日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、山形県鶴岡市にある「亀の井酒造株式会社」さんの醸す、「くどき上手 Jr.の摩訶不思議ちゃん」(ジュニアのまかふしぎちゃん)です。
1875年創業の亀の井酒造さんの醸す日本酒には「くどき上手」「くどき上手 Jr.」「ばくれん」といった銘柄があります。
といった特徴の日本酒を醸す酒蔵さんです。
わたしは今まで「くどき上手」という銘柄のお酒を知りませんでした。
SNSでは「浮世絵の女性ラベル」の日本酒を見掛ける機会が多くあり「美味しい」といった声も多く「どんなお酒なんだろう??」と興味を持っていました。
ですが調べてみると、種類も多くどのお酒を選んでよいのかさっぱり分かりません。
初体験の日本酒は「どれから飲むべきか」「最初に飲むならどの銘柄を選べば間違いないのか」といった情報がわからないためいつも困り中々手が伸びません。
そんな中、
といった声をいただいたため、「くどき上手Jr.」から飲んでみようかなと思うようになりました。
わたしも調べるまでは、通常の「くどき上手」と「くどき上手Jr.」の違いを知りませんでした。
くどき上手とは、現在の当主である5代目・社長「今井俊治」さんが杜氏として醸されている銘柄になります。
そして、くどき上手Jr.とは俊治さんの息子で6代目・現在は専務となる「今井俊典」さんが手掛けている銘柄の日本酒で「ジュニアシリーズ」と呼ばれています。
そう言われてみると、通常のくどき上手は硬派なラベルのイメージがあります。
「Jr.」のラベルはデザインがカラフルだったり「コロナの馬鹿野郎」といった攻めたデザインが採用されていたりと、親子での表現の違いが見て取れることが分かりました。
また、専務の今井俊典さんは2015年よりスタートした「日本酒オーシャンズ」という団体の発起人であり代表を務められています。
日本酒オーシャンズとは、12の蔵元さんによる(2019年時点)日本酒船上クルージングパーティーにて日本酒の新しい魅力を発信していく取り組みを行っている団体です。
2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響で開催はありませんでした。
今後の開催に関しても現時点では不明となりますが、もし開催されるのであればぜひ参加してみたい!と思うような内容となっています。
日本酒オーシャンズFacebook
https://www.facebook.com/sakeoceans/
今井俊典さんがどんな方なのか?特集記事もありましたので気になったあなたはぜひ。
「日本酒オーシャンズ」って?(2016年1月21日)
https://www.surugabank.co.jp/d-bank/special/sp395/
話が逸れてしまったのでもとに戻したいと思います。
今回いただいたこちらのお酒。
ネット通販を行っている酒販店さんで、お目当ての日本酒を購入する際に丁度販売されていたため「Jr.がある!買ってみよう!」と手に取ったお酒です。
2021年は6月に蔵出しされました。
2022年も6月10日ごろより発売となったため、毎年6月頃に発売されるお酒と言うことが分かりました。
ラベルの裏には
麹への愛、醪への愛、蔵人への愛情で日本酒の味とはこんなに違うものなんです
Jr.の不思議ちゃんとは 仕込んでいる酒米は山田錦で同じ
なんと違いはたった精米歩合1% どんな不思議な違いを味わって頂けるかが楽しみです
と記載されていました。
実はこちらのお酒は”シリーズもの”でした。
「Jr.の摩訶不思議ちゃん」は精米歩合44%ですが、先に発売となった「Jr.の不思議ちゃん」というお酒は精米歩合45%のお酒として発売されていました。
違いはたった「精米歩合1%」のみ。
その1%の違いでこんなに日本酒の表情(味わい)は変わるんだよ…という不思議体感できる日本酒となっています。
わたしは摩訶不思議ちゃんしか購入できなかったため比較はできませんでしたが、不思議ちゃんも飲んでみたかったなぁと思いました。
くどき上手Jr.は王道な日本酒の酒質の枠に収まらず、新しい目線で挑戦的な内容の日本酒を醸されているので追いかけたら楽しそうな日本酒ですね。
摩訶不思議ちゃんはどんな日本酒だったのか?
