日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、栃木県さくら市にある「株式会社せんきん」さんの醸す「仙禽一聲」(せんきんいっせい)です。
株式会社せんきんさんの醸す日本酒には、主に5種類のブランドがあります。
当サイトでは、仙禽の日本酒を扱っている特約店さんが近所にあることと「その味わいが好き!」という理由からさまざまな種類の日本酒を実際に味わってきました。
春・夏・秋・冬と季節に合わせて発売されるジャケ買い必至でもある日本酒。
\季節限定酒はこちら/
精米歩合90%とほぼ磨かず、蔵付き酵母や木桶仕込みにて醸される超自然派の日本酒。
\ナチュールシリーズはこちら/
せんきんさんの表現する日本酒の「酸と甘み」を、亀ノ尾・雄町・山田錦と3種類楽しめるシリーズ。
\モダンシリーズはこちら/
せんきんさんの表現する日本酒の「旨み」を引き出した、亀ノ尾・雄町・山田錦と3種類楽しめるシリーズ。
\クラシックシリーズはこちら/
そして、今回いただいた仙禽一聲(せんきんいっせい)はこちらのプレミアムシリーズの1本となります。
どの酒蔵さんでも、通常の定番シリーズや季節限定酒以外により造りにこだわった「ワンランク上のプレミアムなお酒」を扱っていることが多くあります。
よく見掛けるのは「箱に入っている」タイプのお酒です。
箱入り=その蔵のプレミアム酒という認識でいて問題ないかと思います。
せんきんさんでは【3種類】のプレミアム酒を醸されています。
となります。
価格は定価で下記の通りです。
プレミアム酒の中でも「仙禽一聲」がお買い求めしやすい値段設定となっています。
スペックを先にお話しすると
と、通常、せんきんさんの山田錦のお酒は精米歩合50%~60%の所、精米歩合35%と贅沢に磨いた純米大吟醸規格のお酒です。
また濾過をせず、瓶詰めをしてから1回火入れをし瓶で貯蔵した日本酒になります。
生酒ではありませんが、酸化をさせないように品質を高く管理されているお酒です。
使用している酒米は「山田錦」と紹介しましたが、せんきんさんで使用する酒米はすべてドメーヌ・さくらとしてドメーヌ化されたものを使用しています。
ドメーヌ・さくらとは、栃木県さくら市にある蔵の地下水と同じ水脈上に限定して育てた酒米を使用しているという意味です。
日本酒造りに使用される仕込み水と同じ水で育てられた酒米を使用することで、米と水の最良のマリアージュを体感することができます。
一般的な酒蔵さんであれば、他県で作られた山田錦を購入して日本酒を醸す…ということが多くありますが仙禽さんでは「この土地でなければ生まれない唯一無二」を味わうことができます。
そして、せんきんさんの日本酒で山田錦を使用しているお酒は季節限定酒を除き
と2種類あり、それぞれモダンは速醸酛、クラシックは生酛という異なる製法で醸されていることを紹介しました。
※より詳しい詳細は各記事にてお話しています。
仙禽一聲はこの2つとはまた異なった酒質を設計し醸されたお酒で「ドメーヌ・さくら山田錦」のポテンシャルを極限まで引き出し完成されてたお酒です。
仙禽一聲(せんきんいっせい)とは「鶴の一声」を意味し、その名にふさわしい鶴が描く軌跡を体感することができます。
そのため、飲み比べをするのであれば【モダン無垢】【クラシック無垢】【仙禽一聲】の3種類で比べてみるのが1番違いを楽しめる方法かもしれません。
いつもの酒屋さんで見掛けた仙禽一聲はこれまでに飲んだことのあるお酒でした。
「とてもキレイで美味しい」
味わいと認識しており、久しぶりに販売されているのを見掛けたためその味わいをもう一度確かめてみたくて手に取ってみました。
こちらの一聲は、2021年4月に購入したものをマイナス5度で保管できる日本酒セラーで6ヶ月間保管し、10月に飲んでいます。
早速、飲んだ感想を書いてゆきたいと思います。
ふわっとキャラメルのような香りが鼻をくすぐります。
甘みからの、意外とさっぱり!
