日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、群馬県藤岡市にある「松屋酒造株式会社」さんの醸す「流輝(るか)純米 夏囲い 無ろ過生」です。
松屋酒造さんの醸す「限定流通」の日本酒、流輝(るか)。
6代目・蔵元杜氏となる「松原広幸」さんが自身の子供に付けようと思った名前を日本酒に命名しました。
「流れ輝く酒と共に子供のように成長する」という意味が込められ、ラベルの「流輝」の文字も自身で納得するまで書いた末に出来上がった文字となっています。
流輝のラベルには小さく★(星)のマークが入っていますが、この夏囲い生は星ではなく蝶々のマークとなっていました。
どういった意味があるのか気になりますよね。きっと何か意味が込められているのだと思います。
夏囲いに使用されているお米は、地元の若手農家さんが農薬なしで力強く育てた「藤岡福田農園米」を100%使用して醸されています。
お酒造りは通常
と、蔵元が杜氏を雇い自社のお酒を製造するという方法が取られています。
ですが、杜氏を雇わずに蔵元が自身の手で自身の醸したいお酒を造る場合は「蔵元杜氏」と呼ばれます。
自分が好きな酒蔵さんは、「杜氏を雇っているのか?」「蔵元さん自身が酒造りをしているのか?」といったことを改めて確認してみると面白いかもしれません。
こちらの夏囲い生は、5月より発売された期間限定の夏酒です。
4月中旬に搾られ、搾りたての「おりがらみ」の生酒となりました。
蔵元在庫が6月の終わりごろには完売したため、酒販店さんで購入できるのは6月末~7月前半くらいまでだったのではないでしょうか?
わたしが購入したのは5月中で、夏酒の流輝のラベルが見た目から好みだったため見つけた瞬間に購入ボタンを押していました。
流輝の特約店さんが近くに無いため、ネット通販を行っている特約店さんでの購入となりました。
8月23日現在、発売されている流輝は
といったお酒となっており、秋酒の玉栄(たまさかえ)は通常「一回火入れ」を行う秋上がりという火入酒ですが今年は「生酒」として出荷されました。
今後、火入れをした秋上がりの玉栄も発売されるかもしれませんのでチェックしておきたいと思います。
流輝は昨年(2020年)の秋に出逢ってから大好きになった日本酒で、購入できる銘柄はタイミングが合えば積極的に手に取っているお酒です。
わたしは「夏酒」という季節限定で発売される日本酒を今まで積極的に飲んでいませんでした。
ですが今年は「いろんな夏酒を飲んでみよう!」とラベルを見て美味しそうな銘柄を中心に購入をしてみました。
わたしは女ということもあり、初見の酒蔵さんや飲んだことの無いお酒はどうしてもラベルの見た目で選ぶ傾向があります。
流輝(るか)はラベルも好みですが、味わいが好きなので迷わず手に取ることとなりました。
おりがらみの夏酒、どんな味わいなのでしょうか?
