日本酒には、同じ酒蔵さんの同じ銘柄のお酒でも
などなど、さまざまな種類の日本酒が存在します。
実際、はじめて飲む銘柄の日本酒で
など、ラベルを見ただけではよく分からずに困ってしまうことがありませんか?
ここでは、同じ酒蔵さんの同じ銘柄の飲み比べをした内容を記載していきます。
第1回目は、仙禽さんの
です。
早速、見ていってみましょう♪
※写真の右2本がNATURU(ナチュール)シリーズです。
栃木県さくら市にある「株式会社 せんきん」さんの醸す日本酒の1つに
という
【いにしえの技法「古式生もと」により復活した完全無添加の超自然派日本酒!】
…といったコンセプトの銘柄があります。
そもそも、株式会社せんきんの11代目蔵元である「薄井一樹」さんはワインの元ソムリエ出身。
「オーガニック」
「ナチュール」
「ドメーヌ」
など、一見すると「日本酒?」と思うようなワイン造りによる発想を日本酒造りに取り入れている酒蔵さんです。
株式会社せんきんさんは「薄井一樹」さんが専務取締役として会社全体を見て、弟である「薄井真人」さんが杜氏として製造責任者を務め<兄弟で>酒造りを行っています。
ちなみに、一般的にこのカタカナの言葉を日本語で言うと
といった意味があり、せんきんさんはこのような発想を日本酒造りに採用しています。
そして、NATURU(ナチュール)シリーズは下記のような特徴があります。
ここまで見てみて「ちょっとよく分からない」と思った人も居るかもしれません。
ひとつずつ説明すると、凄く膨大な文字数になってしまうためカンタンにまとめると
【昔むかしに造られていた自然と寄り添った製法の日本酒造りを再現し、自然派を超えた日本酒を現代に…!】
という感じでしょうか。
現代の日本酒造りでは技術進歩が進み、便利な「機械」や手間のかかる木桶ではなく「タンク」など【より人の手が掛からない】ものに変わっています。
そこをあえて「原点帰り」をした技法によって日本酒を造る。
これはすごく手間も、時間も、費用も掛かることです。
自然派ワインがあるように、自然派日本酒。
それが仙禽(せんきん)さんのNATURU(ナチュール)シリーズです。
米・米麹・水のみの完全無添加で創られるオーガニック ナチュール。
名前の通り、使用される原料米「亀ノ尾」もオーガニック化し、自分たちの所有する畑(栃木県さくら市)で作られています。
実は現在のナチュールに辿り着くまでに、30BY(平成30年7月1日~平成31年6月30日までの間に醸造されたお酒)までのナチュールはタンク事に分けたシリーズとして販売していました。
un(アン)、deux(ドゥ)、trois(トロワ)、quatre(キャトル)、cinq(サンク)というシリーズ。
わたしが初めて飲んだナチュールは「trois(トロワ)」。
2017年くらいだった気がします。
当時の写真が出てきたので貼っておきますね!
「シードルワインみたいで面白い日本酒だよ」
と酒屋の店主さんが紹介してくれた言葉が今でも記憶に残っています。
仙禽さんの日本酒の最大の特徴は【甘酸っぱい味】。その酸味に特徴があります。
実際にtrois(トロワ)を飲んでみて「何だこの面白い日本酒は!」と衝撃を受けたのを今でも忘れられません。
当時はシリーズものだと知らずに「宝石みたいなラベルのイラストでなんだかおしゃれな日本酒だなぁ」と思っていました。
後で知ったのですが、宝石ではなく「折り鶴が完成するまでの様子」が描かれていると!
cinq(サンク)のラベルのデザインを見れば「折り鶴だったのか…!」ということが分かります。
そのシリーズは完結を迎え、現在はこちらの「オーガニック・ ナチュール」が定番商品(通年商品)としてわたしたちの手元に届きます。
2019年より、オーガニックナチュールを「通年販売」にした仙禽さん。
続いての試みとして、2020年夏からは「お酒の種類違いでシリーズ展開」をしていくことになりました。
第1弾は「オーガニック ナチュール<0:nigori>」
ナチュールのにごり酒。
こちらは飲んだことがない日本酒なので飲んだ際には書いていきたいと思います!
