日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、和歌山県海南市にある「平和酒造株式会社」さんの醸す、「紀土 KID 夏ノ疾風」(きっど なつのしっぷう)です。
平和酒造さんは、日本酒「紀土(きっど)」の他に、リキュールの「鶴梅」やクラフトビールの「平和クラフト」といったシリーズを醸している酒蔵さんです。
紀土(きっど)はコスパの良いお酒としても人気があります。
昭和3年に創業され、元々は京都・伏見にある酒蔵の下請けとしてお酒を醸す「桶売り蔵」でした。
その後は、パック酒などのいわゆる「安酒」と呼ばれる製造販売に転換しましたが、経営戦略としては時代を逆行する戦略となってしまっていました。
現在の社長・4代目となる「山本典正(やまもとのりまさ)」さんが2004年に実家の蔵へ戻ることにより、自社ブランドに力を入れ現在の日本酒「紀土」が生まれました。
その後、紀土 KIDは全国の新酒鑑評会で金賞を受賞。
最近では、
といった成績を収め、世界17カ国に商品を輸出するなど世界的ブランドとしての地位を確立している酒蔵さんです。
また、平和酒造さんでは蔵人の採用のターゲットを大卒に絞り、マニュアル化をし1年目から全員で酒造りを行うといった体制を取っています。
こうした改革を行ったことで「15年間で売上2倍」を叶えた酒蔵さんとなります。
涼しげなボトル&ラベルが印象的な、紀土 KID「夏ノ疾風」。
名前と見た目の通り夏限定に醸される「夏酒」となります。
実は、紀土(きっど)の日本酒は飲むのが初めて!
TwitterなどのSNSで見掛けることが多くあり、気になっているお酒でしたが中々手を出すことができませんでした。
ですが、こちらの夏酒となる「夏ノ疾風」は見た瞬間思わず「ポチ」っとしてしまった銘柄の日本酒になります。
色合いがめちゃくちゃ好みだったのです。いわゆるジャケ買いですね。
わたしは5月に発売された時に購入をしましたが、7月にも再販されているため現在でも在庫のある酒販店さんで購入のできる夏酒となっています。
ラベルの裏には
蔵は、山地の多い和歌山県でも山の麓の盆地に位置します。
朝夕の冷え込みが厳しく、また木や山、大地に磨かれた地下水が豊富な酒造に適した場所です。
口当たりの柔らかさ、口に入った時の香りが特徴です。
夏らしく爽快感のある酸味をお楽しみください。紀州の風土を感じていただければ幸いです。
と記載がありました。
ラベルも1本1本丁寧に手でラベリングされています。
実はこの夏ノ疾風、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2021年に出品され「純米吟醸GOLD賞」を受賞したお酒となっています。
「キッドがどんな味わいのお酒なのか?」
初めていただく銘柄なので、前情報は入れずに味わうこととなりました。
見た目はとっても爽やか!
夏酒はあまり飲んできませんでしたが、先に飲んだ「たかちよ Summer Blue」が結構しっかりと甘さのある味わいだったので
「紀土も甘味はあるのかな?」
…とワクワクしながら開栓しました。
たかちよ Summer Blueを飲んだ感想はこちら
果たしてどんな日本酒だったのか?
実際に飲んだ感想を書いてゆきます。
パインぽい…?
爽やかさを感じる香りです。
いや、これはパインというよりマスカットっぽい香りです。
甘さ…キレ感もあります。
ちょっと苦味を感じる甘さで、グレープフルーツっぽくも感じますがお米の甘みが強いです。
うん、苦味をしっかり感じます。
連日のぎょうざとなりますが、餃子(生姜入り)と一緒にいただいてみました。
甘さに爽やかさを感じで美味しいです。
お酢と生姜がこのお酒に合っている感じがします。
苦味も気にならなくなりました。
サラダ(マヨネーズ)と一緒だと、甘さが引き出されますがさっぱり感も強くなっておいしい。
改めて飲むと、さっぱり爽やかさのある日本酒です。
冷たいのが美味しいので、冷やしながら飲みたいです。
甘さが美味しくなります。
でも甘さは強すぎません。
「餃子に合うか?」
と言われたら、お酒のほうが強い感じがあります。
どちらかと言うと、ぎょうざと合わせなくて良いお酒…ですかね。
餃子が油っこくて、夏ノ疾風には油を流すウォッシュ効果があまり感じられずくどく感じてきました。
連日のぎょうざだったので、それもあるのかしら?
