日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、福島県会津若松市にある「宮泉銘醸 株式会社」(みやいずみめいじょう)さんの醸す、「冩楽 純米吟醸 備前雄町」(びぜんおまち)です。
冩樂(しゃらく)は、福島県で醸される銘柄の日本酒で
に続く入手困難な銘柄のお酒としても有名です。
それは、日本酒の味わい自体が美味しいことと蔵元さんの意向によりインターネットでの販売をしていない販売店さんが多いためです。
ですが、正規取扱の特約店さんへ行ってみると「意外と買える」「販売から数日経っても置いてある」と発売に合わせれば購入が難しくない印象のお酒でもあります。
福島県では他にも、
といった日本酒愛好家から美味しいと注目の銘柄が多くあり、当サイトでも実際に飲んでその味わいを体感しました。
冩楽(しゃらく)を醸す宮泉銘醸さんは会津若松市にあり、最初は宮森啓治酒造場として昭和30年に設立、その後昭和39年に宮泉銘醸株式会社となりました。
元々は「會津宮泉」(あいずみやいずみ)という銘柄を醸している酒蔵さんでした。
現在の杜氏で4代目蔵元となる宮森 義弘さんが、2007年に同じ会津若松市にあり廃業する酒蔵の銘柄の名前を継承し、新ブランドとしたのが「冩樂」です。
宮森さんが蔵を継ぐ前に「飛露喜」や「十四代」が口に合う日本酒だったということで、その2つを真似するのではなく
両銘柄よりも甘味と酸味がバランス良く広がるお酒にしよう
引用:SAKETIMES
と考え醸されているお酒となります。
冩樂には「通年商品」と「季節限定商品」の2種類があります。
備前雄町は季節限定に醸されるお酒で、赤いラベルの冩樂です。
と2回発売があり、1年の内に2種類の味わいを愉しむことができます。
わたしが購入したのは「火入れバージョン」のお酒で、生酒はフレッシュ感・火入れは熟成された旨みを楽しめるという違いがあります。
そして、備前雄町(びぜんおまち)と共に赤磐雄町(あかいわおまち)という2種類の赤いラベルのお酒が同じ時期に発売されることも特徴です。
1番はこの2つを同時に飲み比べをするのが愉しみ方のひとつになるかと思いますが、購入の際に持って帰れる本数の関係上どちらかを選ぶ必要がありました。
同じ「雄町」と名の付くこの2種類の違いは「雄町という酒造好適米が作られた地域」の違いです。
岡山県で栽培された雄町は「備前雄町」と呼ばれ、その中でもブランド米となる赤磐産の雄町を「赤磐雄町」と呼びます。
そのため同じ岡山県産の雄町でも「2種類の酒米の味わい」を愉しめるのが冩樂の雄町の日本酒となります。
ちなみに雄町は他にも千葉県、大阪府、広島県、香川県などで栽培されていますが備前雄町と名乗れるのは岡山県産のみとなります。
わたしも購入する際は違いが分からなかったため、酒販店の店主さんに「この2つはどちらを選べばいいですか?」と聞いてみました。
といったニュアンスの回答だった記憶があります。
わたしは断然「ふくらみやまろやか派」のため、備前雄町を選ぶこととなりました。
写楽の日本酒を飲むのは3本目!
通常の純米吟醸、純米酒と飲んできましたが「季節限定酒」は初となります。
わたしは写楽の純米吟醸よりも「写楽の純米酒」の方が、食中酒として合わせる料理を選ばずにその旨さを存分に体感することができたため好きでした。
備前雄町はどんな味わいなのでしょうか?
見て行ってみたいと思います。
酸味、そしてパイナップル感。
マスカットのようにも感じます。
甘さがまったり香りつつ、さわやかさのある酸味も香ります。
甘み。
そしてマスカット感からの酸味で、後口はとてもキレイです。
え、これは美味しいお酒。
ひと口飲んで「美味しい」と思いました。
わたしが想像する雄町米の日本酒は、硬さやスッキリさ、男らしさのある印象なのですが写楽の備前雄町はそれとは異なる印象です。
ファーストアタックの甘さが美味しくて、後口にはキレさがありますが最初の甘みがとってもジューシー。
その甘みが美味しくて好きです。
そして酸味のバランスも良いです。
後口はキレさだけではなく、まろやかさもあります。
いつもは晩ご飯と共に日本酒をいただきますが、お昼に飲み始めたので急遽(そこにあった)カップ焼きそばと共にいただきたいと思います。
日本酒は単体よりも料理と一緒に派です。
一平ちゃんを食べてから飲んでみると、良い感じの甘さになりました。
酸味が穏やかで、後口に残る甘みがめちゃうまです!
