「秋田県の日本酒と言えば?」
と聞かれたら、みなさまはなんて答えるでしょうか?
わたしなら「新政(あらまさ)!」と1番に答えます。
やはり、大好きな銘柄のお酒を最初に答えてしまいますよね。
そんな秋田県・秋田市にある「新政酒造」さんの醸す銘柄のひとつに「No.6(ナンバーシックス)」と呼ばれる「生酒シリーズ」があります。
火入れをしていない「生」の味わいを楽しめる日本酒です。
今回はNo.6の中でも定番となる
の2本を飲み比べてみました。
どんな日本酒だったのか…?
早速、見ていってみましょう♪
No.6に関しては、下記の記事にも記載しています。
新政酒造さんの蔵内で発見された「6号酵母」という最古の清酒酵母となる新政独自の酵母。
この「新政酵母」で醸されたお酒が「No.6」で、6号酵母の魅力をダイレクトに味わうことのできるシリーズとなっています。
基本のお酒は【3種類】です。
となります。
※2022年4月より価格の改定がありましたので、上記は改定前の定価となります。
もしかしたら価格を見て「安い!」と思った人も居るのではないでしょうか。
価格の見直しが入ることもありますが、現在のNo.6の定価はこちらの価格で、これよりもやたらと高い場合は「転売価格」になりますので注意が必要です。
なお、他の酒蔵さんでもこの「6号酵母」を使用して醸されているお酒があります。
それは「きょうかい6号」として日本醸造協会より頒布され、購入すれば全国の酒蔵さんでも自由に使えるためです。
同じ酵母ですが、味わいはその蔵の造り方によって全く異なるため「6号酵母で飲み比べ」などマニアックな楽しみ方もできます。
新政酒造さんではない「6号酵母」を使用したお酒を見掛けた際はぜひお試しください。
Rは、レギュラーの略で「通常版」という意味です。
精米歩合が、麹米55%・掛米65%となっており、特定名称酒で言うと「純米酒規格」のお酒として醸されています。
簡単にいうと「どれだけ磨いて残ったお米を使用しているか」です。
という意味で、残ったお米の割合をパーセンテージで表示しています。
日本酒を造る際に、麹米(こうじまい)と掛米(かけまい)という2種類の用途に分けた蒸米を用意します。
麹米とは、麹(こうじ)を造る際に使用するお米です。
蒸米に麹菌を繁殖させる用のお米で、その作業のことを製麹(せいぎく)と呼びます。
麹米55%とは「麹用のお米は精米歩合55%のものを使用しているよ」という意味です。
掛米とは、醪(もろみ)造りの際に投入するお米のことです。
蒸米の内の80%は、この掛米用のお米となります。
掛米65%とは「醪用のお米は精米歩合65%のものを使用しているよ」という意味になります。
なお精米歩合の表記は、精米歩合の異なる複数のお米を使用した際に、数値の一番大きいものを表示することもできます。
例えば、麹米55%・掛米65%の場合なら「精米歩合65%」とも書けます。
新政酒造さんの場合は、わたしたちが「どんなお酒なのか?」というお酒の内容を分かりやすく敢えて分けて表記してくれています。
No.6のRタイプは「用途により精米歩合の異なるお米で造られているよ」というお酒ということが解かります。
日本酒には「特定名称」という「その日本酒が名乗れる名前」が決まっています。
これはお酒のスペックによって決められていて
が名乗れる特定名称です。
例えば「醸造アルコール」が入っている日本酒は「純米酒」を名乗ることができません。
Rタイプは、米・米麴のみで造られた日本酒なんだなぁということが解かります。
これにより「レギュラーのお酒」という意味も理解できますよね。
Rはレギュラーの略ということが解かりました。
Sは、スペシャルの略!
