日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、山口県岩国市にある「酒井酒造株式会社」さんの醸す、「五橋 ride? Light 甘酸っぱい純米酒」(ライドライト)です。
当サイト3本目となる五橋の「ride?(ライド)」シリーズの日本酒。
山口県にある酒井酒造さんの醸す「五橋(ごきょう)」の中でも、甘みと酸味を意識した新感覚のお酒シリーズがこの「ride?(ライド)」シリーズです。
ride?シリーズの他には
といった種類があります。
当サイトではこれまでに
ピンクの活性にごり酒が最高にケンタッキーに合う!【rideピンク】
\春限定の日本酒/
そして、
白麹の「クエン酸」酵母の「リンゴ酸」で酸味増し増しの【rideホワイト】
\2022年は7月13日より発売/
という2種類のride?シリーズのお酒を飲んできました。
そのボトルは、バイクに酒瓶を持ったタヌキが騎乗しているシルエット…というポップなもので一見「どんな味わいの日本酒なのか想像できない…」という印象があります。
わたしも初めて見た時は「ラベルがポップ過ぎて何だか手に取れない…!」と思っていたのですが、3本目まで飲んでみて確信へと変わりました。
\美味いから、見掛けたらぜひ飲むべき!/
そうなのです。
このride?シリーズ、造りの内容が面白いそして、その味わいはめちゃめちゃ飲みやすくて「うんまい」お酒なのです。
好みの問題もあるかと思いますが、今回ライドライトを飲んでみて家にダースで買ってもいいくらいこの夏飲んだ日本酒の中でも感動した1本でした。
こちらの黄緑色のラベル、ライドライトは2020年の5月よりride?シリーズに仲間入りした1本です。
その特徴は、
と、低アルコールが特徴の甘酸っぱく軽快でまさに「Light」な味わい!といった造りになっています。
…が、いろいろおかしな部分がありますよね?
ちょっと見ていってみたいと思います。
使用しているお米は山口県産の「日本晴(にっぽんばれ)」と呼ばれるお米で、食用米としても酒米としても使用される品種です。
そのお米を30%だけ磨いて醸されています。
特定名称としては「純米酒」に分類され、精米歩合60%以下の吟醸酒と比べるとお米のコクや旨みを味わえる精米歩合となっています。
これは分かります。
日本酒で低アルコールと言えば「12%や13%」などが該当しますが「6%」の日本酒はあまり出逢ったことがないのではないでしょうか?
さらに驚きなのが、加水していない(水を加えて割っていない)原酒で6%のお酒なのです。
「どういうこと?」
ですよね。
通常、日本酒は三段仕込みという3回に分けて原料を加えて醸してゆくと、そのアルコール度数は18%~20%という醸造酒としては高いアルコール分を得られます。
ここに割水を加えることで15%~16%になるように度数を調整しますが、技術によっては割水を加えない「原酒」のまま10%~15%に仕上げることも可能です。
ですが三段仕込みのまま原酒6%に仕上げることは困難です。
そこで、こちらのride?Light(ライドライト)は「一段仕込み」というアルコール発酵が途中の段階で搾られたお酒なのです。
そうすることで、醪(もろみ)に糖分が残った状態でしぼることができるため「甘みと酸味があり低アルコール」なお酒を搾ることができます。
ちなみに、新潟県の醸す森(かもすもり)も一段仕込みの日本酒です。
\はじめての醸す森を飲んだ感想はこちら/
日本酒によってはラベルに、日本酒度・酸度・アミノ酸度といった表記があるものもありますよね。
日本酒度とは「甘さや辛さを示す指標」で、プラス(+)になればなるほど辛口、マイナス(-)になればなるほど甘口と言われます。
一般的には、「甘口は-3.5から -5.9」「やや甘口は-1.5から-3.4」「やや辛口は+1.5~+3.4」「辛口は+3.5?+5.9」と言われます。
ですが、この日本酒度はあくまでも指標で水の比重をゼロ(±0)にした場合、糖分などのエキス分が多いほど重い(-)少ないほど軽い(+)といった比重の数値化です。
そのため、甘口や辛口の感じ方には個人差があり、味わいの判定に使用するにはあまり当てにならない数値でもあります。