まずはボトルの底に溜まった滓(おり)を混ぜずに上澄みから愉しんでいきたいと思います。
ウリ系の香り。
すこしさっぱり感も感じます。
メロンの皮寄りの甘すぎない、ちょっと青っぽい香りがします。
少しジュワっとガス感。
甘すぎない、やわらかな甘みが良い感じです。
酸味があり爽やかで、今の季節に飲みやすいです。
冷たいのが心地よくて、飲んだ後の鼻腔にお米感が抜けていきます。
爽やかさが残るので重たくなくて美味しいです。
香りと甘みになんだろう、ケーキ?フルーツケーキみたいな味わいがあります。
この甘さが美味しくて「あぁ、やっぱり流輝すきだなぁ~♪」と思います。
口に含んだ時にジュワっと感があるのがまた良いですね。
ボトルをやさしく傾け、おりを混ぜてみます。
香りは、さっぱり&キレ感が増したように感じました。
飲んでみると、ジュワっと感からのまろやかさ。
混ぜる前よりも、まろやかさがUPして、甘みも少し増してスイスイ飲めちゃいます。
後口は先ほどよりもさっぱり感有。
これは、固いメロンじゃなくて美味しいメロンです。
キレ感、厚み、酸味感が夏に丁度良くて今年飲んだ夏酒の中で今のところ1番好きな味わいです。
夏と言えばゴーヤ!わが家ではゴーヤチャンプルー率が高まります。
一緒にいただいてみると、甘さが良い感じになりました。
好みの甘みで、改めて流輝がすきだなぁと思います。
後口にはキレ感とゴーヤの苦味UP!この苦味がまた良い感じで、グレープフルーツ感もあります。
酸味&苦味からの甘みの味わいの変化がとってもゴーヤと合って美味しいです♪
ゴーヤチャンプルーに合います。
飲み口にジュワっとするのが、この時期に飲むお酒に必須なのでは?と思えるくらいおいしくいただけます。
すき。
開栓するまでは、マイナス5℃で冷やせるAQUAの日本酒セラーにて保管をしていました。
開栓後は、冷蔵庫の野菜室で0度で保管をし、すこし熟成をさせてから味わいを愉しんでみました。
香ってみると、ふぁわっとウリ系の香りが広がります。
ん!甘みが舌にアタックしてきました!
甘さが強くなっています。
でもそれがとっても美味しいです。
ジューシーさのある甘みで、やっぱり流輝すき~。
後口にはお米のキレ感がありますが、甘みが優しく残るのでおいしい。
果汁のジュースみたいに飲める甘さでジューシー感がとっても美味しいです。
サラダ(マヨネーズ)は、美味しい。酸味に合います。
ジュワっと感とメロンな感じが強くなりました。
ささみの海苔巻き揚げは、ジューシーな甘さに!後口はさっぱりして飲みやすいです。
料理に合うので美味しくいただけます♪
にごりのおかげで、なめらかさもあります。
開栓初日と違ってガス感は無くなりましたが、最後まで美味しくいただくことができました。
うーん、美味しかった!
ごちそうさまでした♪
わたしは、飲む度に「やっぱり流輝すき!」とニコニコしちゃう日本酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが「日本酒が苦手!」という人に一度は飲んでいただきたい流輝(るか)のお酒。
こちらの夏酒は、グラスに氷を浮かべて飲むのもおすすめとなるお酒なので夏の暑い日にさっぱりと飲みたい時にも最適です。
8月現在、在庫のあるお店はほとんどないため
といった現在購入できる銘柄を楽しむのも良いかと思います。
松屋酒造さんの流輝(るか)は限定流通のお酒なので、特約店さんで購入が必要になります。
買えるお店の詳細は、下記のページより確認可能です。
インターネットから注文したい場合は、例えば下記の酒販店さんで取り扱いがあります。
また、流輝(るか)はわたしにとって思い入れのあるお酒となりますが、その詳細は下記の記事で確認できます。
「興味ある!」という人はぜひ見てみてくださいね。
仕様 :純米 無ろ過生 おりがらみ
原材料名 :米(国産)米こうじ(国産米)
原料米 :藤岡福田農園米100%使用
精米歩合 :60%
使用酵母 :協会9号
アルコール分:16度
内容量 :720ml
価格 :1,470円(税込み)
製造者 :松屋酒造株式会社
所在地 :群馬県藤岡市藤岡乙180
公式サイト :https://matsuya-sakebrewery.jp/
Twitter :https://twitter.com/lukamatsuyabrew
Instagram :https://www.instagram.com/lukamatsuyabrew/
夏酒は早い銘柄で4月~発売となり「夏本番中」には売り切れてしまっていることが多々あります。
日本酒業界の不思議なところ…
ですが実際に「夏酒」を飲んでみると、夏の暑くなってきた気候とカラダに合うお酒…ということが分かってきました。
気になる夏酒があった場合は、早めの内からTwitterなどのSNSで蔵元さんの情報チェックをはじめるなど準備をしておくと安心です。