毎年3ヶ月連続で発売される、秋田県秋田市にある新政酒造さんの醸す
その2022年、第2弾となる「6月分」は6月28日(火)より発売となりました。
今年のラインナップは「PRIVET LAB EXTREME」(プライベートラボ エクストリーム)という実験ラインのブランドのさらにヤバイお酒たちです。
第1弾は「低精白酒」となる涅槃龜(にるがめ)がテーマとなりました。
今回の第2弾は「スパークリング」な2本!
となり、その2本を実際に味わってみました。
どんな日本酒だったのか…?
早速、見ていってみましょう。
第2弾となる6月分のお酒は、PRIVET LABシリーズの中から
の2種類をテーマとし、そのEXTREMEバージョンのお酒が収められていました。
この2本はとても人気があり今回の第2弾が本命という人も多かったのではないでしょうか。
(わたしは第3弾が本命です!)
まずは、そのノーマルバージョンがどんなお酒なのか?エクストリームバージョンとの比較を交え紹介してゆきたいと思います。
みんな大好き天蛙(あまがえる)!
新政酒造さんの夏の風物詩、夏限定に醸される1本として「天蛙」(あまがえる)という日本酒があります。
毎年、7月・8月・9月と「3ロット分」のタンク違いの天蛙が出荷されますが、その取り扱いが難しいことから「飲食店さん優先」のお酒として発売されます。
そのため、個人で購入できることが少なくPRIVET LAB(プライベートラボ)の中でも1番入手が困難な銘柄としても有名です。
ですが1度飲んだらその美味しさに虜になること間違いなし!の味わいとなっています。
わたしも昨年の天蛙2020が初めての購入となりました。
その時の感想などは下記の記事に記載しています。
\はじめての天蛙2020/
天蛙とは、
といった経緯のあるお酒で、そのアルコール度数は現在8~9%とかなり低いのに対しガス圧高めの「強発泡」とジュワジュワ爽快感を楽しめる日本酒です。
炭酸ガスを後から充填せず、瓶内二次発酵というスパークリングワインやシャンパンの製法と同様に発酵の過程で生じた炭酸ガスが瓶内に閉じ込められています。
そのため、開栓まで「しっかり冷やしておくこと」が前提で酵母の活動がおとなしくなる「マイナス5度」での保管が推奨されます。
発売の年によっては、ガス圧が安定せずに強めのガス圧となってしまい「出荷後に瓶が割れてしまった!」ということがありました。
これは、瓶が温まると酵母が活性化して瓶内のガス圧が高まり爆発してしまうためです。
そのため、常に冷蔵保存が必要で十分に冷えていない状態で開栓すると「中身が半分以上消し飛んだ」という報告も多々あります。
ですが、氷温保管も安心ではなく「レマコムで長期保管をしていたら蓋が吹き飛んでいた…」という話もよく目にします。
【よく冷やす・長期保管せず直ぐ飲む】
が鉄則で、新政酒造さんではこの開栓が困難となる状態を「怒りの蛙」と呼んでいます。
また、扱いの難しさから玄人向けのお酒としているため「慣れていない人は買わないでいただきたい…」といったコメントがされるほどです。
低アルコールで甘みスッキリ!ジワジワっと美味しいのに危険なヤツ…それが新政酒造さんの天蛙(あまがえる)です。
通常の天蛙で難点となる「怒りの蛙」を克服するために
クリアバージョンが今回の頒布会に入っている「天蛙クリアプロトタイプ4」です。
特殊な貯蔵条件を施し、なおかつ火入れをしているプロトタイプの最終バージョンになります。
そうなのです。
プロトタイプ4ということは、これまでに1~3のプロトタイプが出ているということです。
といった感じで1~3が発売されています。
2022年の今年、天蛙のプロトタイプがこれまでにたくさん発売されている理由は、新政酒造さんの天蛙が昨年の2021年に発売十周年を迎えたお酒のためです。
そのお祝いが昨年にできなかったため、2022年の今年「天蛙 生誕十周年記念酒」が発売されます。
その十周年記念酒のために、これまでプロトタイプ(実験作)が醸されてきました。
そして、このプロトタイプ4の評価を持って十周年記念酒の形を決定するとのことで、プロトタイプ4が実験作の総決算となるスタイルとなっています。
こちらは頒布会に同梱されていた冊子に記載がありました。
そして、
と。
これまでに専用グラスは「亜麻猫グラス」がありました。
天蛙グラスはステムが青色で、亜麻猫よりも背の低いぽっちゃりとしたグラスになるようです。