…と言いたいところですが、スーペリア(上級版)の略になります。
精米歩合が、55%(麹米・掛米ともに)となっており、特定名称酒で言うと「純米吟醸酒規格」のお酒として醸されています。
使用する原料が「米」「米麹」のみの日本酒は「純米酒」を名乗ることができる…ということは解ったかと思います。
そしてこの「純米酒」はレベルアップすると「純米吟醸」や「純米大吟醸」と呼び名を変更することが可能になります。
レベルアップ内容は下記の通りです。
No.6のSタイプは、精米歩合55%のため「純米吟醸規格」のお酒となります。
ちなみに、No.6のXタイプは精米歩合45%のため「純米大吟醸規格」のお酒となっています。
簡単にいうと、No.6の3種類の違いはこの精米歩合の違いになります。
ですが、新政酒造さんではこの「特定名称」を重要視していません。
それは、精米歩合のみがお酒の価値を決めるものでは無いと思っているからです。
そのためいくらレベルが上がろうとも、醸した全てのお酒を「純米酒」(米と米麹のみで造られたお酒)として名乗っています。
わたしが特定名称を「レベルアップ」として表現したのはこのためです。
本当は純米吟醸や純米大吟醸と名乗っても良い所、あえての「純米酒」です。
わかりやすく伝わっていればよいのですが…。
新政酒造さんのお酒のボトルに記載されている「2020」という表記。
こちらは西暦ではなく、お米のヴィンテージを表しています。
ということになります。
現在、巷では「2018のラピス」が出回っているとのことですが「2018年に収穫した美山錦で醸されたお酒(ラピス)」ということです。
2018のラピス…飲みたい…。
ついにこの時がやってきました!
No.6(なんばーしっくす)のS-typeとR-type が揃う日が来るなんて…!
新政酒造さんのNo.6が買えることは本当に「稀」で、こちらの定番生酒は去年は1本も購入することができませんでした。
今年購入できたのは、コロナ過による緊急事態宣言で飲食店さんが休業をしなくてはならなかった…という期間。
あの期間中は、新政さんのお酒を求めてさまざまな酒屋さんに足を運びました。
そしてラッキーなことに巡り合い、1本ずつ購入できたのです。
ちなみに解除されてからはスン!と一切お目に掛かることがありませんでした。(現在進行中)
いつもの酒販店さんでも「No.6は無いよ」と言われる日々が…戻って…きてしまいました…。
でも1本ずつ飲めたので良しとします!
\わーい/
家で飲むのは何年ぶり?
くらい飲めていなかったR-type。
飲食店さんではちょいちょい飲んでいましたが、SタイプやXタイプがあるとRタイプってどうしても後回しにしちゃうんですよね…。
今年の出来はどうなのかしら?(通っぽく言ってみました/笑)
早速、開栓してゆきたいと思います。
純米酒規格ということで、リーデルの純米グラスでいただきたいと思います。
酸味のあるリンゴの香り?
柑橘っぽさも少しあります。
甘さからの爽やか、さっぱり感。
柑橘の苦味も少しあります。
グレープフルーツっぽいかな?
後口に、少しお米らしさを感じました。
ふわりとした甘さ。
さわやかさからの少しの苦み、そして柑橘感。
こちらの方が、温度が常温に近くなっても「柑橘&さわやかさ」があって美味しいです。
常温より冷たいほうがおいしいです。
じゅわっとして濃さがあります。
続いては、No.6の中でも1番人気のある「Sタイプ」です。
ちなみに今年のNo.6は、SタイプよりもXタイプの方が美味しいと言われています。
いつもは「Xタイプを買うならSタイプのほうが良い」と言われてしまうXタイプですが、今年は買いですし本当に美味しいです。
既に飲んでいますので、こちらもまた飲み比べの記事として書きたいと思います。
話を戻しましょう!
それではこちらも開栓してゆきたいと思います。
グラスは、リーデルの大吟醸グラスにしてみました。
苦み!香りにも苦味を感じます。
Rtypeよりも、苦さを感じます。
柑橘と舌に刺激が少々。
後口はさっぱりします。
甘すぎずにさっぱり。これはマスカット?
冷たいのが美味しいですね。
舌にじわっと酸味と甘さ。
Rタイプよりも深みがあります。
ジューシーなマスカット感、あります。
開栓までは、日本酒セラーにてマイナス5度で冷やしていました。
開栓後は冷蔵庫で「約5度」で冷やしておきました。
味わいの変化はあったのでしょうか?
ひと口飲んでみると、おいしい!
