日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、福島県南会津郡南会津町にある「花泉酒造合名会社」さんの醸す「かすみロ万」(かすみろまん)です。
花泉酒造さんの醸す「ロ万シリーズ」は地酒にこだわり抜いたお酒です。
と、とことん福島にこだわっており
といった特徴のある日本酒です。
実は、わたしは飲むのが初めてとなる日本酒。
SNSでよく見かけていましたが「ロ万(ろまん)」が読めずに「くち…まん?」と最初は??がいっぱいの出会いでした。
福島県にある酒蔵さんの醸す日本酒は、仁井田本家さん(にいだしぜんしゅ)、松崎酒造さん(廣戸川)に続き3銘柄目!
福島の地酒、おいしい銘柄が多すぎやしませんか?
そして、こちらのロ万シリーズは季節ごとに発売されるお酒。四季に合わせて楽しめるように…と種類がたくさんあります!
ロ万シリーズは季節にピッタリの酒質のお酒を用意しています。
と季節ごとの味わいを愉しめます。
さらに、新商品「ロ万 純米大吟醸 生原酒」が2021年3月26日に解禁!以後「しずく取り」や「原酒一回火入れ」などが控えています。
今回いただいた「かすみロ万」は、2月に出荷された新酒でしぼって間もない生原酒を瓶詰めしたものです。
2020BY(令和2酒造年度)からは、精米歩合が60%から55%へと高めて仕込まれています。
ラベルが光沢のあるピンク色で角度によっては黄色や水色に発色。冬から春に変わってゆく新しい季節へのワクワクを感じとることができます。
花泉酒造さんが全銘柄で行っている伝統の「業」。
「四段仕込み」という仕込み方法を知っていますか?
日本酒を仕込む際、通常は「三段仕込み」という米(掛米)、麹(麹米)、水を3回に分けて投入していく方法で仕込んでいきます。
これは、一気に全ての原料を投入してしまうと濃度や酵母密度が一気に薄まってしまい、不要な微生物が繁殖するリスクが高まってしまうためです。
そのため日本酒造りの際には、4日間で3回に分け原料を投入していきます。
花泉酒造さんでは、この三段仕込みの後にさらにひと手間を加え、蒸したもち米を熱いまま仕込む「四段仕込み」を行っています。
そうすることで、甘味のある酒質に仕上げることができ「すっきりとしながらも優しい旨みとコクを持つ」花泉さんならではの味わいになるのです。
現在、全銘柄でこの「もち米四段仕込み」を行っているのは花泉酒造さんのみと言われ、花泉酒造さんならではの日本酒の味わいを存分に楽しむことが可能です。
そして2019酒造年度からはさらに進化をし、一部の銘柄で蒸したもち米を適温に冷ましてから仕込む「新しい四段仕込み」にチャレンジされています!
伝統を継ぎながらも進化していく花泉酒造さん。
ファンにはたまらない!進化していくお酒を楽しむことができます。
いつもは四合瓶の量であれば1日で飲み切ることが多いですが、今回は「2日間」かけて味わいの変化を楽しみつつ飲んでみました。
最初は「マイナス5℃」で保管をし、開栓後は「冷蔵庫の野菜室(0℃)」で保管と、味の変化を愉しんでいます。
後から知りましたが、かすみロ万は「燗酒」として温めて飲むのも美味しいと…!
次に飲む機会がありましたらぜひ試してみたいと思います。
香りを楽しみたかったのでワイングラスにしてみました。
かすみ(うすにごり)酒なので瓶の底にふんわりと滓(おり)が沈んでいますが、まずは混ぜずにグラスへ注ぎます。
なるほど。にごり酒特有の稲穂のような原料香がします。
続いて、フルーティーでいい香りもします。
これは桃かな?
