岩手県盛岡市にある「赤武酒造株式会社」さんの醸す「AKABU」(赤武)という銘柄の日本酒。
今回は、AKABU Elegance(赤武エレガンス)シリーズと呼ばれる
の
の計4種類の飲み比べをしてみました。
という日本酒造りのために育てられた4種類の「酒造好適米」をそれぞれ100%使用して醸されたお酒です。
一体どんな違いがあったのか?
早速、見ていってみましょう♪
赤武酒造さんはもともと岩手県大槌町にあり「浜娘」という地域に向けた日本酒を醸す酒蔵さんでした。
ですが東日本大震災の際に酒蔵が全壊となり貯蔵蔵の全てが流出、2013年に盛岡市に新しく醸造蔵を建て復活を遂げたのが現在の赤武酒造さんとなります。
その後、2014年に息子さんで6代目となる「古舘龍之介」さんが若干22歳という若さで杜氏に就任し、新ブランドとして生まれたのが「AKABU 赤武」シリーズです。
そんな若き杜氏、古舘龍之介(ふるだてりゅうのすけ)さんを中心に醸すAKABU(赤武)には4つのシリーズがあります。
簡単に説明すると下記の通りです。
赤武の定番酒。
岩手県の酒造好適米となる、岩手県産・吟ぎんが(ぎんぎんが)を使用した純米酒と純米吟醸酒。
そして、F(For you)と名付けられた吟醸酒の3種類のお酒があります。
今回、飲み比べをしたシリーズの日本酒で「酒米違い」で醸されています。
使用される酒米は4種類
さらに、生酒バージョンと火入れバージョンの2種類があり、NEWBORN(ニューボーン)と記載されているものは「生酒バージョン」の季節限定しぼりたてのお酒となります。
ちなみに、全て精米歩合は50%の純米吟醸酒となっています。
季節に合わせて醸されるお酒のシリーズで、低アルコールのカジュアルタイプのお酒もこちらになります。
などがあり、春から夏にかけては毎月限定酒が発売され、さらにすべてが人気のお酒のため売り切れ必至!のシリーズとなっています。
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酒米を贅沢に磨いた、純米大吟醸のプレミアムなお酒です。
などがこちらに当たります。
AKABUのラインナップをより詳しく知りたい場合は、公式サイトの下記のページに情報が追加されていましたのでご覧ください。
赤武 ギャラリー
https://www.akabu1.com/gallery/
AKABU EleganceのNEWBORN(生酒)バージョンは、新酒の生酒です。
と2021年の今年は3ヶ月かけ順次発売されました。
今回、飲み比べてみようと思ったきっかけは、AQUAの日本酒セラーを購入したことが大きくなります。
通常生酒は瓶内で酵母が生きているため、一般の冷蔵庫で保管をしていると、開栓していなくても時間が経つほどに味わいに変化が起こってしまいます。
そのため、生酒のフレッシュな出来立ての味わいを愉しむなら購入後はなるべく早く楽しむのがポイントです。
ですが、AQUAの日本酒セラーなら酵母の活動を最小限に抑えることができる「マイナス5℃」で保管可能なため4種類のお酒が揃うまで安心して待つことができました。
また、普段は酒米をあまり意識して飲んでいないため「酒米違いの味わいを知るチャンス!」と思い飲み比べをすることを決意しました。
発売された順に飲んでいきたいと思います。
ちなみに「結の香」を原料米として醸した日本酒は初体験!
結の香は、山田錦に匹敵する酒米を造ろうと岩手県農業試験場が約10年という年月をかけ開発・栽培した酒造好適米です。
どんな味わいの日本酒なのでしょうか?
ラベルの裏には
岩手の最上級酒米「結の香」を使用し、濃厚な旨みとキレを追求しました。
岩手を代表する酒米「結の香」をお楽しみください。
と記載されていました。
フルーティーじゃ、ない!
華やかな香りをイメージしていたので、ちょっと驚きました。
うーん、これは落花生?栗とか、そんな香りがします。
グラスを回して再度香ってみると、フルーティーさも出てきました。
そして、上がり切らないキレっぽさも香りに感じます。
もちっと甘い、わらび餅のような香りもします。
時間が経つとメロンっぽい瓜系の香りもしてきました。
香りよりも甘さがありジューシー!
その美味しさに思わず「う~ん…!」と唸ってしまったほど。これは旨い。
後口にはキレ感。
濃醇な甘さからのキレ。
時間が経つとまったり甘いジューシーさ。
ちょっと柑橘っぽさも感じます。
美味しい。
舌にはキレ感が残ります。
口当たりはやさしく、甘みもやさしい。美味しいお酒です。
最後にキレ感があるため、しっかりと終止符を打ってくれる感じがします。
味わいの違いをしっかり体感したいため、チェイサーの水をしっかり挟みつつ次のお酒に移ります。
山田錦は「酒米の王様」と呼ばれるほど有名な酒米ですよね。
ですが「これが山田錦だ…!」と思いながら日本酒を飲んだことは今まであまり無かったかもしれません。
どんな味わいだったかしら?