やわらかい柑橘感でさっぱりもします。
こちらの方がSタイプよりも「さらり」としていてジューシー感は少なめ。
でも甘さもあり美味しいです。
後口はやはりお米感が残ります。
Sタイプよりも「甘さあり」といった感じでしょうか。
同様に冷やしていたこちらもいただいてみたいと思います。
ひと口飲んでみると、Rタイプよりもこちらの方がジューシー。
そしてやっぱりマスカットな感じで、後口はさっぱりします。
軽やかでもありジューシーな厚みもあり美味しいです。
後口の酸味がこちらの方が強くて爽やか!
甘さからのさっぱり感、あります。
Rタイプよりも「酸味の印象が強め」といった感じで、それもまた美味しいです。
料理と一緒にいただきましたが、邪魔することなく美味しくいただくことができました。
家でゆっくり、存分に味わえてとっても美味しかった&嬉しかったです。
ごちそうさまでした♪
No.6「R-Type」「S-Type」の2020ヴィンテージを飲んでみて
という結果となりました。
R-typeとS-typeの2019ヴィンテージは飲んでいないため、去年との違いを比べることができません。
ひとつ言えることは「こんなにさっぱり系だったかしら?」ということです。
記憶のRとSよりも酸味さっぱり感がありました。
わーん。
また飲んで確かめたい…。
でも売ってないんです…。
そしてもう一つ言えることが「2020のXタイプはマジで美味しい」ということです。
こちらは何本でも飲みたい味わいです。
なお、DIRECT PATH(ダイレクトパス/直汲み)バージョンのRとSがあるため、こちらもまた飲み比べをしたら記事にしてゆきたいと思います。
\情 報 求 ム !/
と言いたいくらい売っていないのがNo.6というお酒です。
基本的に「飲食店さん優先」となるお酒ではないでしょうか。
店頭に並ぶことは「ほぼ無い」銘柄のひとつだと思います。
今年手に入ったのは本当にラッキーだったとしか思えません。
そして、新政酒造さんの醸す日本酒は、基本的に「特約店さん」にて購入することができます。
特約店さんの一部は下記の一般社団法人JSP(ジャパン・サケ・ショウチュウ・プラットフォーム)のページより確認することができます。
ですが、
などあるかもしれません…。
それくらい「入手困難なお酒」と理解しておくと、出逢えた時の感動は計り知れないものとなるかと思います。
わたしも出逢えた時は心の中で踊っていました(笑)
ちなみに、わたしの場合は特約店さんに行って何かしらの銘柄が買えたらラッキー!…なお酒だと常々思っています。
そのためあったら銘柄気にせず必ず買います(笑)
どうしてもNo.6に出逢いたいあなたは、飲食店さんでは結構飲めるお酒となりますので飲みに行っちゃいましょう!
原材料名 :米(秋田県産)、米麹(秋田県産)
精米歩合 :麹米55%、掛米65%
原米名 :酒造好適米100%使用(2020年秋田県収穫)
アルコール分:13度(原酒)
仕込容器 :温度制御タンク
使用瓶 :Madame Edwarda#1(マダム・エドワルダ)
内容量 :720ml
価格 :1,750円(税込み)
原材料名 :米(秋田県産)、米麹(秋田県産)
精米歩合 :55%(掛米、麹米ともに55%)
原米名 :酒造好適米100%使用(2020年秋田県収穫)
アルコール分:13度(原酒)
仕込容器 :温度制御タンク
使用瓶 :Madame Edwarda#1(マダム・エドワルダ)
内容量 :720ml
価格 :2,200円(税込み)
製造者 :新政酒造株式会社/秋田県秋田市大町6丁目2番35号
公式サイト :http://www.aramasa.jp/
Twitter :https://twitter.com/aramasayamayu
2022年2月より、No.6のヴィンテージが「2021」へと変わりました。
2021年に収穫された酒米を使用しているということで、またこれまでとは違った味わいを愉しむことが出来ます。
また、2022年4月より価格の改定も行われましたので定価が少し値上げされています。
詳細は下記の記事に書きました。
気になるあなたはぜひご一緒にチェックをしてみてください。
\2021ヴィンテージのNo.6「R-type」/