日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、 佐賀県小城市にある「光栄菊酒造株式会社」さんの醸す「光栄菊 幾望」(こうえいぎく きぼう)です。
佐賀県にある光栄菊酒造さんは、一度廃業した蔵が新たに引き継がれ2019年に日本酒造りを再開した「復活蔵」です。
銘柄名は地元に親しまれる「光栄菊」(こうえいぎく)をそのまま引き継ぎ、復活後に醸されるお酒の味わいは「フレッシュ&フルーティー」。
今の日本酒のトレンドといっても良い、甘酸っぱいフルーティーな味わいを楽しめる日本酒です。
発売後すぐに魅了されるファンが急増し、光栄菊の名も日本酒愛好家の間で広まり一時期は「飲みたくても買えない」入手困難なお酒となりました。
現在も人気な銘柄ですが発売当初よりも生産量が増えたことからか、発売日をチェックしていれば「結構買える」と言った印象のある銘柄です。
2022年8月に、地域を象徴する建造物として酒蔵などが「佐賀県遺産」にも認定された光栄菊酒造さん。
そんな光栄菊酒造さんは、2022年10月より「四期目」となる酒造りがはじまります。
ちなみに10月は、秋に収穫された酒米を使用した「新酒」造りがはじまる時期として多くの酒蔵さんが酒造りを再開します。
そして、その新酒の酒造りがはじまる前の9月に発売される銘柄が「幾望(きぼう)」です。
2020年より新らしく仲間入りをした銘柄で、秋に発売されるお酒として2021年は9月13日より出荷となりました。
2022年は、10月6日ごろより特約店さんの店頭に並びました。
幾望(きぼう)は光栄菊酒造さんの日本酒の特徴でもある「無濾過生原酒」という、火入れ殺菌処理をしていない生酒です。
ですが、5月に製造したお酒を低温でじっくりと蔵で寝かせ9月に発売となるお酒です。
通常の「ひやおろし」は一度火入れ殺菌を行っていますが、ひやおろしとは異なり「生」での熟成酒となります。
その造りは生もと系酒母で仕込まれますが、光栄菊酒造さんでは生もと・山廃を区別しない「天然乳酸菌仕込み」という名称で呼んでいます。
天然乳酸菌仕込みのお酒を熟成させることで、旨みが凝縮された味わいを楽しむことが出来ます。
光栄菊酒造さんで天然乳酸菌仕込みの日本酒は幾望(きぼう)以外にも「月光(げっこう)」と「月影(つきかげ)」があります。
となりますが、同じ低温熟成の月影(つきかげ)はスッキリさもあるのに対し幾望(きぼう)は甘旨タイプになります。
具体的には、
といったもので、開栓直後・1週間後・2週間後と味わいの違いをじっくり楽しめるお酒となっています。
今年は秋に発売される日本酒について順次書いてきましたが、幾望が生酒を熟成させて発売する日本酒ということはこの記事を書いている今知りました…。
はじめましての日本酒は飲み終わってから調べることがほとんどのわたしです。
「ひやおろし」とはまた違った、火入れをしない低温熟成のお酒だったんですね。
どんな味わいの日本酒だったのか?
実際に、飲んでみた感想を感想を書いてゆきたいと思います。
香りには「華」があります。
フルーティーな香り。
味が濃ゆい!
メロンをすくって食べた時の、果汁がジュワ―っとする感じ。
甘みが蜜のように美味しいです。
柑橘っぽい酸味もあって、とにかくじゅわじゅわジューシー感。
後口には少しキレ感もあるため、甘過ぎずにスイスイ飲めちゃいます。
酸味感がとにかくいい感じ!
甘さジュワ―&みずみずしさもありとっても美味しいです。
今日は、焼き秋刀魚と共にいただきたいと思います。
秋は秋刀魚が旨いですよね~。
大根おろしは「三毛猫風」にして添えるのがマイブームなわたしです(笑)
秋刀魚を食べてから飲んでみると、めっちゃ合う!
柑橘感がUPして、酸甘のバランスがとっても良いです。
言うこと無しなお酒なのだが?
ちくわきゅうりも美味しくいただけます。
また、この時に一緒に飲んだ人は「日本酒と言われずにブラインドで飲んだら白ワインみたい」と言っていました。
白ワインというコメントは他の人の口コミでも見かけたので「そう感じる味わいなのね…!」と思いました。
アルコール分も12度なので本当にスイスイ飲めてしまいます。
そして、開栓後の味わいを確かめることなく1日で飲み切ってしまいました…。
飲みやす過ぎました…。
とってもおいしかったです!
ごちそうさまでした♪
わたしは飲んでみて「ジュワジュワ柑橘!酸甘でうまーい」と思った日本酒ですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが、柑橘系の酸味と甘みを楽しめる日本酒が好きな人にはとってもトキメク日本酒になります。
わたしも「今年また買って、今度は1週間後と2週間後の味わいを楽しみたい!」と思った日本酒です。
今まで飲んだ光栄菊の中でも好きな味わいでした。
注意点は、アルコール分が12度なので気付いたら飲み切ってしまうことです!
低アルコール日本酒を求めている人にもおすすめですが、開栓後の変化を楽しめる日本酒なので味わいを堪能するなら1日で飲みきらずに我慢が必要となります。
次買った時は我慢…できるかしら…。
光栄菊酒造さんの日本酒は、特約店限定流通のお酒になります。
そのため佐賀県にある酒蔵へ行っても光栄菊シリーズを購入することができません。
また「特約店一覧」といった案内もないため、GoogleやYahoo!にて
【光栄菊 特約店】
【光栄菊 幾望(商品名)】
といったキーワードで検索すると販売店をヒットさせることができます。
わたしも近くに特約店さんが無いため、購入の際はオンライン販売をしている特約店さんを利用することが多いです。
例えば下記の販売店さんになります。
なお、幾望は例年通りであれば9月中頃より発売となる日本酒です。
※9月13日現在はまだ発売されていません。
銘柄によっては少量入荷となることもありますので、余裕をもって購入したい場合は取扱店さんのSNSや入荷情報などを逃さぬようにチェックしておくと安心です。
仕様 :無濾過生原酒
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
原料米 :非公開
精米歩合 :非公開
アルコール分:12%
内容量 :720ml
価格 :2,035円(税込み)
製造者 :光栄菊酒造 株式会社
所在地 :佐賀県小城市三日月町織島2602番地3
公式サイト :なし
Instagram :https://www.instagram.com/koueigiku/
Facebook :https://www.facebook.com/koueigiku/
日本酒「光栄菊」シリーズは、9月より1ヶ月ごとに1銘柄が発売されてゆきます。
9月、10月は低温熟成酒となりますが11月~は「新酒」になります。
具体的には
といった流れで6月まで順次発売となります。
「飲みたいお酒がいつ発売となるのか?」
公式のInstagramやFacebookをチェックするのもお勧めです。
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