ラベルの裏には
兵庫県産 山田錦を使用。これがAKABUの醸す山田錦です。
岩手の空の様に透きとおるのど越し…
心を癒すほのかな甘み…日本最高峰の酒米を楽しんでください。
と記載されていました。
しっかりその味わいを確かめていきたいと思います。
これはフルーティー。
メロン?梨っぽさもある瑞々しい香り。
結の香よりも華やかでふわっと香ります。
香りにも甘さを感じます。お米の甘さ。
時間が経つと爽やかさも出てきます。柑橘系。
舌にジュワリとガス感。
こちらも「んー…♡」と声の出る旨さです。
濃厚。蜜のような甘さ。
口にはお米のまぁるさが残り、少しキレも感じます。
ジューシー!時間が経つと柑橘感UP!
え、すき。
さわやか&酸味感もあり飲みやすい。
ジュワっと感とちょっと酸味感、甘さより軽やかさがあります。
これは、仕込み水の美味しさが分かる1杯です。
最後に感じる柑橘さが美味しくて、とっても飲みやすいです。
ここまで2種類飲んでみて「赤武美味し過ぎんか…!」と改めて思っているわたしです。
好きなのは知ってるけど、改めて好きです。
続きましては愛山!
愛山は、山田錦と雄町を祖父母に持ち「造り手の手腕が問われる」と言われるお米で、お酒を醸すには高度な技術が必要となる酒米です。
また、栽培が非常に難しい酒米で兵庫県吉川特A地区で栽培された愛山は「酒米のダイヤモンド」とも呼ばれています。
そんな理由もあり「愛山ニア(あいやまにあ)」と呼ばれる愛好家さんたちも存在する酒好きの人たちに人気の酒米となっています。
ラベルの裏には
兵庫県産「愛山」を原料米とし、情熱と愛情と根性で醸しました。
フレッシュさを残しながらも、愛山らしいやわらかい味わいと香りが優しく口の中に広がります。
これがAKABUの「愛山」です。ゆっくり楽しんでください。
と記載がありました。
どんな味わいに仕上がっているのでしょうか?
フルーティー!白桃。
みずみずしさのある華やかな香りがします。
山田錦と比べると
といった違いがあります。
時間が経つと、香りに柑橘系のさわやかさが出て山田錦よりもキレを感じます。
「ん~~~♪」
これは好きなやつです。
フレッシュ感と酸味、そして甘みがしっかり。
舌にジュワジュワと刺激があり美味しい。1番酸味を感じます。
後口はさわやかで、時間が経つとジュワっとみずみずしい甘さが残ります。
甘さすごい!
飲んでいると酸味よりも甘みが上回ってきました。濃密です。
ここまで飲んできて一番好きかもしれません。
最後は雄町ですね。しっかりお水を挟んでからいただきます。
雄町もよく見かける酒米ですよね。
雄町の日本酒と聞くと、イメージとしては「厚みがあってキレがしっかり」といった味わいを想像します。
ラベルの裏には
岡山県産 雄町を使用。
雄町の特徴を最大限に活かすため、吸水と麹造りを重点に醸しました。
これがAKABUの雄町!と感じていただけるよう豊かな味わいに仕上げておりますので、是非、楽しんでみてください。
と記載がありました。
どんな味わいになっているのか?
フルーティーさ、ありません。
もったりと、お餅のような香り。
ですがグラスを回してみると、フルーティーさが出てきました。
バナナ…?パイン…?
もったり感はありますが、酸味があるため香りにさわやかさを感じます。
結の香と似た香りがします。時間が経つと瓜っぽさがでてきます。
結の香よりも甘さのある香りです。
舌にピチっとガス感。
お米の甘さを感じます。
そして、濃密な甘さなのに口からきれいに去っていきます。少しキレ感も残ります。
うん。お米感がとても後口に残ります。
時間が経つとまったり甘い。
甘さには濃密さがありますがキレていくのでさっぱりと飲むことができます。
でもやっぱりお米感が強く残りますね。
たっぷりとした甘さからのお米感、そしてキレ。
ここまでお酒単体で味わってみましたが、現在までの印象は
という結果となっています。
では料理と合わせてみたら印象は変わるのでしょうか?
