日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、福島県会津若松市にある「宮泉銘醸 株式会社」(みやいずみめいじょう)さんの醸す、「冩樂 純米酒 一回火入 」(しゃらく じゅんまいしゅ)です。
福島県の地酒として日本酒愛好家から人気を集める銘柄「冩楽」(しゃらく)。
会津若松市にある鶴ヶ城からすぐ近くにある酒蔵、宮泉銘醸さんが醸す日本酒には
の2つの銘柄があり、冩樂は酒米違いで醸される純米吟醸シリーズとして季節に沿った銘柄米を使用したお酒が年間を通して順次発売されます。
中でも「生酒」は12月~4月ごろまでしか発売されないため、そのフレッシュな味わいを毎年楽しみにしているファンも多く「入荷後即完売」となってしまうことがほとんどです。
今回いただいたお酒はそんな「季節限定酒」とは異なり「通年商品」の定番酒となります。
ちなみに、この記事を書いている2月25日現在はブラックラベルの「播州山田錦(生酒)」が発売中となっていますが、既に売り切れの酒屋さんがほとんどかもしれません。
どんな種類のお酒が発売されるのか?は宮泉銘醸さんの公式サイトにも案内がありますので気になったあなたはチェックしてみてください。
商品概要/冩楽(しゃらく)
http://www.miyaizumi.co.jp/sake/
こちらのお酒は季節に限らず「入荷していれば購入可能」な通年販売のお酒なので、季節限定酒と比べると「いつでも購入できる」定番で身近なお酒になります。
写楽の定番酒は2種類あり
となり前回、初めて飲んだ写楽が定番の「純米吟醸酒」でしたので今回は「純米酒」のお酒を飲んでみました。
冩樂のお酒はまだまだ知らないため、基本からしっかり飲んでゆきたいと思います。
そしてこちらの2種類の違いは、精米歩合だけではなく使用している酒米が異なります。
そのため、米の磨きの違いだけではなくそれぞれのお酒に使用されたお米の味わいを愉しむことができます。
なお、夢の香(ゆめのかおり)とは五百万石(ごひゃくまんごく)よりも優れた品種を開発しようと福島県で育成された福島ブランドの酒造好適米です。
醸造適正は総合的に五百万石を上回る酒質である…といった研究結果が出ているため、この2本は味比べとして飲んでも面白いかもしれません。
\純米吟醸 一回火入れを飲んだ感想はこちら/
前回、初めて写楽の純米吟醸(1回火入)を購入した際は一緒に置いてあった純米酒と迷ったため店員さんに尋ねたところ
「どちらもフルーティーで甘くどちらを選んでも美味しい」
といったアドバイスをもらい、結局どっちを買っていいのか迷ってしまった…という経験がありました。
今思うとこのニュアンスだと「どっちも同じような味わい」といった印象を受けますよね。
先に結論から言っておきますと違います。
わたしが店員さんなら、初めて写楽を飲む人には「純米酒」をお勧めします。
それは、なぜなのか?
まずは飲んでみた感想を見てゆきたいと思います。
メロンの香り。
純米吟醸もメロンだと感じましたが「華やかさ」が強い印象でした。
純米は、華やかというよりも酸味と厚みのあるたっぷりとした甘みが香ります。
甘さが強い!
シロップのような甘さに酸味が美味しく交わります。
後口は酸味さっぱり感があります。
キレのようにきつい感じはなく、旨みがとても美味しいです。
ほうれん草とベーコン炒めは、甘さと酸味がとっても合います!
美味しいです。
「どんな料理にも合う食中酒」という説明通り料理にとても合います。
柑橘系の酸味感がまた美味しい。
続いてはおでん。
うん、おでんにもとても合います。
ジュワっと感が出て、からしにも合い美味しく食べれます。
甘さが酸味を支えている感じで、酸味さわやかさがUPしました。
食べて、飲んでいるとどちらも美味しくいただけますが、おでんよりほうれん草の方が合うかな?醤油に合う。
これは料理と一緒に1本行けちゃう旨さです。
飲み切ってしまいそうな所を我慢して、冷蔵庫にて保管をしました。
味わいの変化はあったのでしょうか?
早速香ってみると、甘さがあり柑橘のような酸味が香ります。
とてもジューシーな甘さからのキレ感。
あれ、昨日の方が美味しかったです!
