日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、長野県上田市にある「岡崎酒造 株式会社」(おかざきしゅぞう)さんの醸す、ブルーボトルが印象的な「信州亀齢 ひとごこち 夏の純吟」(しんしゅうきれい なつのじゅんぎん)です。
江戸時代前期となる1665年創業の岡崎酒造さんの醸す「信州亀齢」シリーズは、
の夫婦二人三脚で酒造りを行い、昔ながらの丁寧な手造りにて地元信州の米と水と自然を大切に醸されているお酒です。
そして杜氏のみどりさんは「美人!」と日本酒界隈で有名です。
酒造りは10月~6月まで行い、製造石数は450石(一升瓶換算だと4万5千本)と小さな酒蔵さんになります。
その味わいは、フルーティーな香りと甘み・プチプチなガス感が特徴で、飲んだ人からは思わず笑みがこぼれるような美味しいお酒です。
その噂は日本酒好きな人たちの間で広まり、現在では「入手困難」な日本酒としても名前が挙がるほど人気銘柄となりました。
酒米は長野県産の「ひとごこち」「美山錦」を中心に、「山田錦」「山恵錦」「金紋錦」といった酒造好適米も使用しています。
信州亀齢シリーズの中で、唯一の季節限定酒として発売されるのがこちらの
\夏の純米吟醸 長野県産 ひとごこち/
です。
岡崎酒造さんの季節限定酒はこちらのみ。
ボトルはブルーカラーで夏らしく「暑くなる夏に飲んで美味しいように」と、少し軽やかなテイストに仕上げられています。
そのため、他の信州亀齢の純米吟醸酒とはまた違った味わいを愉しめる火入れの「夏酒」です。
そして、2022年は昨年とは異なり酵母を変更したことにより「少しテイストが異なった」とのことで毎年夏の純吟を飲んでいる方も違いを楽しめたのではないでしょうか。
また、夏の純吟は「特約店さん&蔵元直売所」での販売となっています。
今年は蔵元販売分のボトルカラーが「白」と通常のブルーカラーでは無く、酒瓶をコレクションをしたい人にとったらなんだかレア感がありました。
ちなみに特別感を出したくて別カラーになったのではなく、ブルー瓶が少し足りなくなってしまったために違う色になってしまったとのことでした。
夏の純吟の発売は、2022年は7月4日より蔵元発送・7月7日に蔵元直売店で販売スタートとなりました。
ひとごこちは長野県が開発した酒造好適米で、信州亀齢で一番多く使用されているお米となります。
岡崎酒造さんで使用される「ひとごこち」は3種類あります。
詳しい紹介は下記の記事に記載しています。
\定番酒!信州亀齢 ひとごこち 純米酒/
夏の純吟は「長野県産 ひとごこち」を使用しているため、飲み比べをして愉しむのであれば
といった同じ「長野県産ひとごこち」を使用したお酒と味わいを比べてみるのがおススメです。
ラベルの裏には
寛文5年(1665年)創業。長野県の東部に位置する上だにて、菅平水系の良質な水を使い、丹精込めて少量を醸しています。
さわやかな香りで、軽快な口当たりとキレの良さが特徴です。蔵人の思いを込めた「信州亀齢」をお楽しみください。
と、杜氏である岡崎美都里さんの言葉が添えられていました。
信州亀齢の日本酒を飲むのはこちらで4本目となります。
前回、ようやくスタンダードな火入れの定番酒である「ひとごこち 純米酒」を飲めてとても美味しかったのでまた何か飲みたいなぁと思っていました。
そんな時に購入できたのがこちらの「ひとごこち 夏の純吟」でした。
夏のひとごこちはどんな味わいなのでしょうか?
早速、見てゆきたいと思います。
スクリューキャップを開け、グラスに注いでいる時から華やかさが優しく香ります。
甘いパインやメロンのような瑞々しさがたっぷりと香り、スッキリとした酸味感は少々。
仕込み水のきれいさも分かる香りです。
優しい甘みから入り、ジュワっとガス感がハッキリとアピールします。
火入れしているのにこのフレッシュさ。
信州亀齢の特徴でもありますよね。
そして、甘みがワッ!っとやってきて苦味もしっかりと顔を出しました。
強さを感じる味わいです。
スッキリさや爽やかさよりも「苦味です!ドンッ!」という感じがあるのでもう少し落ち着きたいと思いました。
甘みや苦味、旨みもたっぷり。
ラベルの裏の「軽快な~」という紹介が当てはまらない感じがあります。
キレさよりも旨みが前面に出ている印象で、重たいというよりもボディ感がしっかりある感じです。
ですが最後、後口には清涼感があるためさほど重たく感じないのかしら?と思いました。
わたしには、たっぷり濃ゆさがしっかりあるお酒な印象です。
今まで飲んできた亀齢とは、飲んでいてちょっと違う印象があります。
今日は、冷やしトマトと牛肉とキャベツのオイスターソース炒めと一緒にいただきたいと思います。
冷やしトマトを食べてから飲んでみると、これは…!
