日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、福島県会津若松市にある「宮泉銘醸 株式会社」(みやいずみめいじょう)さんの醸す、「冩楽 純米吟醸 酒未来」(さけみらい)です。
福島の地酒と言えば「飛露喜(ひろき)」という銘柄のお酒をまず思い浮かべる人も居るかもしれません。
飛露喜は、製造数が限られているため日本酒愛好家の間ではプレミアな日本酒の1本として入手困難なお酒としても名前が挙がります。
そんな中、飛露喜を抜かす勢いで日本酒好きの人たちから選ばれているのが「冩樂(しゃらく)」と言う銘柄の日本酒です。
1955年(昭和30年)創業、会津若松を象徴する鶴ヶ城の目の前に酒蔵を持ち、夏は暑く冬は厳しい寒さとなる米作りと酒造りに適した地で醸されています。
宮泉銘醸の4代目・蔵元杜氏を務めるのは宮森義弘(みやもりよしひろ)さん。
2007年に26歳で蔵へ戻り、いつ潰れてもおかしくない状態だった蔵を大改革で立て直し「冩樂」のお酒が生まれました。
ラベルの裏には
米を愛し、酒を愛し、人を愛す。
みなさまに愛される酒を目指します。 宮森義弘
と記載のある通り、全ての工程で一切手を抜かない酒造りにて醸される冩樂は「誰が飲んでも美味しいと思う酒」を目指して醸されています。
その味わいは「フレッシュさと綺麗な果実味を感じられる味わい」として、甘みや酸味のバランスも良く広がり女性の方からも好まれるお酒となっています。
冩楽のお酒は「会津・福島県産の酒米」の他に「県外の名産地で作られた酒米」を季節に合わせて使用し、醸されています。
そのため毎月「米違いで醸されたお酒」が順次リリースされます。
酒未来とは、酒造好適米(酒米)の名前で冩楽では「毎年8月・年に1回」にリリースされる銘柄になります。
そして酒未来は、幻の日本酒として名高い「十四代」で有名な山形県にある「高木酒造」14代目社長となる高木辰五郎さんが育成した十四代オリジナル酒米のひとつです。
日本酒の未来が永遠に輝くように…と願いを込めて命名されました。
実は、高木酒造さんでは1999年-2000年にかけて3種類の酒造好適米を自ら育成されました。
もしかしたら聞いたことのある人も居るかもしれません。
オリジナルで育成された酒米のため「自社でしか使用できない」とすることも可能です。
ですが「酒未来」に関しては交流のある蔵からはじまり、現在は全国の若手蔵元を中心に声を掛け酒未来を使用する酒蔵さんも増えています。
その数20蔵以上!
思ったよりも増えてきているようです。
中でも人気なのはやはり、本家十四代(じゅうよんだい)、而今(じこん)、そして冩樂(しゃらく)といった銘柄が名を連ねています。
なお「羽州誉」を使用している酒蔵さんは十四代以外は5蔵のみで、その中に冩樂(しゃらく)も入っており「10月限定」の日本酒として発売されています。
ちなみに「龍の落とし子」に関しては、門外不出のため現在は十四代でしか飲むことが叶いません。
こういった経緯もあり、特に「酒未来」を使用している銘柄の日本酒は十四代ファンの方や十四代に興味のある方から注目をされている酒米となり人気があります。
写楽の日本酒を飲むのは、こちらの酒未来で4本目となります。
実はわたくし「酒未来」という酒造好適米の存在を知ったのは昨年(2021年)で、全くもってその存在を知らなかった一人です。
元々十四代という日本酒にさほど興味の無い人生を送ってきていたため、今まで出逢ったことはまず無いかと思います。
ですが、日本酒の深みにハマり何かと調べていると十四代に行きつくことが多々あり「高木酒造さんの影響力はすごいんだなぁ」と感じている今日この頃です。
また「酒未来」を飲んでみたのもこちらの写楽のお酒がはじめてです。
酒販店さんに行ったときに丁度「ラベルの文字がピンクで可愛い冩樂」が置いてあったため手に取りました。
ジャケ買い…ですね。
また、このお酒を購入したのは「2021年8月後半」で実際に飲んだのは「9月の後半」となります。
初めての「酒未来」のお酒はどんな味わいだったのか?
