なかのひと
日本酒メディアを任されたお酒と猫が好きなひと。コンセプトは「日本酒の新しい楽しみ方を発見するサイト」。伝えるには知識不足を感じ唎酒師の資格を取得しました(* ´ω` *)まだまだ勉強中ですが、日本酒を飲んで笑顔になったり「日本酒飲みたい~」と思ってもらえるようなサイトを目指しています!日本酒はおいしいヨ♪
記事一覧

新着記事


           

           もっとみる