新潟県佐渡市にある「天領盃酒造株式会社」さんの醸す「雅楽代」(うたしろ)という銘柄のお酒をご存じでしょうか?
天領盃酒造さんでは、地元流通の銘柄「天領盃」(てんりょうはい)とは別に2019年より新ブランドとしてスタートした特約店限定流通の「雅楽代」があります。
今回は、そんな雅楽代の新酒として2種類同時出荷となった
の2本を飲み比べてみました。
果たしてどんなお酒だったのか?
早速、見ていってみましょう♪
新潟県佐渡市と言えば、日本海の新潟沖に浮かぶ「佐渡島」(さどがしま)のことで四方を海に囲まれた自然や歴史を楽しめる観光地としても有名な土地ですよね。
そんな佐渡市に5つある酒蔵さんの1つがこちらの「天領盃酒造」さんになります。
現在、蔵元として酒造りを行っている「加登仙一(かとうせんいち)」さんは、実は2018年24歳の時にM&Aで天領盃酒造を買収し代表取締役となった経歴があります。
当時は「全国最年少蔵元になった24歳」として話題となりメディアや新聞にも取り上げられ、2020年にはTV番組の「マツコ会議」にも出演されました。
日本酒業界で言うM&Aとは、後継者のいない酒蔵を買い取り事業承継をすることで「日本酒を造りたいけど免許がおりない!」を解決する1つの方法です。
通常、企業などが行いますが加登さんは「個人」でM&Aをやってのけました。
これは本当に凄いことだと思いますし、24歳という若さでのその実行力には驚きを隠せません。
そこには、
という信念がありました。
加登仙一さんは1993年6月21日生まれで、2022年4月現在は「28歳」。
同世代の酒蔵さんの先輩には
といった、首都圏でも日本酒愛好家たちが選ぶ人気銘柄を醸すお二人が直ぐに脳裏に思い浮かびます。
日本酒業界の若い世代の行動力とその情熱は本当にすごいですね…。
(そして、そのイケメン率の高さ…)
もっと加登さんのことを知りたい!という人は下記の公式サイトの日記にその想いが詳しく記載されていますのでぜひチェックしてみてくださいね。
最若手蔵元の成長日記/天領盃
https://tenryohai.co.jp/天領盃の新たなスタート/
パッと見、初見だと「読めない」と思われる方も多いかもしれません。
雅楽代(うたしろ)は、2019年に加登さんが杜氏として製造責任者となり「綺麗で、軽くて、穏やかな香り」をコンセプトに新ブランドとしてスタートした日本酒です。
その名前の意味合いは、天領盃酒造のある新潟県佐渡市加茂歌代から派生した「苗字」から来ています。
「雅びで楽しい代(とき)」から雅楽代(うたしろ)と名乗るようになったとのことです。
ブランドのコンセプトは、先入観なく飲んでもらいたいため「特定名称や精米歩合」の表示は無し!といったお酒になっています。
その代わりに、お酒の区分としてサブタイトルがあり大和言葉を引用してつけられています。
…えー、こちらかなり端折って説明しています。
詳しくは天領盃酒造さんの公式Instagramの投稿写真の説明が1番詳しくその由来などを知ることができますので、是非ご一緒にどうぞ!
天領盃、新ブランド発表(公式Instagram)
https://www.instagram.com/p/BwgH8Q7gUJX/
初見は「ゆきのした」と読んだことは内緒です。
青緑のラベルのこちら「ゆきわたり」は大和言葉で「雪の下で麦が芽を出す」という意味があります。
ラベルの裏には
冬至は、昼の時間が長くなり春に向かうことから、運気が上昇傾向に転じて「福」がやってくると言われております。
このお酒を飲む人に大きな福が訪れますように。
そんな願いを込めて醸しました。
と記載されていました。
え、素敵。
実はこちらのお酒は「2021年」に初リリースとなる予定でしたが機材トラブルにより断念となり「2022年」が初リリースとなったお酒です。
わたしが購入した生酒は、1月に製造されたものでした。
加登さんはお酒を擬人化して造っているとのことで、雪下のイメージは下記の通りです。
「雪国美人」
芸能人で例えると橋本環奈さん!小柄で髪は長め、色白で顔立ちがキリッとしてコートに マフラー、革のロングブーツ。 ちょっと小悪魔感がある感じです。引用:Instagram
なお、使用している酒米は佐渡産の「一本〆」(いっぽんじめ)。
新潟県限定の酒米かつ、数件しか造られていない酒米ということもあり、あまり聞いたことのない品種という人も多いのではないでしょうか。
【ぽってりとした甘みが特徴のお米】
とのことで、調べてみると他の酒蔵さんでは高千代酒造さんでも使用されているということが分かりました。
こちらは読めました!
