日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、秋田県秋田市にある「新政酒造」さんと、フランス・パリ生まれ日本で活躍する現代美術家「ニコラ・ビュフ」さんとのコラボ日本酒。
【新政 No.6: Dix ans – Noel 2021(ディザン・ノエル)】です。
「No.6」(ナンバーシックス)とは、新政酒造さんの蔵で発祥した「6号酵母」の味わいをダイレクトに表現するために造られた唯一の「生酒」ブランド。
生酒(なまざけ)とは、火入れ処理をしていない絞ったままのフレッシュな味わいを楽しめるお酒です。
その「No.6」は2011年より発売され、2021年に「10周年」を迎えたことを記念し6名のアーティストさんとコラボレーションを行いました。
今回は十周年記念酒コラボ企画のラストとなる「第6弾」の作品で、その名も
です。
通常のNo.6の味わいとは異なり「デザインに合わせて醸された味わい」または「味わいに合わせたデザイン」と「酒とデザイン」が融合された作品となっています。
そのため、通常のNo.6では味わえないそれぞれのコラボ酒に合わせた「特別な造り」にて醸されました。
ボトルのデザインを楽しみながら、その味わいを一緒に楽しめる…といった日本酒になります。
今回デザインを担当された現代美術家のニコラ・ビュフさんの作品の特徴は、赤と黒を基調としたゴシックなデザインです。
ディザンノエルのボトルや箱にも、そのヨーロッパ古典美術と日本のポップカルチャーを融合したニコラ・ビュフ氏ならではの独特な世界観が表現されています。
ニコラ・ビュフさんのアートワークは「何かしらのストリーを基に構成される」とのことで、今回は秋田県男鹿半島に伝わる「999の階段」を基に制作されました。
デザインでも印象的なのが
など。
このナマハゲは千番目の石段を持っているデザインとのことで「怒り」と「怯え」の2つの表情が表現されています。
クリスマスツリーは石段が建設された男鹿の森を呼び起こさせるものとなっています。
また、999の階段という民話は「狼藉の限りを尽くす鬼を村人が協力して追い払う」という内容で、鬼は古来より「疫病」を象徴するものでもあります。
そのような意味でも「コロナ過における疫病退治の願いを表現した芸術作品とも言える」と、新政酒造8代目蔵元・佐藤祐輔さんがコメントをしていました。
箱に入っている冊子の解説を読みながらデザインを改めて見返してみると、いろいろな発見ができとても面白いデザインとなっていることがわかりました。
なお、このディザン・ノエルの発売を記念して12月24日・25日の2日間、東京豊洲にて「ナマハゲフェスティバル」が開催されました。
その時の様子は下記の記事に書きましたので、気になったあなたはぜひ一緒にご覧ください。
\ナマフェス!12月24日に参戦してきました/
Dix ans – Noel(ディザン・ノエル)とはフランス語で直訳すると「10年のクリスマス」という意味になります。
それもそのはず、こちらのお酒は毎年12月に発売される「No.6 X-mas-Type」(クリスマスタイプ)のお酒をさらに進化させ醸されたお酒なのです。
そのため、いつもの「新政クリスマス」のお酒が2021年は「ディザン・ノエル」として発売となりました。
コラボ企画を知らなかった人は「今年の新政クリスマスのお酒豪華じゃない?」と思ったのではないでしょうか。
発売日に関しては「2021年12月21日」と例年のNo.6 クリスマスtypeの発売と同じくらいの時期に全国の特約店さんにて発売となりました。
No.6 Xmasタイプのお酒は、2015年より発売がスタートしたお酒です。
2018年より「Spark」(スパーク)として瓶内二次発酵によりシュワシュワを楽しめる「うすにごりのスパークリング日本酒」での発売となりました。