新政酒造8代目蔵元の佐藤祐輔さんのTwitterにて写真がUPされていましたので引用させていただきます。
コメントありがとうございます。天蛙グラスは、コロナのため、発表が本年の天蛙10周年記念の年は過ぎてしまうことになりますが、来年の登場をお楽しみに。 pic.twitter.com/GaiMHkBl7j
— 新政酒造 佐藤祐輔 (@aramasayamayu) November 12, 2021
うーん、並べたい!とっても可愛いですよね。
オリや濁り、残留酵母を取り除いたクリアタイプというお話はしましたが冊子に記載されている内容が面白いので書いておきたいと思います。
日本酒度、酸度、アミノ酸度と書かずに甘さ、すっぱさ、コクで表現されているのが面白いですよね(しかもアバウトw)
これは知りたい人もいるかと思いますので、冊子の文章から抜粋させていただきたいと思います。
以上が記載されていた天蛙の名前の由来となります。
亜麻猫は、クエン酸を大量に生成する白麹(しろこうじ)という麹菌を使用して醸されている日本酒で
「高酸味系日本酒」
という酸っぱいお酒です。
PRIVET LABシリーズの中では流通が安定しているため個人の人でも「出逢える可能性の高い」1本になります。
わたしも昨年の2020ヴィンテージは「2本」購入することができました。
\亜麻猫を飲んだ感想はこちら/
そして、通常版とは異なり「スパークリングバージョン」の亜麻猫も存在します。
その名も亜麻猫スパーク!
猫スパやにゃんスパといった呼び名で親しまれていますが、通常の亜麻猫よりも出逢える可能性は低くなります。
ですがわたしも初めて2020ヴィンテージを購入することができました。
買う方法なども記事に書いていますので、気になったあなたは一緒にチェックをしてみてください。(基本は酒屋巡りが必要です)
\初めて購入!亜麻猫スパーク/
亜麻猫とは、
といった経緯のある日本酒です。
え?ちょっとよく分からない?
全部書くと長くなるため、簡単に分かりやすく説明したいと思います。
日本酒を醸す際、まずお酒のモトとなる酒母(お酒のお母さん)をたてる所から始まります。
この酒母の造り方は2種類あり、
があり、現在の酒造りにおいて「速醸酒母」で醸される日本酒は全体の95%とほとんどを占めています。
これは「カンタン・時間短縮・人手も少なくて済む」といったまさに近代的な方法でお酒を醸せるためほとんどの酒蔵さんで採用されています。
ですがこの「乳酸剤」は中国やタイで製造されている添加物で、その使用には制限がありません。
そのため新政酒造さんではこのことについて疑問視をされていました。
そこで誕生したのが、乳酸剤を使用しないで酒母をたてるという焼酎で使用される「白麹」を黄麹の代わりに酒母に使用して醸す「白麹酒母」です。
この時はまだ「生酛酒母」をマスターしていなかったため、この「白麹酒母」にて亜麻猫が誕生しています。
白麹を使用する理由は、前身の翠竜(すいりゅう)は単に乳酸剤を使わず酒母をたてたら2年目に雑菌が混入し失敗してしまったという経緯があるためです。
新しい無添加の方法として、白麹を使用し高い酸味を持つ麹菌を育てることで安全な酒造りをすることができました。
現在の亜麻猫は、生酛酒母をベースとして1:1の割り合いで黄麹と白麹を併用して醸されています。
通常の亜麻猫に使用する白麹の割り合いは、黄麹に対して1:1。
これだけでも相当にすっぱいお酒を醸すことが可能です。
ですが、今回の頒布会に入っているお酒は「亜麻猫改」(あまねこかい)です。
この「改」シリーズはさらに上を行く仕様となるお酒です。
これまでにも「亜麻猫改」というお酒は何度か発売されていました。
今回の「改」のスペックは、掛米(全体使用米の20%以上)のほぼすべてを白麹としている点です。
さらにその亜麻猫改を、瓶内二次発酵させて「スパークリング」として仕上げました。
同梱された冊子のコメントには
と記載されていました。
こちらも由来を記載しておきたいと思います。
といった由来で名付けられました。
なお、白麹だけではなく黄麹も混ぜる理由は「全量白麹だとお米が溶けない」という白麹の性質からになります。
そのため、全量白麹での酒造りは非常に難易度の高いものとなります。
新政酒造さんのスパークリング日本酒は中々飲めないため、とっても嬉しいセットでした。
天蛙は昨年初めて飲んで、今年のクリアプロトタイプを飲むのは4が初です!