緑ラベルの「日和」とは大和言葉で「最適な日」という意味があります。
ラベルの裏には
素敵な思い出とともにこのお酒が皆様のお酒日和を彩る存在になれますように。
そんな思いを込めて醸しました。
と記載がありました。
え、素(以下略)
こちらのお酒は2020年に「火入れ」として初リリースされ、生酒としての発売は2022年が初となりました。
加登さんの日和のイメージは下記の通りです。
「はつらつおてんば娘」
芸能人で例えると子役時代の芦田愛菜さん!晴れた青空の元、元気ににこやか、ピクニックをしているような感じです。引用:Instagram
使用している酒米は「越淡麗」(こしたんれい)。
越淡麗も新潟県で生まれた酒造好適米で、佐渡のお米農家さん(その腕前はお米は品評会で金賞を取るほど!)が作っているこだわりの酒米を使用されています。
雅楽代(うたしろ)のお酒を初めて飲んだのは2021年で「日和の火入れバージョン」でした。
その時はうまく記事に出来なそうだったため「また飲んでみよう…!」と思い今回、新酒の生酒で発売された「雪下」と「日和」を購入しました。
果たしてどんな日本酒だったのか?
早速、見て行ってみましょう。
こちらは購入時「雅楽代らしさが出ているので、はじめて雅楽代を飲むならこちらから!」と紹介をいただきました。
天領盃さんのInstagramでも
優しい甘みの特徴を活かすため、酸味は控えめ、アルコール度数も控えめの14度台の原酒
と記載があります。
王冠を開けると「ジュ―…ポン!」とガスが抜けてゆきます。
わー!クリーム。
生クリームのような甘さがふわっと香ります。
穏やかな甘さで、よーく香ってみると酸味がしっかりあり少しキレのある香りです。
基本的にはスイーツのような甘さが香ります。
なんだろう?
まろやかに丸い甘さ。
そしてそこに酸味がやってきて広がってゆく感じがあります。
舌にはピリッと酸味が残りますが、口の中にはまろやかさもあります。
うん、美味しいです。
飲んでいて、水が綺麗なんだろうなぁと、結構な軟水なのでは?と思いました。
まぁるくまろやかです。
雪下の方が甘みが個性的です。
多分、仕込み水を飲めばこの甘さに納得するのだろうな思います。
お水の味わいがとても出ているのではと思います。
この時はしなかったのですが、燗酒にしたらふくらみがでるのでは?とそんな印象がありました。
当サイトお馴染みの「RF1」(アールエフワン)のサラダと共にいただきたいと思います。
海の幸のサラダを食べてから飲んでみると、意外とさっぱり!スッとしてから甘みがやってきます。
悪くはありませんが、少しキレも出ました。
甘みはまろやかです。
でも食べて飲んでいると、酸味がいい感じにマッチするので美味しいです。
甘さも甘過ぎず、ふわふわとして美味しくいただけます。
アジアン風生春巻きは、まったり。
そして後口もまったり…悪くはありませんがマッチする感じもありません。
生ハムとグレープフルーツのサラダは、うーん。
ドレッシングに合わない?
あ!グレープフルーツにこのお酒、合いません。
スーッとさがあり穏やかな甘さですが、こちらのサラダと交わることはありませんでした。
サーモンの生春巻きは、美味しい!
クリームチーズも入っているので、甘さアもゆるゆるとおいしいです。
こちらは購入時「新政が好きならオススメ、ラピスっぽい酸味があるよ!」と紹介をいただきました。
それは飲まなきゃアカンやつですね。
13%の低アルコール原酒のお酒となります。
王冠を開けると強めに「ポン!!」とガス圧強めでした。
まったりと甘い香りがします。
ですが柑橘っぽい酸味も香るため甘過ぎない印象です。
このまったり感を表現するなら、蜂蜜っぽい香りでしょうか。
美味しい…!
香りの通りの味わいです。
甘みが柔らかで、きれいな酸味と交わります。
後口は少しまったりとした甘さが残り、口の中に長く滞在しますが酸がジュワっと最終的に爽やかにまとめてくれます。
よく、香りと味わいの異なるお酒が多いのですが、日和は違和感なく香りからその味わいに入ってゆけます。
柑橘感もあるため「ラピス」というのもわかります。
甘さがとってもジューシー。
イメージですが、新政さんの日本酒は不要なものはそぎ落として磨いているイメージで(不要な味わいを感じさせない)綺麗で洗練さがあります。
ラピスと比べると、甘みがくどく感じます。
…いや、比べちゃだめですね。
造り手の若さを感じるお酒です。これからもグイグイと進化してゆくのだなぁと。
あ!分かりました。
アミノ酸の旨み成分が濃いめなのですね?
「新政の日本酒が好きだよー」という人にはぜひぜひ1度お試しいただきたい「日和」です。
こちらもサラダと一緒にいただきます。
海の幸サラダは、丁度良い甘酸感になって、もっと飲みたくなりました。
後口に残る甘みが美味しい!合いますね~。
アジアン風生春巻きは、さっぱり!