ひんやりとして気持ちが良いです。
ジューシーな甘味があり、きれい。
それでもう満足感があります。
後口は、爽快さとキレ…というか強さがあり、お米の甘みも感じますが引きずりません。
冷たいのが美味しい。
酸味はわずかに感じます。舌にはちょっとだけ微発砲感。
酸味よりも爽やかな苦味を感じます。いい意味での苦味です。
舌にアクセントを残してくれます。
これは美味しい日本酒。
飲んでいると洋ナシっぽさもあります。
常温に近づくとメロンっぽい感じもします。
濃ゆい?強い?日本酒のアルコール感がしっかり残って、香りがとても良いです。
【食パン × 日本酒】
この組み合わせをペアリングするのはきっとわたしくらいではないでしょうか?(笑)
生食パン大好きで、一番好きなのがこちらのセントル ザ・ベーカリーの食パンです。
買いたてフワフワな食パンと一緒にいただいてみると…
甘さがマッチして美味しい!
食パンが立派な酒の肴に変身しました。
日本酒と食パン、合います!
チュ―――っぽん!と良い音を立てて開きました。
早速飲んでみると、しっかりにごり!
舌にシルキーさと、にごりのざらり感を感じます。
香りが濃くなりました。
甘味よりも旨みが増した感じで、辛さも少し出たかな?
ジュワリと微発砲感もUPしました。
2日目はしっかり料理と合わせたいと思います。(昨日は食パンだったので笑)
甘い、嗅いだことのある香りがします。
昨日よりも濃い香り。
何かのフルーツなのですが…もも?マンゴー?…バナナ!
あの、バナナの形をしたおやつ…バナナカステラの甘い香りと味がします!
(小さい頃に食べた記憶から持ってきたので違うかもしれません)
酸味がやさしく舌を刺激して、もも感もあります。
甲子(きのえね)の立春朝搾りを入れて作った、豚バラ肉と白菜のミルフィーユ鍋と一緒にロ万もいただいてみました。
詳細は下記の記事で確認できます。
合う!
豚の甘みと合います。
香りがとっても良いです。
甘味が美味しくなり、その甘さがミルフィーユ鍋にとてもマリアージュします。
ぽん酢とも合う!
豚のミルフィーユ鍋と合わせて正解でした!最&高。
薬味の生姜やねぎと一緒にいただくと、さわやかになって美味しいです。
とても美味しくいただくことができました♪
わたしは飲んでみて「他のロ万も飲んでみたい!」と思った日本酒ですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが「悪いところは感じられない日本酒」だと思います。
ロ万シリーズのお酒は初めていただきましたが、とても美味しくいただくことができました。
また「もち米四段仕込み」という、他の日本酒ではあまり見たことの無い製法で造られているため1度は「どんなものなのか?」味わってみるのも愉しいかと思います。
花泉酒造合名会社さんのロ万シリーズは、「特約店」さんのみで販売されている限定流通の日本酒となります。
特約店さんの一覧は、公式サイトの下記のページより確認することが出来ます。
https://hanaizumi.ne.jp/stores/agent
わたしは近くに特約店さんが無かったため、ネット通販をしている特約店さんを利用しました。
ちなみに、4月12日現在、矢島酒店さんで「かすみロ万」の一升瓶(1800ml)であれば在庫がまだありました。※四合瓶サイズは売り切れ。
季節商品となりますので、気になったあなたはお早めに。
また、花泉酒造の主な情報は「Facebook」にて発信されているようです。
新商品や最新情報、出荷情報など気になるあなたはFacebookをチェックすると便利です。
花泉酒造合名会社・公式Facebook
https://www.facebook.com/hanaizumi.roman/
かすみロ万 :純米吟醸 うすにごり生原酒
原材料名 :米(会津産)米麴(会津産米)
精米歩合 :55%
アルコール分:17%
麹米(割合) :五百万石(20%)
掛米(割合) :夢の香(71%)
四段米(割合) :ヒメノモチ(7%)
使用酵母 :うつくしま夢酵母
内容量 :720ml
価格 :1,650円(税込み)
公式サイト :https://hanaizumi.ne.jp/
かすみロ万は、ロ万シリーズの中でも一番甘味をしっかり感じることのできる日本酒です。
アルコール度数が「17%」と他の日本酒と比べても高くなっていますが、17%を思わせないスムーズな飲み口のため杯の進んでしまう日本酒となっています。
飲みすぎには注意をしてくださいね。
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