餃子とマリアージュする日本酒…ぜひ見つけたいですね。
開栓までは【マイナス5℃保管】できるAQUAの日本酒セラーで保管していました。
開栓後は【冷蔵庫で0℃保管】をし、味わいの変化を愉しんでみることに。
パインぽさ、あります。キレ感が強くなった感じがします。
でもやっぱりマスカット寄りの香りかな?
昨日よりも甘さが出ておいしい!
酸味とジューシーさを感じる甘みです。
ですが、後口に残るキレ感が強くなっています。
少し辛口を思わせるお米感があります。
きゅうりとトマトのマリネは、香りが爽やかになって良い感じです。味も悪くないです。
マヨネーズのサラダは、甘さが増してマスカット感が出ました。さっぱりもするので美味しいです。
ささみ揚げは、キレ感が強くなったかな。ちょっとキレすぎなのが気になりました。
飲み終わって感じたのは
「わたしが好みな日本酒ではない」
ということです。
春酒はどの銘柄を飲んでも「好きだ!」と思ったのですが、夏酒、難しいです。
うーん。
でも初めての紀土飲めて嬉しかったです。
ごちそうさまでした♪
わたしは飲んでみて正直「嫌いじゃないけどあまり好きではないかも…」と思った味わいの銘柄でした。
同じように合わない人も居るかと思います
それは
です。
さっぱりキレ感のある日本酒が好きな人には合っているかと思います。
わたしよりも日本酒を嗜んでいる人に「紀土を初めて飲んだんですよ~」というお話をしたところ
「紀土 KID(きっど)旨いよね!」
と即答で(むしろ被せ気味に)返ってきました。
日本酒の好みが結構合う人なので、その勢いに圧倒されましたが
「もしかしたら、たまたま初めて飲んだ夏酒が合わなかっただけではないのか?」
と思うようになりました。
ですので、他の紀土も飲んでみたいなぁと思えるようになりました。
また見掛けたら挑戦してみたいと思いますので、何かおすすめの紀土の銘柄がありましたらTwitterなどで教えていただけますと嬉しいです。
平和酒造さんでは、蔵元による製品の小売販売および通信販売は行っていません。
そのため、お近くの特約店さんでの購入が必要です。
ですが、公式サイトには案内がありませんでした。
わたしも、いつも利用する酒販店さんのオンラインショップで見掛けた時にジャケ買いしたお酒となります。
そのため、ネットで探すと見つけることができます。GoogleやYahoo!で
【紀土 特約店】
【紀土 販売店】
といったキーワードで検索すると販売店さんをヒットさせることができます。
8月20日現在、紀土 純米吟醸 夏の疾風がまだ購入できる酒販店さんを見つけましたので記載しておきますね。
夏ノ疾風の在庫はありませんでしたが、いまでやオンラインさんでも紀土を購入可能です。
気になったあなたは参考にしてみてください。
製法 :純米吟醸酒
原材料名 :米(国産)米こうじ(国産米)
原料米 :五百万石
精米歩合 :こうじ米50%/かけ米55%
アルコール分:15%
内容量 :720ml
価格 :1,265円(税込)
製造者 :平和酒造株式会社
製造所 :和歌山県海南市溝ノ口119番地
公式サイト :https://www.heiwashuzou.co.jp/
Twitter :https://twitter.com/heiwashuzou