これはパイナップルの甘さ。
酸味と苦味があります。
濃い目で舌に酸味がジワジワ。
うーん、苦味が出た印象です。
開けたての味わいの方がめちゃめちゃ美味しかったです。
後口はさっぱり感有。
昨日に続きほうれん草とベーコン炒めは、甘みに酸味が良い感じに引き出されて柑橘ぽさが出ました。
うん、おいしい。
わが家の定番、無印良品のチキンの大盛カレーは酸味がとっても合います。
さわやかさUP!
甘みも良い感じにちゅんとして美味しくいただけます。
お酒に濃ゆさ(旨み)があるので、深みが増してとても美味しいです。
やっぱり料理と一緒にいただくと最高に美味しいです。
単体で飲んだ時の苦さも感じないし、食中酒として本当においしい1本だと思います。
定番の純米吟醸酒よりも料理を選ばない。
そして「あぁ、写楽ってだから選ばれるんだ…」と改めて思った納得の1本でした。
とっても美味しかったです!
ごちそうさまでした♪
わたしは、飲んでみて「これが冩楽というお酒の旨さか…」と感心した日本酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは、
です。
こちらのお酒は「正に食中酒として旨みを存分に楽しめる」日本酒だと思います。
もちろん単体でも美味しいのですが、料理に合わせなきゃモッタイナイ!
もし特約店さんが近くにあり、晩ご飯のお供としての日本酒を求めている場合に結構な頻度でリピートしてしまう…そんな味わいの日本酒です。
このお酒を選べば間違いない。
それが冩楽の純米酒であるとわたしは感じました。
通年の純米吟醸酒の方は、華やかな香りが印象的なため食中酒としては料理を選んでしまうかと思います。
そのため、初めての写楽でどちらかを選ぶのであれば料理を選ばない「純米酒」がおすすめですし、まずはこの味わいを知って欲しいと思いました。
季節限定の写楽ばかりに目が行きがちですが、まだ飲んだことの無い人はぜひ飲んでいただきたいですし、久しぶりの人もぜひ手に取っていただきたい1本です。
「冩楽」は残念ながら、宮泉銘醸さんの蔵へ行っても購入できない銘柄の日本酒となるため全国の「正規取扱店」さんでの購入が必要です。
直接蔵に行き購入できる銘柄は「會津宮泉(あいづみやいずみ)」と焼酎の「玄武(げんぶ)」のみとなります。
正規取扱店さんは公式サイトなどに案内がなく、電話にて問い合わせをすることにより紹介してもらえます。
「インターネットで買えないの?」
と思った人も居るかもしれません。
ですが、冩楽は蔵元さんの意向で「インターネットでの販売をしていない」取扱店さんがほとんどです。
そのため、電話で近くの販売店さんを紹介してもらうか
【写楽 正規取扱店】
【写楽 特約店】
といったキーワードでGoogleやYahoo!検索をし、取り扱いがある酒販店さんの店頭へ直接買いに行く…といった方法で購入することができます。
わたしは休日に酒屋さん巡りをするのが趣味になっているので、写楽を取り扱っている酒販店さんも何件か見掛けました。
通年商品の【純米酒】【純米吟醸酒】は高確率で置いてあることがほとんどです(時期によっては売り切れています)
季節限定商品の場合、タイミングが合えばスンナリ購入できるため販売店さんのSNSなどの発信等をチェックしていればタイミングを合わせることは簡単です。
また入荷本数や種類にもよりますが、1日で即完売というお店は少ないような印象があります。
「店舗に行って購入」
が基本となる銘柄の日本酒なので、まずは「近くの正規取扱店さん」を知ることからはじめましょう!
特定名称 :純米酒
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
原料米 :夢の香100%
精米歩合 :60%
アルコール分:16度
内容量 :720ml
価格 :1,540円(税込み)
製造者 :宮泉銘醸 株式会社
所在地 :福島県会津若松市東栄町 八番七号
公式サイト :http://www.miyaizumi.co.jp/
今回は写楽の定番酒となる「純米酒」を飲んでみました。
こちらのお酒は「冩楽の日本酒を飲むのならぜひ味わっておきたい1本である」と思いました。
季節限定シリーズに関しては、公式サイトに掲載されていないものも多々ありますが火入れではなく「生酒」も見掛けたらぜひ飲んでみたいなぁと思いました。
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