水のキレイさがとても分かる味わいです。
今日はキムチ鍋!
鍋を食べた後に飲んでみると、甘さとキャラメル感が強くなりました。
その後はなじんでゆく感じですが、甘さが押し寄せてきます。
とっても美味しいのですが、甘いみが濃ゆい!
でも後口はスーーーっとするため悪くはありません。
うーんでもやはり甘いかな?
キャラメルっぽい甘さ。
料理に合うかと言われたら、飲み口の甘さがデザート日本酒くらいに甘いかもしれません。
でもね、美味しい甘さなの。
すきです。
少し残した分を冷蔵庫で保管し、8日目に飲んでみました。
味わいの変化はあったのでしょうか?
香ってみると、濃ゆいキャラメルのような香りがします。
飲んでみると、甘さからのキレ感。
ですが甘さが口の中に残ります。
酸味感があるので、その甘さにくどさはありませんがとにかく厚みが残ります。
濃ゆい。
初日よりも濃ゆさがUPしています。
なんとなく来福キャラメルを飲んだ時のことを思い出します。
\来福キャラメルはこちら/
そして初日よりもキレ感が増していますが、後口に甘酸感が残るので美味しく飲めます。
ですが香りが濃ゆいため、一緒にいただく料理は選びそうです。
残していたお酒が少しだったので、お酒単体で飲み終わってしまいました。
おいしかったです。
ごちそうさまでした!
わたしは飲んでみて「やはりキレイ、またこの味を確かめたい」と思った日本酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが、仙禽さんの日本酒が好きな人にはぜひ飲んでいただきたい1本となっています。
モダン仙禽ほど甘酸の派手さが無く、クラシック仙禽ほどお米の野性味が無く、本当にキレイな仕込み水とドメーヌさくら山田錦という酒米を味わえるお酒だと思います。
同じ山田錦を使用していても表情が本当に異なります。
せんきんさんと言えば「甘くて酸っぱいお酒」というイメージが強くありますよね。
ですが、
「こんな雰囲気の日本酒も醸されているのですね…!」
とまた違った味わいを体感することができます。
せんきんさんの醸す山田錦のお酒の最高峰!気になったあなたはぜひ体感してみてください。
せんきんさんのお酒は、蔵での販売は行っていません。
特約店にて購入することができます。
全国の特約店さんは下記の公式サイトのページより確認することができます。
仙禽一聲(せんきんいっせい)の販売時期に関しては、酒販店さんで見掛けたら購入していたため「不定期」なイメージがあります。
わたしが購入したのは、2021年の4月。
その後、2021年の12月にも入荷しているのを見掛けました。
調べてみたところ、3月29日現在でも在庫のある酒販店さんがありましたので記載しておきます。
他にも調べたい場合は
【仙禽一聲】
【仙禽一聲 入荷】
といったキーワードでYahoo!やGoogle検索を行うとオンラインで販売している特約店さんをヒットさせることができます。
仕様 :無ろ過原酒・瓶囲い瓶火入れ
原材料名 :米(国産)米こうじ(国産米)
原料米 :ドメーヌさくら・山田錦100%(栃木県さくら市産)
精米歩合 :35%
アルコール分:15度(原酒)
内容量 :720ml
価格 :2,800円(税込み)
製造者 :株式会社せんきん
所在地 :栃木県さくら市馬場106
公式サイト :http://senkin.co.jp/
Twitter :https://twitter.com/senkinofficial
Instagram :https://www.instagram.com/senkinofficial/
わたしが今回いただいたのは「2021」のものですが、「2022」が入荷している酒販店さんもあります。
酒販店さんによってはまだ「2021」の在庫がある場合もありますので、どちらが飲みたいのか?購入前に確認しておくと安心です。