何かしらプロトタイプが飲めたら嬉しいなぁと思っていたので、頒布会が購入できて本当に嬉しかったです。
亜麻猫改も飲んだことが無かったので\やったー!/と思いながら発売を待っていました。
また頒布会はひとりで飲むにはモッタイナイお酒のため、日本酒好きな人と一緒にいただきました。
それぞれどんな味わいの日本酒だったのか?
書いてゆきたいと思います。
先に開けたのはこちら。
実はこの天蛙(あまがえる)首掛けに怖いことが書いてあってかなりビビッていました。
めっちゃビビらせてくるやん!
と心の中で叫んだのは内緒です。
飲む前は冷凍庫に入れるけど20分以上は入れないでね=瓶が破裂するから…ということですか?
瓶はシャンパンなどの耐圧瓶なのでさすがに破裂はしないと思いますが注意書き、コワイ。
ということで、わたしはマイナス5度の日本酒セラーに1週間ほど寝かせて開けることにしました。
王冠を開ける際もドキドキしましたが、普通にテーブルの上で開栓することにしました。
\開栓直後の天蛙🐸/
あわあわは上まで上がってきましたが、溢れずに開けれました☺️ pic.twitter.com/zMpszTI0CB
— ねこと日本酒🐈🍶@なかのひと (@neko_nihonsyu) July 12, 2022
一瞬、瓶の口まで泡が上がって来たので「溢れる!?」と思いましたが無事でした(よかった)
グラスに注いでみると、泡が長く残りかなりのガス感があることが分かります。
グラスに注いだ時のジュワジュワはこんな感じです🐸 pic.twitter.com/OYwjHiNA0x
— ねこと日本酒🐈🍶@なかのひと (@neko_nihonsyu) July 12, 2022
和梨な香り!美味しい香りです。
甘みより酸味のさっぱりさが香ります。
ジュワジュワ!ガス感はやはり強めです。
美味しー!
梨さっぱり!
甘みもさらりとありますが、爽やかさが上です。
青梅っぽい酸味や柑橘っぽさもあり、軽すぎずジューシーさもあります。
飲んでいると、さっぱりスッキリさが多めで飲みやすくて美味しいです。
食前酒として最高な味わいだな…と思いましたが、お刺身と一緒にいただきたいと思います。
これは…醤油に合います!
醤油と一緒だとお酒の甘さが引き出されてとってもいい感じです。
天蛙は軽いのにジンワリと濃さもあり美味しいです。
続いてはこちらを開けてゆきたいと思います。
亜麻猫改は、天蛙ほど怖いことが書いていなかったので冷蔵庫で1週間冷やしていました。
キャップもスクリューです。
ひとつ見逃したのが「オリが含まれている」のでゆっくりと混ぜる必要があったことです。
オリがあることは最後の1杯で気が付きました。
写真は撮っているんですけどね…(ちゃんと読んでない)
グラスに注いだ感じはこんな感じです。
\亜麻猫改スパーク🐈/
天蛙🐸と比べると、シュワシュワがスーッと抜けていきますね☺️ pic.twitter.com/slo7vdhxmU
— ねこと日本酒🐈🍶@なかのひと (@neko_nihonsyu) July 12, 2022
スパークなので注いでいる時はジワーっとしますが、天蛙に比べると泡切れが早くスーッと抜けてゆきます。
香りに木桶や生酛っぽさがあります。
渋みのような酸味も香ります。
一緒に飲んだ人はこの渋みと酸味の感じを「パイナップルみたい」と言っていました。
軽やかさがあります。
そして木の感じがあり、思ったよりも酸味の感じは強すぎません。
濃厚な甘みをしっかりと感じ、天蛙よりも甘さがあります。
木桶の渋み?なのか口内が引き締まるような感じもあり、木のニュアンスは強めです。
そう思うと天蛙には木桶の感じはほとんどありませんでした。
天蛙のボトルの裏を見てみると「発酵容器:温度制御タンク」なるほど。
続いて、亜麻猫改スパークのボトルの裏を見てみると「発酵容器:温度制御タンク」。
\??/
新政酒造さんではお酒を醸す際の木桶以外に「仕込み水を木の桶で保管している」ということもされているため、そこからの香りもある…?
でも天蛙は…?
謎は深まるばかりです。
亜麻猫改スパークは冷やし中華と一緒にいただきたいと思います。
え?サラダじゃないですよ。
うちの冷やし中華はキャベツたっぷりです( ´ω` )b
醤油ダレと合うのか、お酒がジワッと濃厚になり美味しいです。
濃ゆさがいい!