見てゆきたいと思います。
フルーティーですが、キレのある香りです。
酸味がスーッと上の方を抜けてゆきます。
美味しい!
そして濃いぃぃです。
甘みもしっかりと甘いのに、酸味がさらってゆくため後口はキレれるようにスッキリとします。
ですが辛口感はありません。
鍋に合う!
お酒の甘酸の「酸味」が引き出されて美味しいです。
そして常温よりも、よく冷えているほうが美味しい!
甘みには、ラカントSのような独特な甘さがあります。
入りは濃いぃぃぃい旨みたっぷりのお酒なのに、ラストに向けてキレさっぱり!
このキレ感は嫌な感じは全くありません。
~メモはここまで~
なるほど。
初めての酒未来でしたが、なんか他の酒米との違いとか…書いてあるのを過去のわたしに期待したのが間違いだったかもしれません…
写楽のお酒の味わいは好きなので美味しかったのは間違いありませんが「キレすっきり感」が特徴の味わいだったようです。
そして、甘みも他の写楽とは少し違う感じですね。
記事として書くまでにタイムラグが結構あるため朧げです…
思ったのは「酒未来」を何種類か飲み比べしてみたい!
ということでしょうか。
後、口コミで見たのですが「3日目」が美味しいと。
酒未来は1日で飲み切らずに、日を開けて楽しむのが美味しいといった声がありました。
メモの感じですと、わたしは1日で飲み切っていました。
酒未来に関しては全くの初心者なので、どんな傾向があるのかわたしもいろいろ飲んで学んでゆきたいと思います。
美味しかったです!
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「酒未来、もっと知りたい!」と思った日本酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは、
です。
こちらのお酒は「アルコール分16度」としっかり度数のあるお酒です。
重たすぎる感じは全くありませんが、低アルコールでカジュアルに飲みたい人には向かないかもしれません。
また、後口にキレ&スッキリさはありますが基本的に甘旨ジューシーなお酒です。
そのため、とにかくキリッとした日本酒が飲みたい人には甘さが気になるかもしれません。
ですが「酒未来?気になる!」という人や「冩楽はとにかく全部飲みたい!」という人にはオススメの日本酒です。
また、ぜひ酒未来を飲む際は、他の酒蔵さんの酒未来も飲んで比べてみて欲しいなぁと思います。
使われている酒蔵さんの限られる「酒未来」、探求してみると日本酒の楽しみがまたひとつ増えるかもしれません。
「冩楽」は特約店限定流通のお酒のため、福島県にある宮泉銘醸さんの酒蔵へ行っても購入することができません。
そのため、購入するには「正規取扱店」さんを知る必要があります。
お近くの正規取扱店さんは、電話での問い合わせで紹介してもらうことができます。
また、インターネットで販売店さんを検索したい場合は
【写楽 酒未来 特約店】
【写楽 特約店 東京】
といったキーワードにてGoogleやYahoo!検索をするとヒットさせることができます。
例えば、
なお、蔵元さんの意向でインターネット上での販売は「していない」酒販店さんが多いため実際に店舗へ行って購入する必要があります。
こういったこともあり「入手困難」として名前が挙がることもありますが、発売日に合わせて行けば買える銘柄のお酒です。
発売後も数日は置いてある印象です。
ですが「酒未来」に関しては特に人気銘柄のため、すぐに売り切れてしまう心配がありますのでSNSなどで酒販店さんの入荷情報をチェックしておくと安心です。
ちなみに2021年は8月12日ごろより順次入荷となっていました。
興味のある方は、まずお近くの特約店さんをチェックしてみてくださいね。
特定名称 :純米吟醸酒
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
原料米 :山形県産 酒未来100%
精米歩合 :50%
アルコール分:16度
内容量 :720ml
価格 :2,038円(税込み)
製造者 :宮泉銘醸 株式会社
所在地 :福島県会津若松市東栄町 八番七号
公式サイト :http://www.miyaizumi.co.jp/
現在までに飲んだ写楽のお酒は以上となります。
わたしは近くに特約店さんが無いので、写楽とはゆっくりと付き合ってゆきたいなぁと思っています。
逃してしまいましたが「愛山」そして「生酒」は今後飲んでみたいと思います。
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