こういったことがあったとしても、ride? Lightの日本酒度は「-85」とかなり糖分などのエキスが多い大甘口と言える数値となっています。
一段仕込みというのも納得の数値です。
日本酒の甘口や辛口といった味わいはこの「酸度」にも影響されます。
数値が高いほど酸味が強く、少ないほど酸味が弱く感じられ、酸度が高いと甘みが打ち消されて辛く濃く感じ、低いと甘くて淡麗に感じます。
おおむね、酸度は1.0~2.0くらいの範囲で示される日本酒が多いところride? Lightの酸度は「5.6」。
これはかなり酸度も高めであるということが分かります。
この日本酒度と酸度2つの数字を合わせると、
「かなりの甘口のお酒だけど強めの酸味で打ち消される部分もある」
つまり
「甘酸っぱいお酒である」
という結論になることが分かりました。
うーん。最初からラベルに「甘酸っぱい純米酒」って書いてありますね(笑)
ride? Light(ライドライト)と同時期に一緒に発売される青色のラベル「ride? Rich(ライドリッチ)」別名ライドブルー。
五橋の中では、リッチとライト兄弟として有名です。
名前の通り「リッチ」な味わいに仕上がっています。
甘みが濃ゆく、旨みもたっぷり飲みごたえがあり、心地よい酸味もあるお酒!がride? Richとなります。
そのため、Ligt(ライト)とRich(リッチ)の飲み比べにもオススメの1本です。
この2種類は、夏限定のお酒で2022年は5月11日に発売となりました。
わたしも購入時にこの2本が並んでいるのを見掛けましたが、アルコール分17度を見てひよってしまいました…。
17度って、夏に飲むとしては高くないですか?
ですが、改めてどんなお酒か見る限り「Richも重たすぎない日本酒」という印象ができたため機会があれば手に取ってみたいなぁと思いました。
6度もなかなかお目に掛かりませんが、17度もスゴイと思います。(スゴイ)
ride?シリーズ、本当に面白いお酒ですね!
暑い夏日が続くと、どうしても重たい印象のある日本酒よりもビールなどのシュワシュワ系に走ってしまいがちになりませんか?
そんな時には「爽やかな日本酒が飲みたい!」ということで「甘酸っぱい」とラベルに記載のあるこちらを手に取ってみました。
詳細を調べたのはこの記事を書いている時なので、手にした時に見た「アルコール分6%」の記載には驚きました。
「Lightってそういう意味なのね」
一体どんな味わいの日本酒なのか?
早速、開栓してゆきたいと思います。
これは麹の香り…?
とてもクセを感じる香りがします。
そこに、さっぱりとした酸味と青りんごっぽい香りがします。
甘ジュワ~~!
え!甘みがジュースなんですが!!
リンゴジュースを飲んでいる感がすごいです。
なにこれ、美味しい!
これは日本酒なのに、本当にジュースとして飲めちゃう味わいです。
舌の中心に甘酸のジューシーで美味しい甘みがギュン!とやって来て、青りんごさを残しつつ酸味スッキリ感。
最後まで甘みの余韻も残るのでとにかく美味しいです。
最初に香った時に感じた麹っぽさも飲んでいると全然気になりません。
そして日本酒感が一切なし!
最初の香りと味わいとのギャップがスゴイです。
とっても美味しいお酒です。
「え?日本酒??いいんですか?この美味しさ…」
と本気で思いました。
アルコール分は6%なのでスイスイ飲めて、本当に青りんごジュースを飲んでいる気分になります。
軽やかでスッキリ感もありつつ、甘みがジューシーなのが凄いです。
「日本酒でこの甘さ出せます?」
と問いたくなる美味しさです。
本当に青リンゴ。
美味しいしかありません。
一回火入れで、常温保存OKなお酒ですが、今の季節は常に冷やしながら飲みたいです。
スルリと本当に飲みやすく、嫌な感じが無く絶妙。
甘・酸・旨などの全体的なバランスが良くて「甘いお酒が好き!」という人にぜひ飲んでいただきたい1本だと思います。
Twitterで7本まとめ買いをされている方を見掛けましたが「分かる~~~!」と思いました。
食前酒としても最適な味わいのお酒ですが、料理と一緒にいただきたいと思います。
と言っても、サラダと蒙古タンメン中本のカップ麺ですがw
マヨサラダを食べてから飲んでみると、最高に合います。
マヨネーズの酸味に、お酒の甘みがギュン!とUPしました。
蒙古タンメンにも合う!