そのため、ディザン・ノエルも「うすにごりのスパークリング酒」となっています。
瓶内二次発酵とは主に、発酵中の醪(もろみ)を絞り瓶内に閉じ込めその発酵の続きを瓶内で行うことにより発生した炭酸ガスを閉じ込めることができる。
といった製法で、シャンパンのように瓶内のガス圧が高まっているため開けるとジュワジュワとした泡が立ち込め十分な発泡感を楽しむことができます。
そして今回は例年と同様の「うすにごりのスパークリング酒」ではありません。
ということで、例年のクリスマスタイプよりも「味わいがゴージャスな発泡酒」に仕上がっています。
より凝った造りとなってるため
と、価格も例年のクリスマスタイプより高くなっていました。
なお、2020年のクリスマスタイプに関しては下記の記事にて紹介しています。
\新政クリスマスタイプ2020レビュー/
No.6十周年記念コラボ酒「第六弾」のディザン・ノエルは、
と多くの飲む機会をいただくことができました。
第1弾~追いかけていたため、ラストのご褒美だと思い感謝しかありません…( ´人` )
ナマフェスで飲み終えた空のボトルはしっかり持ち帰りをしたため、家に3つあるという状況になっています。
ナマフェスではわちゃわちゃしゆっくり味わうことができなかったため、今回ボトル1本まるまる一人で味わいさせていただきました。
外で飲むディザン・ノエルとの違いはあったのでしょうか?
早速、見ていきたいと思います。
家で飲める分が、ありがたいことに2本あったため24日のイベント後はすぐに1本飲む予定でした。
ですが、なかなか開ける機会がありません。
それは、ナマフェスで飲んだディザン・ノエルが「思ったよりもにごり感が強い」味わいだったということが理由です。
今まで飲んだことのある新政酒造さんのお酒の中でも1番「にごり酒」の味わいを感じました。
日本酒は単体で飲むより「料理と一緒に楽しみたい」と思う人なので、「にごりでスパーク」を何に合わせたらいいか悩んだ結果飲むタイミングを逃していました。
結局、「記事も書きたいしとりあえず味わってみよう!」と開栓することになりました。
ディザン・ノエルはナマハゲのデザイン部分を切らないようにすると「ビー」っとナマハゲ部分を全て剥がすことになります。
シールになっているので、飲み終わったら再度元に戻すことができるので安心です。
そして、豊洲のサイタブリア(ナマフェス)で開栓した際は泡が上がって来て「5分以上」開栓に時間がかかりました。
【新政×サイタブリア豊洲】
ナマフェスで動画回すとか全然頭から抜けてましたが、唯一これだけ🥺
✅ノリノリの音楽と
✅なかなか開けられないディザンノエルです☺️
これ5回目くらい(もっと?)
とにかくジュワジュワのお酒でした🍾 pic.twitter.com/2uULqgEDMb— ねこと日本酒🐈🍶@なかのひと (@neko_nihonsyu) December 28, 2021
ですが、家ではマイナス5℃で冷やせる日本酒セラーにて保管をしていたため「あっさり」開栓することができました。
これは、マイナス5度という環境だと生きている酵母の発酵を抑えることができるためです。
ちなみに、冷蔵庫の温度(0℃~10℃)では温度が上がるほどに酵母の発酵が続きます。
もし冷蔵庫で冷やしていたらTwitterの動画と同じように「泡が上がってきて開けれない!」という状況になっていたかもしれません。
ジュワ~~っと泡が広がりました。
にごりの滓(オリ)がボトルの底に溜まっていますが、まずは混ぜずに上澄みをいただいてみます。
梨感。
少し苦味のようなキレ(硬さ)も香ります。
ジュワジュワ!
口の中で泡が弾けます。
ガス感多めで、これは発泡を楽しめるスパークリング日本酒です。
え、なにコレジュースじゃん!
