日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、京都府京丹後市にある「木下酒造有限会社」さんの醸す「玉川 純米吟醸 Ice Breaker」(アイスブレーカー)です。
木下酒造さんの醸す日本酒「玉川」(たまがわ)は、イギリス人杜氏の「フィリップハーパー」さんが醸す旨酒として知られています。
天保13年(1842年)創業の酒蔵さんで、フィリップ・ハーパーさんは平成19年(2007年)に木下酒造の杜氏として就任。
日本初、全国唯一の外国人杜氏となります。
といった伝統的技法と自然酵母にこだわる挑戦的な酒造りで醸されるお酒は「旨酒」として新たなファンを獲得。
「デリケートな日本酒」ではなく「味わいの変化を愉しめる日本酒」としてロック、冷酒、常温から熱燗や燗冷ましなど色々な温度帯を楽しむことができます。
Ice Breaker(アイスブレーカー)はハーパーさんが開発した商品で「ロックで旨い」夏限定のお酒です。
2021年・2022年ともに「5月13日ごろ」より酒販店さんの店頭に並びました。
こちらは2009年に誕生した商品ですが、10年以上経った今でもその人気は衰えることなく「夏と言えば玉川のアイスブレーカー」として日本酒業界でも有名です。
ペンギンの涼しげなラベルが可愛い、一見日本酒とは思えない外観の「アイスブレーカー」。
Ice Breakerという名前の由来やどんな酒なのか?は、お酒の首掛けに杜氏のフィリップ・ハーパーさんの言葉として記載されていました。
お酒が入るとリラックスして、つきあいが楽しくなるもの。
そんなふうに緊張感をほぐし、座を和ませるものを英語で”ice brealer”といいます。
玉川の純米吟醸「アイスブレーカー」は、無ろかの生原酒。
ワイングラスに氷を入れ、「アイスブレーカー」を注ぐと、清涼感のある冷気がグラスから立ち昇ります。
氷がグラスに触れて奏でる、風鈴のような涼しげな音色。
氷が融けるのにしたがって、最後まで豊かな変化を見せる香りと風味。
「アイスブレーカー」を片手に、気の合う仲間と夏を爽やかにお楽しみください。
この文章だけでも「美味しそう!」「飲んでみたい!」と思いませんか?
アイスブレーカーは、冬季に搾られたお酒を約半年間熟成させているためボディがしっかりとした無濾過生原酒のお酒です。
アルコール度数も、17度以上18度未満と力強く「氷を入れても負けない」お酒でむしろ入れたほうが飲みやすくなります。
玉川のお酒は、さまざまな温度帯で味わいの変化を楽しめるお酒となりますが、こちらのIce Breakerも例外ではありません。
燗酒で「熱燗」と言えば50℃ですが、玉川のお酒はさらに温度の高い「飛び切り燗」の55℃が燗の入り口とされています。
通常の日本酒であれば温めすぎるとアルコールが強く感じたり、味が荒くなってしまったりするケースがありますよね。
ですが、玉川のお酒はしっかりと温度を上げることにより「優しい旨みが膨らみ、味の輪郭がやわらかくなる」といった特徴のあるお酒です。
Ice Breakerも、常温やぬる燗よりも、しっかり温度を上げるのがおすすめの飲み方です。
暑い日はロックで!冷房で冷えたり、涼しい日は燗酒として!愉しめるのがこちらのアイスブレーカーとなっています。
自分の好きな温度帯を見つけて楽しめるお酒です。
以前、しろくまラベルの角右衛門の夏酒の記事を書きました。
実はその時に一緒に購入したのがこちらの玉川アイスブレーカーです。
Ice Breakerというお酒を見たのも、知ったのもその時が初めてで、玉川という銘柄の日本酒のことも知りませんでした。
「これが日本酒?」
とその可愛い姿に驚きが隠せず、確かめるには買って飲んでみるしかありませんよね。
10年以上前から発売されている商品と知り、フィリップハーパーさんのセンスに脱帽…わたしは日本酒をロックで飲んだのはこのアイスブレーカーが初めてです。
果たしてどんな味わいなのか?