天蛙も軽すぎる感じはありませんでしたが、亜麻猫改はしっかり濃いです。
最後の1杯で気付いたオリ。
途中で混ぜたかった!
飲んでみると、甘みが増して感じます。
濃ゆこゆで甘くて美味しい。
飲んでいて「酸味すっぱい!!」といった感じはほとんどありませんでしたが、亜麻猫改さらにスパークリングを飲めて本当に嬉しかったです。
美味しかった!
ごちそうさまでした。
新政頒布会2022年、6月分の「天蛙クリアプロトタイプ4」「亜麻猫改スパーク」を飲んでみて
天蛙クリアプロトタイプ4は
亜麻猫改スパークは
といった感じでした。
今回の頒布会はどちらもスパークリングなお酒で、なかなか飲めない天蛙や亜麻猫改といったものだったので特別感が大きかったです。
ですがスパークリングのためスルッと無くなってしまいました。
ぜひまた飲みたい!
それぞれ飲めて嬉しかったです。
特別頒布会のお酒は、飲食店さん優先となるお酒です。
新政酒造さんの日本酒は「特約販売店」さんで購入する必要がありますが、
と毎年、入手難易度が上がっていっているのが頒布会の日本酒です。
また、特約店さんによって販売方法は異なります。
特に、頒布会のお酒は飲食店さんが優先のため個人の場合は「お店をよく利用し他のお酒も含め購入実績のある得意さま」が優先となる印象です。
転売もされているお酒のため「信頼の出来ない人には売らない(売れない)」ということもあります。
わたしも今年の頒布会を何とか酒販店さんのご厚意で購入することができましたが「来年以降はさらに難しいかも…」というお話を前もって聞いています。
【新政頒布会は難しい】
と知っておくと買えなかった時にガッカリせずに済むかもしれません。
なお一部の特約店さんは下記のJSP(ジャパン・サケ・ショウチュウ・プラットフォーム)の公式ページより確認ができます。
「どしても買いたい!」
という人は、まずは通える・近くの特約店さんを知ることからはじめるのが大切です。
「それでも飲みたい!」
という場合は、飲食店さんへ飲みに行くのが早いです。
SNSなどで入荷情報を出している飲食店さんもありますので一度チェックをしてみてください。
今回のノベルティは
でした。
当サイトは「ねこと日本酒」なので亜麻猫デザインのトートバッグをGETできて嬉しかったです。
そして、プライベートラボボトルのミニチュアキーホルダーはどうやら来月のようです。
トートバッグに関しては、今までの頒布会のノベルティの中でも1番実用的で良いのでは?と話題になりました。
買い物に行く時などにエコバックとして使えてかなり重宝しそうですよね。
大事に使いたいと思います。
6月の頒布会のデータは下記の通りです。
品目 :日本酒(純米酒)
内容量 :750ml
特殊製法 :低酒精発泡純米酒
アルコール分 :10度
原材料名 :米(秋田県産)、米麹(秋田県産米)
原料米 :秋田県産米100%使用
精米歩合 :掛米55%、麹米60%
原料米収穫年度:2021年
醸造年度 :令和3酒造年度(2021-2022)
使用酵母 :きょうかい6号
発酵容器 :温度制御タンク
甘さ :まあまあある
すっぱさ :けっこうある
コク :あまりない
杜氏名 :植松誠人
品目 :日本酒(純米酒)
内容量 :735ml
アルコール分 :12度
原材料名 :米(秋田県産)、米麹(秋田県産米)
原料米 :秋田県産米100%使用
精米歩合 :掛米55%、麹米60%
原料米収穫年度:2021年
醸造年度 :令和3酒造年度(2021-2022)
使用酵母 :きょうかい6号
発酵容器 :温度制御タンク
甘さ :ある
すっぱさ :ありすぎる
コク :かなりある
杜氏名 :植松誠人
価格 :上記2本で、4,500円(税込み)
製造者 :新政酒造株式会社/秋田県秋田市大町6丁目2番35号
公式サイト :http://www.aramasa.jp/
Twitter :https://twitter.com/aramasayamayu
新政特別頒布会【7月分】は
と貴醸酒(きじょうしゅ)製法の陽乃鳥(ひのとり)のエクストリームバージョンが登場します。
陽乃鳥はPRIVET LABの中でもわたしが1番好みなお酒のためとても楽しみです。
\新政特別頒布会2022【5月分】/
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