あ、合わないかも…
お酒のキレさが出るのに、舌には旨味?苦味?が残り過ぎちゃう感じがします。
牛肉とキャベツは、旨みがとてもUP!
悪くは無いのですが、マリアージュやウォッシュ効果といったものは特にありません。
お互いに旨みが強すぎて、お互いが自立している感じがします。
この交わらない感じが軽快さになるのかしら?
飲んでいて重たくは無いんです。
ガス感も少しあります。
ですが、段々と食べて飲むを繰り返しているとマリアージュ感が増して感じるようになってきました。
今日の献立で1番合うのは、ささみのマヨネーズサラダです(写真に無いけど)
甘さが丁度良く、少しの苦みがアクセントに。
うん、やっぱりこのペアリングが一番好きです。
そして、牛肉とキャベツのペアリングも美味しく感じてきました。
甘さっぱり!
このさっぱりさが美味しいです。
最後はジューシーで濃さありつつの苦味!
そんなこんなで、味わいを探求していたら1本飲み切ってしまいました…
夏の亀齢も美味しかったです。
ごちそうさまでした!
わたしは、飲んでみて「料理によって合わないペアリングもあるけど、合うと旨い!」と思った日本酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
ですが、
「夏の信州亀齢を飲みたい!」
「いつもと違った味わいも知りたい!」
という人にはオススメの1本です。
わたしは結構苦味をしっかりと感じたのですが、信州亀齢の日本酒に関してはまだまだ知らないことがたくさんのため味わいのコメントは参考にならないかもしれません。
ですが、これまで飲んだ3本(金紋錦・山田錦・定番のひとごこち)とは異なる印象を受けました。
気になったあなたはぜひ一度飲んでみて、その味わいを自分の舌で確かめてみてくださいね。
岡崎酒造さんの醸す日本酒「信州亀齢」は、種類によって販売されるお店が異なります。
詳しく知りたい場合は、下記のページよりご確認ください。
\信州亀齢(きれい)のお酒を買うには?/
夏の純米吟醸に関しては
に該当します。
毎年7月に発売されることが決まっている銘柄となりますので、岡崎謙一さんのTwitterをチェックしていると蔵出し情報を見ることができます。
2022年の今年は、7月4日蔵出し・7月7日蔵元販売となりました。
酒蔵さんへ直接買いに行く場合は下記になります。
上田の観光地である「柳町」にある酒蔵さんのため、その街並みを楽しみながらお買い物をすることが可能です。
取り扱いのある特約店さんに関しては一覧などの記載が無いため、インターネットで検索するとヒットさせることができます。
「亀齢 特約店 東京(地域名)」
「亀齢 夏の純吟(商品名)」
例えば、
でしたら発売時にオンラインの販売状況をチェックしていると注文することが可能です。
ですが、オンラインの場合は入荷後に即売り切れとなることがほとんどです。
「店頭のみ取り扱い」
の酒販店さんもありますので、SNSなどで入荷情報をチェックしておくとオンライン販売よりは購入できることが多いため安心です。
特定名称 :純米吟醸酒
原材料名 :米(国産)米麴(国産米)
原料米 :長野県産ひとごこち100%使用
精米歩合 :55%
アルコール分:15度
内容量 :720ml
価格 :1,400円(税込み)
製造者 :岡崎酒造 株式会社
所在地 :長野県上田市中央4-7-33
公式サイト :http://www.ueda.ne.jp/~okazaki/
公式Twitter :https://twitter.com/naganokirei
Instagram :https://www.instagram.com/shinshu.kirei/
信州亀齢の日本酒は、9月に火入れの美山錦の発売が終わると次に発売される「新酒」が待ち遠しくなります。
新酒の発売は11月終盤ごろから!
第1弾は「純米ひとごこちの無濾過生原酒」が定番となっています。
ひとごこちの生酒はまだ飲んだことが無いため、ぜひ飲んでみたいなぁと思っています。
今から発売が楽しみです(* ´ω` *)
\関連記事/