秋田県山本郡八峰町にある「株式会社山本酒造店」さんの醸す「山本」という銘柄のお酒をご存じでしょうか?
今回は、山本の中でも通年商品となる
そして、東京駅のグランスタにも入っている「はせがわ酒店」さんオリジナルの日本酒
の3種類を飲み比べてみました。
山本さんの日本酒を知っている人からしたら「3本目は、山本 Strawberry Red ストロベリーレッド」じゃないの?と思われたかもしれません。
ですが、今回はこの3本で行ってみたいと思います。
早速、見ていってみましょう♪
秋田の日本酒と言えば「新政酒造」さんが有名ですよね。
山本酒造店さんは、新政酒造さんを含む計5蔵にて結成された秋田県の若手蔵元集団「NEXT5」としてユニットを組み、共同醸造酒プロジェクトの活動もされています。
わたしが山本酒造店さんを知ったきっかけがこの「NEXT5」の2020年に発売されたお酒を初めて飲んだ時になります。
「NEXT5」と言えば日本酒が大好きな人たちの間では、知っていて当たり前のように有名な存在となりますが2020年10月までその存在を全く知りませんでした。
わたしの住んでいる地域には、山本酒造店さんのお酒を取り扱っている酒販店さんもほとんど無いのでその存在を知るはずもなく、いままで出会う機会もなし。
ですが、NEXT5について調べていて蔵元となる「山本友文」さんのお人柄を見た時に「山本のお酒を飲んでみたい!」と思ったのが今回の飲み比べのきっかけとなりました。
ちなみに初めていただいた山本の日本酒は、春限定の「山本うきうき」です。
どんな日本酒だったのかは下記ページにて書いていますので参考にしてみてください。
わが家には、マイナス5℃で日本酒を保管できる「SAKE CABINET」(サケキャビネット)という日本酒セラーがあります。
冷蔵庫で保管するよりも、瓶内で生きている日本酒の酵母の働きや活動を遅らせることが出来るため、生酒でも安心して保管することが出来ます。
そのため「気になった日本酒は買っちゃおう」精神で、ひとまず目にした「山本」のお酒を購入することに。
購入しました。
この時点で「どういうお酒なのか?」は特に調べていません。
そのため、なんとなくシリーズっぽいなと思っていましたがここにもう1本「山本 ストロベリーレッド」があるとは知りませんでした。
こちらは純米吟醸のお酒で、通年商品のため比較的購入しやすいお酒となります。
また時期によっては、生原酒・あら走り生原酒・火入れなどがあり今回購入したピュアブラックは「火入れ」になります。
ラベルの裏には
その後年月が経ち山本の体力も落ちたため、作業は若い蔵人が行い本人は司令塔として酒造りに携わっています。
香りは敢えて控え目に抑え、柑橘系のフルーツを連想させるジューシーな酸味と、日本刀のような鋭い切れ味をイメージして造りました。
と記載されています。
こちらも純米吟醸のお酒で、ピュアブラックと同じく定番商品のため比較的購入しやすいお酒です。
火入れもありますが今回は「生酒」を購入しました。
ピュアブラックとの違いは「使用している酵母の違い」のみです。
ラベルの裏には
この商品はしぼりたての生酒ですので、お飲みになるまでは冷蔵庫にて保管してください。
と記載されていました。
今回は購入していませんが、こちらもピュアブラックの姉妹酒で純米吟醸のお酒です。
ピュアブラックとの違いは「使用している麹の違い」のみです。
焼酎に使用される「白麹」を使用しているため、甘酸っぱい味わいの日本酒とのこと。
唯一発売時期の決まっていないお酒とのことで、山本の定番酒の中ではレアとなり店頭で見掛けたら購入すべし!とのことでした。
…はい、わたしはタイミングが合わず出逢えていません。
また見掛けることがあったら購入してみたいなぁと思いました。
その出会いは、2021年3月。
こちらは東京都にある、はせがわ酒店亀戸本店に行ったときに購入した日本酒です。
「陽はまた昇る」という言葉に、今のコロナ過の生活について言っているのかな?と心に染み入るものがあり自然と手に取りました。
はせがわ酒店さん用のオリジナル日本酒となり「岡山県産の朝日米」を使用しています。
朝日米は、酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)ではなく食用米としてコシヒカリやササニシキなどの祖先にあたる高い評価を受けているお米です。
ラベルには
今流行りの華やかな酒質を期待して購入すると飲んだ際にがっかりして肩を落とすことになりますのでご注意ください。
後付けですが、恋のほろ苦さも表現しています。(笑)
と記載されていました。
ちなみに、今回は「陽はまた昇る」と書いてありましたが以前は「あなたの笑顔を愛してる」と発売された時期によってキャッチフレーズが異なっているようです。
山本シリーズで初めて飲んだ「山本うきうき」が好きなタイプの日本酒だったので、飲むのがとても楽しみでした。
ですが、今回の「ピュアブラック」と「陽はまた昇る」は香り控えめでキレを意識しているとのこと。
わたしは香りがよくてジューシー感もあり酸味と甘みが丁度良いタイプの日本酒が好きなので、好きなタイプとは違うかな?と思いながらいただきました。
一番さっぱり飲めそう&繊細さがありそうなこちらからいただきます。
控えめな柑橘系の香り。
メロンぽさもあります。
他の2つのお酒も香ってから戻ってくると、ラベルに書いてある通り本当に香らないタイプの日本酒です。
甘すぎないかわいい甘さ。
やわらかな酸味と甘さが混ざり、舌の上に留まります。
…と思ったら後口はキレ感。
キレすぎないので辛口ではありません。
鼻に華やかな吟醸香が残るので、後口にキレだけではなく甘くも感じます。
でも酸味感もあり、これはさっぱり系の日本酒。
飲んでいると、山本さん特有の「仕込み水の柔らかさ」が分かります。
サラダのナスは、さっぱり!とにかくさっぱり感。
オクラ(醤油ドレッシング)は甘さが引き出されて悪くありません。
アボカドは、甘みが増すけどさっぱりするので食べやすいです。
塩焼き鳥は、丁度いい甘さ。合う。
タレ焼き鳥は、おいしい!甘さが増してジューシー感あり。そして後口がさっぱりするので良い。
ポテトと一緒だと、キレが強く感じて日本酒感がでます。酸味も強く感じました。
お次はキレ感が強そうなピュアブラックです。
メロン。
皮よりのメロンの香りがします。
うりっぽくて、キレっぽさも香りに感じます。
さっぱり系のメロンと言った感じでしょうか。甘さが抑えられている感じ。
酸味があり、最後は思ったよりもキレ過ぎない。
そして甘すぎないので飲みやすい。
うーん辛口寄りかな?でも辛すぎません。
お米感が口に残り、やはりお水の柔らかさが分かるお酒です。
サラダのナスは、やわらかな酸味が良い感じ。柑橘さがあります。
オクラ(醤油ドレッシング)は甘さが丁度良くて、1番合います。
アボカドは、甘さが良い感じがあり落ち着きもあって飲みやすいです。
塩焼き鳥は、落ち着いた甘さと良い酸味。合う。
タレ焼き鳥は、甘さからのキレ。キレ感がちょっと気になるかな?