早速試していきましょう♪
料理と言いましたが、一緒にいただくのはセブンイレブンで購入したお惣菜です。
急遽だったのでこちらを合わせてみます。
ささみは、ジュワっと甘い。おいしい。
メンマは、合います。甘さが丁度よくておいしい。
サラダ(マヨ)は、お米の甘さにまったり感がでて甘~い。
春巻きは、醤油に合う!おいしいです。
料理と一緒だと、甘さがとっても良い感じの甘さになって美味しいです。キレ感はなし。
ささみは、ジュワっと柑橘さがあり、おいしい。
メンマは、ジュワリと甘くて、キレ感。
サラダ(マヨ)は、さわやかさUP。甘さもあってジュワリと柑橘感。おいしい!マヨネーズに合います。
春巻きは、甘さがジュワっと!おいしいです。
料理と一緒だと、まぁるい甘さできれいさも感じ美味しいです。最後はさわやかに去っていきます。
ささみは、甘ーーーい。柑橘感もありますが、甘ーーい。
メンマは、甘さがUP!甘ーい。
サラダ(マヨ)は、甘さが可愛くなりました。マヨネーズに合う!美味しい。
春巻きは、甘さがジュワっとしておいしいです。醤油に合います。
料理と一緒だと、甘さがまったり。ジュワっと感がUPしますが、ちょっと甘さが強めなので気になります。
合わせる料理を選ぶお酒かと思いました。マヨネーズの酸味にはとても合うかと思います。甘さが丁度よくなります。
ささみは、じゅわっ!これは料理に合う甘さです。美味しい!
メンマは、甘さが丁度良い。さっぱり感もあり1番合う。
サラダ(マヨ)は、ジュワリと甘さが出ますが、後口はさっぱりしてよい感じ。
春巻きも、1番合う!甘さが膨らみ美味しい!
ここまで飲んできて「雄町が料理と一番合う!」ということが解りました。
食中酒としていただけば、めちゃくちゃ盃が進んでしまうお酒かと思います。いや~美味しかった!
ごちそうさまでした♪
AKABUの酒米違いシリーズを4種類飲んでみて
ということが分かりました。
そして赤武さんの日本酒が「やっぱり好きだ!」と再確認をする出来事でした。
また、何となくですが酒米によっての味わいの違いも意識できるようになった気がします。
ですが、日本酒の味わいは「酒米の違い」だけではなく「酵母の違い」「造りの違い(生酛・速醸酛)」「仕込み水の違い」などでも変わってきます。
そのため、同じお米を使っていても銘柄によっても異なりますし、もちろん酒蔵さんによっても異なります。
好きな酒米のお酒を見つけたら、いろいろ試してみて自分の1番を見つけるのも愉しいかもしれません。
今回4種類の日本酒を飲み比べてみて、気を付けたいなぁと思ったことがあります。
それは、
ということです。
4本飲んでいると、最初の方は味わいの違いや香りなどハッキリと比べることができますが、その内よく分からなくなります。
これがモッタイナイ!
さらに4本一気に開栓してしまうと、飲み切るまでに時間が掛かります。
マイナス5℃で保管できる日本酒セラーやレマコムなどをお持ちの人であれば問題ありませんが、通常の冷蔵庫だと味わいがどんどん変化します。
特に今回は生酒。
開栓後の保管の仕方によって、モッタイナイことになってしまいます。
以前、山本を3本飲み比べましたが3本はまだ問題ありませんでした。
今回の4本はちょっと「あれ?」と思いました。
美味しい日本酒は、最後の一滴まで美味しくいただきたい!
そのためには、同時に開栓する本数に気を付けたいなぁと思う出来事でした。
ですが、違う酒蔵さんの日本酒であれば味わいが異なるため、より飲み比べを楽しむことができるかと思います。
あとは、1人ではなく誰かと一緒に飲むのであれば問題ないかもしれません。
「飲み比べ」をする時は無理をせず、ぜひ愉しんで飲んでみてくださいね。
赤武酒造さんの日本酒は蔵での直接販売を行っていないため
「特約販売店さん」
での購入が必要となります。
詳細は下記のページに記載していますのでご覧ください。
特定名称 :純米吟醸
原材料名 :米(国産)、米こうじ(国産米)
原料米 :岩手県産・結の香100%使用
精米歩合 :50%
アルコール分:15度
内容量 :720ml
価格 :2,200円(税込)
特定名称 :純米吟醸
原材料名 :米(国産)、米こうじ(国産米)
原料米 :兵庫県産・山田錦100%使用
精米歩合 :50%
アルコール分:15度
内容量 :720ml
価格 :2,200円(税込)
特定名称 :純米吟醸
原材料名 :米(国産)、米こうじ(国産米)
原料米 :兵庫県産・愛山100%使用
精米歩合 :50%
アルコール分:15度
内容量 :720ml
価格 :2,200円(税込)
特定名称 :純米吟醸
原材料名 :米(国産)、米こうじ(国産米)
原料米 :岡山県産・雄町100%使用
精米歩合 :50%
アルコール分:15度
内容量 :720ml
価格 :2,200円(税込)
製造者 :赤武酒造株式会社
所在地 :岩手県盛岡市北飯岡1丁目8番60号
公式サイト :https://www.akabu1.com/
Instagram :https://www.instagram.com/akabu_sake/
酒米違いシリーズの「NEWBORN」は生酒のため、販売は1月~3月頃をかけ順次蔵出しとなっています。
7月現在、購入できるのは「火入れ」バージョンです。
まだ在庫のある酒販店さんもありますので、酒米違いのAKABUのお酒を楽しみたいあなたはぜひ検索してみてくださいね。