でもタレの甘みが良い感じにお酒の甘みとマッチして美味しいです。
生春巻きとグレープフルーツのサラダは、甘さが変に引き出されちゃった?
あ!こちらもグレープフルーツと合わないです。
ノーマッチな組み合わせです。
サーモンの生春巻きは、丁度良い感じで美味しくいただけます。
1日では飲み切れないため、開栓後は冷蔵庫にて保管をしていました。
生酒なので瓶内で酵母は生きています。
何か味わいに変化はあったのでしょうか?
早速、見て行ってみましょう。
香ってみると、おとなしめの柑橘。クリーム系の甘みが香ります。
まったりと穏やか。
日和を香ってから戻ってくると、日和は「バーン!」と香りが押し寄せるのに対して、こちらは香らない控えめでおとなしさがあります。
おいしい!
香りにあるクリーミーな舌触りと、甘さからの酸味。
ラストも酸味で〆てくれるため爽やかです。
初日と比べると、甘みよりも酸味の印象が残ります。
そして口の中に含んでいる時の質感がとてもなめらかで、それが印象的です。
今日は麻婆豆腐と共にいただきます!
麻婆を食べてから飲んでみると、甘みが優しく柑橘さがUPして美味しいです。
なめらかさもともに存在します。
マヨネーズサラダは、甘さが特に引き出されずに穏やかです。
少し苦味も出たかしら?
でもその感じは悪くありません。
なんだかコーヒー豆みたいな感じもあります。
香ってみると、柑橘みかん。白桃のような初日より甘さがUPしていて濃厚に香ります。
濃い甘さと酸味。
やはり香りと味わいの印象に乖離がなく、入りがとっても良いです。
ジンワリと甘みが口の中に弾けつつも酸味がまとめてくれるので、後口はアタックの甘さの感じよりスッキリジンワリと甘さが残ります。
それが美味しいです。
麻婆豆腐を食べてから飲んでみると、甘みがマッチ!
強すぎずに酸味もいい感じにマリアージュします。
マヨネーズサラダは、酸味ちゅん!からの甘みきゅん!として美味しいです。
こちらも一瞬コーヒー豆(ぽりぽり食べれるやつ)のような香ばしさを感じました。
そして、まだまだ追及して進化してゆきそうな印象のあるお酒です。
飲み比べ楽しかったです!
おいしかった。
ごちそうさまでした!
今回は雅楽代の2種類「雪下」と「日和」を飲み比べてみました。
といった感じでしょうか。
わたしの好みは「緑ラベル」の日和(ひより)です。
そして、まだまだスタートしたばかりの雅楽代のお酒なので、これからの進化がとても楽しみなお酒だと思います。
雅楽代には他にも、
といった種類があります。
雅楽代とは別で、試験醸造やウロボロス、トキロマンといったまた違ったコンセプトの銘柄もあります。
気になったあなたはぜひチェックしてみてくださいね。
天領盃酒造さんの雅楽代は、全国の特約店さんで購入が可能です。
公式サイトに「買える店」が一覧で用意されていました。
お近くにない場合は、インターネットでの販売を行っている特約店さんも居ますのでお取り寄せして楽しむことも可能です。
「雅楽代 特約店」
「雅楽代 販売店」
などでGoogleやYahoo!検索をするとヒットさせることができます。
例えば、
ちなみに、2021年は雪下と日和の生酒は12月頃~の発売で、日和の火入れは5月頃~に発売となりました。
また、させ酒店さんでは「スペシャル限定酒」の発売もありました。
今後の発売情報などは、Instagramよりも天領盃酒造蔵元の加登仙一さんのTwitterをチェックしておくと良いかもしれません。
特定名称 :記載なし
原材料名 :米(佐渡産)、米こうじ(佐渡産米)
原料米 :佐渡産一本〆100%
精米歩合 :記載なし
アルコール分:14度(原酒)
内容量 :720ml
価格 :1,650円(税込)
特定名称 :記載なし
原材料名 :米(佐渡産)、米こうじ(佐渡産米)
原料米 :越淡麗100%
精米歩合 :記載なし
アルコール分:13度(原酒)
内容量 :720ml
価格 :1,760円(税込)
製造者 :天領盃酒造株式会社
所在地 :新潟県佐渡市加茂歌代458
公式サイト :https://tenryohai.co.jp/
公式Twitter :https://twitter.com/tenryohai_sake
蔵元Twitter :https://twitter.com/tenryohai_kato
Instagram :https://www.instagram.com/tenryohai_sake/
令和元年5月1日にスタートした新ブランド「雅楽代」。
天領盃酒造の若き蔵元杜氏・加登仙一さんの今後の挑戦にも注目です。
\関連記事/