お酒の甘酸が心地よく、蒙古タンメンの辛さと合わさって旨みが増しました。
とっても気持ちよく飲めます。
味わいが消されるかと思いつつ、お酒の味わいがハッキリしました。
うまーい!
この感じだと、ライドライトにはスパイシーチキンとかケンタッキーのレッドホットチキンにも合いそうな感じがとてもします。
飲んでると本当に青りんごですね!
アルコール分6%でしたが、1日では飲み切らずに少し残していました。
開栓後は冷蔵庫にて保管。
味わいの変化はあったのでしょうか?
香ってみると、酸味とまったりさのある濃ゆ目の甘さが香ります。
飲んでみると、やっぱり美味しいです。
ですが、初日よりリンゴ酢っぽさが少し出ました。
そこまでの刺激はありませんが、ちょっと顔を出した印象です。
リンゴジュースな甘さと、きゅんとした酸味。
さっぱり清涼感もあるため美味しくスルスルと飲めます。
そんなこんなで飲み切ってしまいました。
とってもおいしかったです。
ごちそうさまでした♪
わたしは飲んでみて「これは何本でも飲みたい…!」と思った日本酒でしたが、合わない人も居るかと思います
それは
です。
ですが、日本酒ビギナーの人や夏にスルスル飲めちゃう日本酒を探している人にはピッタリなお酒です。
甘口のお酒なので「甘いのNG」な人には向きませんが「これ、日本酒なんだよ」とウッキウキで勧められるお酒だと思います。
日本酒の世界感が広がること間違いなし。
わたしは、バーベキューとかキャンプの時に1人1本これを渡しておいても良いかも…と思ったくらい飲みやすいしオススメできる日本酒だと思いました。
でも外で飲むには氷を入れたいのですが、薄まってしまうのが難点…
そこで、シャーベットにして、そのシャーベットにride?Lightを注げば薄まらないし良いのでは?と思いました。
え、絶対美味いです。
機会があればやってみたいと思います。
酒井酒造さんの醸す「ride?シリーズ」は五橋の取扱店さんにて購入することができます。
取扱店さん一覧もありますが、2022年5月25日に公式ホームページのリニューアルをされて以前とは中身が変わっています。
一覧は旧公式ページの「五(five)を買える店」に特約店さんが掲載されています。
※URLは今後変更の可能性あり
また、酒井酒造さんの運営する「日本酒ショップ五橋」もリニューアルされ、在庫があればRIDEシリーズも購入できるようです。
※ride?Lightの在庫は無いようです
取扱店さんがネット通販を行っていればインターネットでの購入も可能です。
【五橋 ride Light】
【五橋 ride 特約店】
といったキーワードにてYahoo!やGoogleで検索をするとヒットさせることが出来ます。
例えば、下記の酒販店さんで購入することが可能です。
7月5日現在、在庫のある酒販店さんを紹介させていただきました。
また、7月11日より「五橋 ライド イエロー ride? Yellow 発泡純米生酒」が新発売となるようです。
上記のさせ酒店さんでしたら、注文を受け付けているため気になったあなたはぜひチェックしてみてくださいね。
特定名称 :純米酒
原材料名 :米(山口県産)米こうじ(山口県産米)
原料米 :日本晴
精米歩合 :70%
アルコール分:6度
内容量 :720ml
価格 :1,650円(税込)
製造者 :酒井酒造株式会社/山口県岩国市中津町1丁目1-31
公式サイト :https://www.gokyo-sake.co.jp/
公式Twitter :https://twitter.com/sakaisyuzo
公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC9S76PrxeMQ6QirZsQw1dHA
酒井酒造さんの醸す「ride?シリーズ」は3本目でしたが、ride?ピンクとride?ライトは来年もぜひリピートしたい味わいの日本酒でした。
\ライドイエローも気になっています!/
全国でも限られた五橋販売の中で抽選で入荷した超限定酒
と案内のある新商品のため、見掛けたらぜひ購入したいなぁと思います!