早速、開栓していきたいと思います。
まずは氷を入れずにそのまま!
不思議な香りがします。
まぁるくてミルクのような…バナナ?
洋菓子でこういう香りありそう。
カルーアミルク??
自分の持っている香りのバリエーションが少なくて、うまく表現できません…
まったり!
甘すぎずに、最後はキレとお米感。
後口にまったり感も残ります。
酸味もありますが、まったり感が強いです。
飲んでいて「バームクーヘン」を想像できます。
ん!そのままで飲むよりも飲みやすくなりました。
スルスル飲めちゃいます。
オンザロックで飲んだほうが美味しいです。
青りんごの酸味のような爽やかさもあります。
アルコール分が17~18度なので、スルスルいけちゃうけどゆっくり楽しみたい。
後の余韻には、しっかりと日本酒のお米感が残ります。
アイスブレーカー単体で飲んでいましたが、何かアテが欲しくなってきました。
何か無いかとガサゴソしたところ、鳥居醤油店さんの「もろみ漬け ほたるいか素干し」があったので一緒にいただいてみます。
(鳥居醤油店さんの醤油がめちゃくちゃ旨くて毎回一升瓶で買っているのは秘密です。)
一緒にいただくと、香りがハッキリ青りんごになりました。
お酒の甘さが引き出されて美味しいです。
うまーい♪
ですが、ほたるいかが強い!
このほたるいかもめっちゃ旨いです。
お酒の甘さがチュンとしておいしくなるので、ゴクゴクいけちゃいます。
一緒だと甘さが濃くなってきました。
止まらぬ美味しさ。
カラメルのような香りも感じます。
うん、やっぱりカルーアミルクっぽい香り、あります。
そんなこんなで「ゆっくり楽しみたい」とか言いつつも、あっという間に500ml飲み切ってしまいました。
おいしかった…。
(もう無い…)
あ!燗酒…忘れて…た…
一先ず、ごちそうさまでした♪
わたしは初めて飲んだ日本酒で「次は燗酒も試してみたい!一升瓶でもいいのでは?」と思った楽しめる夏酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが「夏に氷を入れて飲んでも味わいのボケない日本酒」むしろ「ロック推奨の日本酒」を飲んでみたい!という人にはお勧めです。
そして、温度による味わいの変化を思いっきり楽しみたい!という人にもおすすめの日本酒となっています。
見た目も可愛くて、日本酒に見えないペンギンラベルのIce Breaker。
その魅力を思う存分知りたいなら、やはり一升瓶か…と思わせてくれる1本です。
※サイズは500mlと一升瓶(1800ml)があります。
これは毎年飲みたい!そんな夏限定のお酒でした。
木下酒造有限会社さんの醸す日本酒「玉川」は、蔵の直営店でも購入することが可能です。
ですが「京都に行けない」という人は、全国の特約店にて購入することができます。
また、ネット通販を行っている特約店さんであればオンラインで購入することもできます。
例えば下記のお店で取り扱いがあります。
はせがわ酒店さんは、楽天市場に公式店舗を用意していますので楽天ポイントを貯めお得に購入することも可能です。
「飲んでみたい!」
と思ったあなたは参考にしてみてください。
仕様 :純米吟醸 無濾過生原酒
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
原料米 :国産米
精米歩合 :60%
アルコール分:17度以上18度未満
内容量 :500ml
価格 :1,210円(税込み)
公式サイト :https://www.sake-tamagawa.com/
Instagram :https://www.instagram.com/tamagawa_official/
日本酒には見えない!
そんな、可愛いペンギンラベルの夏酒。
氷を入れたロックスタイルで愉しめ、燗酒でも美味しい!となると、なんだかワクワクしませんか?
飲んだことの無いあなたや、気になったあなたはぜひチェックしてみてくださいね。