早速飲んでいきたいと思います。
くどき上手のお酒を飲むのは初めてなので、味わいが全く想像できません。
分かることは
ということです。
それでは早速、実際に飲んだ感想を書いてゆきます。
摩訶不思議ちゃんは純米大吟醸ということで、リーデルの純米大吟醸グラスで味わってみたいと思います。
開栓し、グラスに注いでいる時から凄くフルーティな香りが漂いました。
とても華やかな香り。
くどき上手は吟醸香の華やかな香りにも特徴があるお酒とのことで、とても納得しました。
パインのような香りがします。
酸味もあるけど、まったり香ります。
開栓までは、マイナス5度で冷やしていたため冷たい口当たりがとっても美味しいです。
甘さが口の中を駆け巡ります。
パインの果汁のような甘さから、お米らしい甘さに変化し、最後はキレ感と爽やかさがあります。
甘さがとても濃醇。
厚みがあって、しっかり甘い。
飲んでいると「甘み強いかな?」と思いますが、最後に酸味がうまくまとめてくれるので「もっと…もうちょっと!」と飲みたくなる味わいです。
ですがスイスイ飲めるわけではありません。
飲む度に舌にジューシーな甘さがあり、これは、カレーに合いそうです。
濃い!
名前の通り不思議な味わいで、じっくり飲みたくなります。
濃くて甘いのに最後爽やかにまとまるその過程がとっても不思議な感じなのです。
これは美味しいお酒。
常温に近づくとパインの香りが強くなりました。
ジュワっと甘さが舌に広がり、でも酸味さわやか。
重た…くなーーい!(重たくないんか――い!)と突っ込みたくなるようなお酒です。
うん、おいしい。
冷蔵庫にて保管していました。
翌日の味わいは変化があったのか?見ていきたいと思います。
グラスに注ぐと、昨日よりも「日本酒です」というような香りがします。
あ、パイナップルです。
熟したパインで酸味もしっかり香ります。
昨日よりも濃いかな?
甘さがジュワ――っと濃いです。
そして、しっかりした甘さから酸味がまとめてくれるので後口はさわやか。
でも初日よりも濃いめに残る気がします。
濃い&甘い。
昨日「合いそう!」と思ったカレーと一緒にいただきます。
まずはサラダ…ジュワっと爽やか。
カレーは甘さがとっても美味しくなりました。
これは合います。
後口の爽やかさがしつこさも感じさせません。
【濃いカレー×濃い日本酒】がマッチしてとっても美味しいです。
甘みの可愛さがUPしました。
蜜っぽい甘さなのにスーッと酸味感で口の中がリフレッシュします。
うーん。おいしかったです。
カレーと合わせて正解でした♪
ごちそうさまでした!
わたしは飲んでみて「濃ゆい甘みなのに後口さわやか!」と不思議体験をした日本酒でしたが、合わない人も居るかと思います
それは
です。
ですが、濃ゆい甘さと強すぎない酸味感が好きな人にはおすすめな日本酒となります。
アルコール分が16%~17%とちょっと高めのため「じっくり味わって飲みたくなる」日本酒です。
くどき上手 Jr.シリーズは、年々進化を続けている日本酒ですのでその挑戦を愉しみたい人にはピッタリかと思います。
人気なシリーズなので、逃さぬようにチェックしておくと安心です。
亀の井酒造さんの日本酒は、特約店さんにて購入することができます。
調べてみたところ、亀の井酒造さんは自社の公式サイトを用意されていないようなので、GoogleやYahoo!で
【くどき上手 特約店】
【くどき上手 販売店】
といったキーワードで検索すると販売店さんをヒットさせることができます。
わたしも近くに特約店さんが無いため、ネット通販を行っている特約店さんで購入をしました。
例えば下記の酒販店さんで購入することができます。
11月9日現在、くどき上手Jr.の摩訶不思議ちゃんの在庫は終了していますが他の種類のくどき上手の在庫はありました。
気になったあなたはぜひチェックしてみてくださいね。
※URLの長さの関係上、摩訶不思議ちゃんのページにリンクしています。
※各サイトにある「検索窓」に「くどき上手」と入れて検索すると商品を一覧で確認可能です。
特定名称 :純米大吟醸(生詰)
原材料名 :米(国産)米こうじ(国産米)
原料米 :山田錦100%
精米歩合 :44%
アルコール分:16度以上17度未満
内容量 :720ml
価格 :1,980円(税込)
製造者 :亀の井酒造株式会社
製造所 :山形県鶴岡市羽黒町戸野字福ノ内1
公式サイト :なし
YouTube :https://www.youtube.com/channel/UCTPZOXpcAhERmrNt9zYXJYA
亀の井酒造さんは公式サイトの用意がありませんでしたが「コロナの馬鹿野郎」などのラベルにあるQRコードを読むとYouTubeに飛ぶことができます。
YouTubeには「くどき上手 2021 June」と共に今までの「日本酒オーシャンズ」の動画がUPされていたためこれから少しずつ更新されていくのかもしれません。
気になったあなたはぜひチャンネル登録をしておくと安心です。
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