味わいは厚み(濃ゆさ)がありつつ、柑橘や梨。
後口はスッとさわやか&軽やかに去りつつも甘みが鼻と口に残ります。
アルコール度数が11度と低めですが、しっかりと厚みがあり飲みごたえもあります。
ドライ過ぎず、甘みがあるのが嬉しいです。
2020のクリスマスタイプは「さっぱりドライ感」が印象的だったので、比べるとディザン・ノエルの方が断然好きです。
うーん。
これは梨サワーかな?
甘味が強すぎず、ドライ過ぎず、丁度良いです。
みかんほど甘くなくて、はっさくやいよかん、少しグレープフルーツっぽい苦味と酸味を最後に感じます。
写真ではわかり難いですが、ボトルの底にふわっとたまるオリを混ぜてみたいと思います。
やさしく混ぜてから開けると、じゅわじゅわ~っとガスが抜けてゆきました。
グラスに注ぐと、しっかりとにごります。
早速香ってみると、梨っぽさと、ガスの爽快感が鼻を抜けます。
ジュワジュワ!
混ぜていない時とあまり印象は変わりません。
あ、でも後口のさっぱり感が増したように感じます。
そして、ナマフェス(豊洲)のイベントで飲んだ時は「にごりらしさ」を感じましたが、そんなににごりを感じません。
少しシルキーさはでたかな。
ナマフェスの際は「野外」でボトルの温度が上がっている状態だったためー5度保管よりも「発酵が進み味わいが深く」なっていたのかもしれません。
どんな状況で飲むのか?開栓前までの温度管理は?といったことで味わいが変わることを実感した出来事でした。
とりあえず飲んでみよう!と勢いで開けたため、料理のお供が冷凍パスタとなりました。
パスタを食べてから、ひと口飲んでみると
「おいしっ!」
柑橘感が増し、酸味がいい感じにクリームと合わさって美味しいです。
これは結構マリアージュしているのだが?
食べて飲む度に「美味しい」と口に出ます。
合う~。
うますぎでお酒が進みます。
これはずっと飲める組み合わせです。
1日で飲み切るのがもったいなくて、冷蔵庫にて残りを保管していました。
滓(オリ)を混ぜてから開けてみると
「ジューーーーーーっ、ポン!」
かなり弾けました。
やはり冷蔵庫では酵母が活動できるので、活発に発酵を続けていたことがわかります。
まぁるいクリームチーズみたいな香りがします。
柑橘&乳酸を感じる香りです。
初日とは違う香り。
ジュワジュワ&酸味。
オレンジの酸味感でうまーい!
オレンジというより、いよかん?初日よりも甘さがあります。
口の中で泡が弾けて、シルキーというよりクリーミー感があります。
かなり柑橘&おいしい甘さになっています。
初日よりも、3日目の方が断然すきかも…
合うだろうなと思い、今日はキムチ鍋にしてみました。
キムチ鍋を食べてからディザン・ノエルを飲んでみると、ジュワジュワさがUPし酸味がうまい具合に絡み合います。
甘さも酸味に寄り添うように存在するので、とても美味しいです。
なにこの飲みやすい液体。
飲んでいると梨も香ります。
わーん。すきだー!
ふわふわと甘いのがまた美味しいです。
「ボフンッ!」
と開きました。
ガス圧高めです。酵母元気すぎん?
改めて飲むと、美味過ぎなのだが?
めっちゃおいしいです。
本当飲む度においしくて、甘過ぎずスッキリもして、ジュワジュワ梨&柑橘で…
日本酒感一切なし。
甘さがやさしくふわふわなもの良いです。
わーん。すきだー!(2回目)
ディザン・ノエル、とっても美味しいお酒です。
今回、ナマフェスで「焚火と音楽と共に日本酒を愉しむ」という世界線を知れたので、残りのもう1本は最近はじめた焚火と一緒にまたいただきたいなと思いました。
1本じっくり味わえて幸せでした。
ごちそうさまでした!
今回、ポップアップストアとしての開設はありませんでしたが、東京豊洲にある「CITABRIA BAYPARK Grill & BAR」にてグッズ販売が行われました。
12月24日・25日の2日間に開催された「ナマハゲフェスティバル」に参加した人のみが購入できるという内容でした。
といった流れで購入&受け取りとなります。
今回の目玉はなんと言っても
だったのではないでしょうか?