焼きそばのソースに合います。
ソースの甘みとマリアージュするため、コロッケやお好み焼きにも合う日本酒なのではないでしょうか?
酸味も美味しいです。
厚みのある酸味感ですね。
再び王冠を開けると「ポン!」と良い音が。
酸味からの旨みと甘さが美味しい日本酒です。
1日では飲み切らずに、冷蔵庫にて保管をしていました。
味わいに変化はあったのでしょうか?
早速香ってみると、初日とは異なり洋菓子のような甘みからの酸味が香ります。
飲んでみると、甘みが美味しい~!
からの、一瞬さっぱりしてジューシーさのある酸味。
うーん、美味しいです。
厚みもあるのにキレイさがあります。
これは本当、美味しいお酒です。
今日はチャーハンと共にいただきます!
…あれ、ちょっと待って、わたし料理さぼってない?
炒飯を食べてから飲んでみると、チャーハン合います!
甘みがとってもハッキリして酸味も爽やかで美味しいです。
酸味キュン!な甘さがあるため、とっても美味しく食べられますし飲むことができます。
え、冩樂の備前雄町、旨いのだが?
濃ゆさとジューシーさも楽しめて、飲む度「うまい」と思える日本酒です。
美味しかったです!
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「今まで飲んだ雄町のお酒で1番好きかも…」とその旨さを体感した日本酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは、
です。
こちらのお酒は「アルコール分16度」と度数はしっかりあります。
そのため、軽くて飲みやすさを求めている人には向かないかもしれません。
ですが、変などっしり感や重たさを感じさせない味わいで、さらに「食中酒」として料理と一緒に飲むとその旨さを存分に堪能することができます。
今回は「ソースに合う」日本酒ということが分かりました。
そして「チャーハンに合う」ということも分かったため、食中酒としての幅が広くそのポテンシャルも高い日本酒であると思います。
雄町は火入しか飲んだことが無いため、購入する機会があれば生酒も飲んでみたいなぁと思っています。
「冩楽」は残念ながら、宮泉銘醸さんの蔵では直接販売をしていない銘柄の日本酒です。
特約店限定流通のお酒で、インターネットでの販売も蔵元さんの意向で行っていない販売店さんがほとんどです。
そのため、購入するには「正規取扱店」さんを知る必要があります。
正規取扱店さんは、宮泉銘醸さんへ電話にて問い合わせをすることで近くの販売店さんを紹介してもらうことができます。
インターネットから取扱店さんを検索したい場合は
といったキーワードにてGoogleやYahoo!検索をすることでヒットさせることができます。
また
といった内容でインターネットから購入できる特約店さんもあります。
例えば
ですが、ネットで購入できる取扱店さんは特に季節限定酒の場合「即売り切れ」となることがほとんどです。
※通年商品(定番酒)の純米酒・純米吟醸酒はネットでも買えることが多々あります。
1番はやはり「近くの取扱店さんを知り、発売に合わせて買いに行く」のが良いかと思います。
わたしは取扱店さんが遠いため、他のお酒とのタイミングが合う時に写楽を購入しています。
まずはお近くの特約店さんをチェックしてみてくださいね。
特定名称 :純米吟醸酒
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
原料米 :岡山県産 雄町100%
精米歩合 :50%
アルコール分:16度
内容量 :720ml
価格 :2,137円(税込み)
製造者 :宮泉銘醸 株式会社
所在地 :福島県会津若松市東栄町 八番七号
公式サイト :http://www.miyaizumi.co.jp/
今回は、写楽の季節限定酒となる「備前雄町」の一回火入を飲んでみました。
「冩楽の日本酒は飲んでみるとその旨さに驚く」日本酒だなぁと改めて感じました。
まだ写楽を飲んだことの無いあなたは、ぜひ定番の純米酒から飲んでみて欲しいと思います。
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