ちなみに、【2021年1月26日】に「ナチュールZERO、出荷開始。」と仙禽SENKINさんの公式Twitterでつぶやかれていました。
そして第2弾が「オーガニック ナチュール<W:kijoshu>」です。
ナチュールの貴醸酒バージョン!ですね。
貴醸酒とは、日本酒を醸造する際の仕込み水の一部に「水」ではなく「日本酒」を採用して造られたお酒です。
日本酒を使用することで「濃厚でまろやかな甘口」の日本酒に仕上がります。
特に、仙禽の薄井さんが目指しているのは「貴腐ワイン」の頂点であり最高峰の「シャトー・ディケム」とのこと。
Twitterでつぶやかれているのを見て「あのディケムを日本酒で?」とワクワクが止まりませんでした。
ケンタッキーとペアリングをしていますので気になったあなたはぜひ♪
ようやく飲み比べの感想になりますが、最初に言っておきます。
この2本は飲み比べるまでもなく「まったくタイプの違う」日本酒である。
…と。
わたしも最初は
「同じラベルで色違い!」
くらいの認識で、見た目が似ているので「味も似ているのかな?」と「何が違うのかな?」くらいの軽い気持ちでした。
そして仙禽さんの日本酒のコンセプト【甘酸っぱい】をすっかり忘れていました。
スクリューではなく王冠のキャップを開けると「チュポン!」といい音が鳴りました。
色は黄色。
香りはお花のようで少し酸というかキュッと引き締まったお酢っぽい香りを感じます。
基本的には蜜のあるお花の香り。
思ったよりさっぱり感があります。
舌に少しピチっと酸味を感じ、後味に日本酒らしいお米の感じが残ります。
何となく「甘口のお酒」のイメージを持ったまま飲んだので、どちらかと言えば辛口…というか硬さ?、さっぱり感があります。そして軽い。
「ナチュールってこんな味だったっけ…?」
と戸惑いがあり、独特なお米の香りと、とても個性的なものがそこにありました。
なぜスンドゥブと合わせたのか…そこにスンドゥブがあったから…です(すみません)
一緒にいただくと合う!さっぱりして料理の味を邪魔しません。
とてもさっぱり。後に残らない。食中酒として飲むならこちらがすすみます。お酒の味もやわらかく感じて美味しくいただけます。
たまらずこちらを開けます。
やはり王冠を開けると「チュポ!」と良い音が。
色はこちらの貴醸酒のほうが若干濃い黄色…かな?
甘みのあるまろやかな香りがします。
香りの通り、甘~い!とにかく甘~い!
グラスの内側にとろ~りと日本酒の跡が残ります。これは好きな日本酒。
舌にちょっとピチっと酸味があり、香りに透明感のあるお水のようなキレイさがあります。
これはデザート日本酒。
後口に日本酒のお米感が残るけど、少しなので心地よさを感じます。
おいしい~。あまーい♪
口に含むと幸せを感じます。まったり。
食前酒や、食後酒としてゆっくり飲みたい日本酒です。
こちらも合わせてみました…が、最初お酒のほうが強く感じ後からチゲがやってきます。
邪魔はしないけど、スンドゥブには合わせなくていい。
そしてやっぱり甘いです。香りも良くて、まったり甘い。
さすがに1人で2本は飲み切れずに、3日後と5日後の味を愉しんでみました。
王冠を開けると「ポン!」と大きめの音が鳴りました。
他の日本酒と比べてもナチュールは開ける度に結構音が鳴る方だと思います。
香ってみると、酸っぱい香り。酸を感じます。
飲み口さっぱり。独特なお米の香りは健在です。
軽いので飲みやすく、この日は和風ハンバーグと合わせてみましたが、さっぱり油を流してくれるので食中酒として合います。
穏やかな感じ。こちらのほうが料理と日本酒がすすむ。
マヨネーズの酸味とマリアージュするのか、一緒に食べたサラダのマヨネーズに合います。
同様に「ポン!」
ジューシーな甘い香り。甘い味。
蜜のような甘さで、ほんの少し重さを感じます。しっかりとした甘さ。
でもやっぱり美味しいので飲めちゃう日本酒。後にはそこまで残りません。
前回のスンドゥブチゲとは違い、和風ハンバーグとは一緒に合わさるような感じでおいしい!
サラダのマヨネーズにも合いました。
ラスト1杯!
香ってみるとやはり独特の香り。これはもう、これがナチュールの香りなんだと納得せざるを得ない。
ひと口飲むと、あれ?甘味が増してる!
貴醸酒の後に飲むとさっぱりします。
ラスト1杯!
あまーーーーい。
やはり甘い。ディケムを目指しているとのことがよく分かる甘さです。本当に甘い。
ナチュールを飲むのが久しぶり(4年ぶり)くらいだったので飲んでみて「驚いた」というのが正直な感想です。
一番印象に残るのが、
そして共通項目として「独特なお米の香り」がある。
全く違うタイプの2本ですが、本質は一緒というのは飲み比べてみてすごく分かりました。
オーガニック米・亀ノ尾によるものなのか、精米歩合90%によるものなのか、確かにエネルギッシュな湧きあがるような独特の強さを感じます。
これがとても個性的なので「好き」か「好きじゃない」かが分かれる要素になるかもしれません。
これからも進化をしていきそうな感じがビシビシ伝わってきます。
また飲みたい。
また味を確かめたい。
不思議な気分になる日本酒「オーガニック・ナチュール」!
また買おう。
そして、他の銘柄(シリーズ)も飲もう!と思わせる仙禽さんの日本酒。
久しぶりにプレミアムシリーズも飲みたいなぁ。ナチュールとはまた違った美味しい日本酒です。
銘柄ごとに印象がガラリと変わる仙禽さんの日本酒!
飲んだことの無いあなたも、飲んだことのあるあなたも、ぜひ楽しんで飲んでみてくださいね。
仙禽さんの日本酒は特約店さんで購入することができます。
特約店一覧は、せんきんさんの下記ページで確認することが出来ます。
「入荷するか?どうか?」はお店によっても異なりますので、特約店さんのTwitterやInstagramなどのSNSを活用すると便利です。
製造者 :株式会社せんきん/栃木県さくら市馬場106
公式サイト :http://senkin.co.jp/
Twitter :https://twitter.com/senkinofficial
Instagram :https://www.instagram.com/senkinofficial/