特に亜麻猫グラスは、もともと以前に発売された「亜麻猫10周年記念酒」についていた物しかありませんでした。
ですが、今回のイベントで発売となり嬉しかった人も多かったのではないでしょうか。
わたしはイベント当日わちゃわちゃしていたため、じっくりとグッズ販売の内容を見ている暇が無く
のみを急いで注文して終わりました。
そうなのです。
ボトルスーツ(ホワイトバルキリー)の抽選申込についてはスッカリ抜けていました。
亜麻猫グラスに関しては、10周年記念のグラスを1脚持っていたので注文しませんでしたがデザインが若干異なっていたとのことでやってしまった感があります…
そして、後々、新政酒造の佐藤祐輔社長のTwitterにて
の2つはかなりこだわって作られたものでオール秋田メイド・品質も最高級と知り…
買えば良かった…
と後悔している品になります。
またどこかで販売された際は、新政酒造さんのファンとして購入しておきたい品ですね。
これまでにポップアップストア等で購入した「新政Tシャツ」のグッズはこちら。
紫舟タイプコラボのポロシャツと、漫☆画太郎Tシャツはありませんが眺めているだけでもホクホクです(* ´ω` *)
わたしはコレクター気質があるので、開けるのがモッタイナイと感じる人間です…
ですが集合写真(?)も撮れたので、今年の夏からは着て過ごしたいと思います。
でも黒い服って猫チャンの毛を吸い取るんですよね…毛だらけ待ったなし!(笑)
第六弾のディザン・ノエルは、
と3本に出逢う機会をいただくことができました。
「実際どんな風に販売されたのか?」
は下記のページにまとめていますので、気になったあなたはチェックしてみてください。
\【ディザン・ノエル】抽選・購入方法まとめ/
No.6十周年記念酒はこれにて終了となります。
1年間、追いかけた皆さまもおつかれさまでした。お祝いに参加できてうれしかったです(* ´ω` *)
わたしは新政酒造さんの日本酒が大好きなので、また何かイベントや記念酒の販売がありましたら当サイトでも追いかけてゆきたいと思います。
品目 :日本酒(純米酒)
内容量 :720ml
アルコール分:11度
原材料名 :米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)
精米歩合 :55%(麹米、掛米ともに55%)
原料米名 :秋田酒こまち100%使用
原料収穫地 :2020年 秋田県秋田市鵜養地区 収穫
使用酒母 :きょうかい6号
貯蔵 :国産ミズナラ樽
醸造年度 :令和3酒造年度(2021-2022)
杜氏名 :植松誠人
製造者 :新政酒造株式会社
秋田市大町六丁目2-35
製造年月日 :2021.12(出荷年月)
価格 :5,800円(税込)
公式サイト :http://www.aramasa.jp/
公式Twitter :https://twitter.com/aramasayamayu
No.6 十周年記念酒のラストとなる第六弾が発売されました。
今回は、毎年発売されているX-mas-Type(クリスマスタイプ)の「進化版」としてディザン・ノエルの発売となりました。
No.6の十周年記念酒は
を購入&味わうことができましたが、やはりわたしは「ダイスケリチャードtype」が1番好みな印象が強く残っています。
でも、「ディザン・ノエル」も美味しかったです!(全部美味しいのですが…)
唯一購入できなかった「第4弾の漫☆画太郎タイプ」に関してはナマフェスで飲むことができました。
漫☆画太郎は「まるでレモン水」な味わいでこれもまた美味しかったです。
2021年は、限定酒を求め全力で走り切ることができました。
なかなかに大変だった…というのが感想です。
2022年は、「天蛙(あまがえる)の10周年記念酒」が発売されるようですのでこちらをチェックしつつ、少しゆっくりしたいと思います。