ポテトと一緒だと、甘みが増して良い。
最後は、この3本の中で1番好きなタイプだろうな~と思っていたこちら。
すきな香り!1番香ります。
こちらもうり系の香りで、みかんとかオレンジの香りもします。
甘さのある柑橘系の香り。ジューシーさもあります。
甘い!一番甘さを感じます。
でも最後はキレ感…というよりもさっぱり感があり、ジューシーさは口に残ります。
厚みのある甘さですが、酸味もあるので軽やかさもある。
お米の甘さも感じます。
水の柔らかさもとても感じます。
サラダのナスは、あまり合わない?一緒にいただくと気になる甘さになります。交わらない感じ。
オクラ(醤油ドレッシング)はしょうゆには合う!けど、甘みが増しすぎちゃいました。
アボカドは、甘い。お酒の甘さが強く感じます…が、後口さっぱりするので悪くはありません。
焼き鳥と一緒に…
塩焼き鳥は、甘みが多いイメージ。悪くはないかな。
タレ焼き鳥は、合う!甘さがUPして後口も美味しいです。飲んだ中で一番マッチしています。
ポテトと一緒だと、悪くない甘さで、後口が良い感じ。食べていると美味しいです。
さすがに1人で3本は飲み切れないため、2日間に分けて飲みました。
開栓前までは、日本酒セラーにて「マイナス5℃」保管。
開栓後は、冷蔵庫の野菜室にて「0℃」保管。
味わいの変化はあったのか?見て行ってみましょう。
香ってみると、メロンやパイン…いや、メロンです。
ひと口含むと、穏やかな甘さからのさっぱり感。柑橘ぽさもあります。
酸味。キレというか後口は少し辛い感じがします。
甘さが増しました。かなり合う。これは美味しいです。
甘いけどさっぱりもして、程よい酸味が良い感じです。
他の2本よりも、さわやかな甘さになりました。
香ってみると、ウリ。さっぱりした香り。硬さも感じます。
ひと口含むと、甘みがあります。思っていたよりも甘さが美味しい。
その後はすぐに酸味。陽はまた昇るよりも酸味を感じます。
ジューシーさのある甘みと後味にはキレ感。
陽はまた昇るよりも、甘さが増してジューシー感が。うまい!
お米の甘さを強く感じます。
豚キムチに一番合う甘さです。
さわやかさもあるので、それがいい感じにマッチします。酸味もよし。
香ってみると、甘い香り。柑橘の香りもします。
ひと口含むと、味も甘~い。香りのままの甘さ。他よりも甘みが強くて厚みがあります。
初日より甘さが強くなった印象です。
でも最後はさっぱり。
キレまでは行かずに酸味&さわやか。1番飲んでいてアルコールを感じました。強い感じ。
一緒にいただくと、甘さが強すぎる感じがあります。
酸味のある甘さなので美味しい甘さなのですが、料理と一緒だとたっぷり甘くなります。
これは量が飲めなそうな感じ。
サラダ(マヨネーズ)を間に挟むと、甘さが落ち着くので良い感じになりました。
3種類を飲んでいて一番甘いので、料理と一緒よりもたまーに飲むと美味しいです。
いっぱい飲みました!
ごちそうさまでした。
山本3種類を飲み比べてみて、共通事項は「お水のやわらかさが分かる日本酒」ということでした。
山本さんの仕込水は白神山地の湧き水を使用していて「超軟水」のお水とのことで、口に含んだ時や後口にそのお水のやわらかさをとても実感できます。
わたしにとってはこれがとても「特徴的」で、他の日本酒ではあまり感じない出来事でした。
今回同じ「山本」で違う味わいの日本酒を飲んでいますが、それぞれを順番に飲み続けていると「全部同じ」印象にも感じてきます。
使用されている仕込み水によって「日本酒自体の味わい」が決まるんだなぁとよく解る体験でした。
また、お酒単体としての好みの順は
でしたが、料理と一緒にいただくなら
という結果になりました。
今回は「同じ銘柄で3種類」のお酒を同時に飲み比べてみましたが、1本ずつ別々で飲んだほうがもっと分かりやすかったかな?とも思いました。
このほかにも、
といった飲み比べを行っていて「飲み比べの注意点」なども解ってきましたので、また記事として書いてゆきたいと思います。
山本シリーズの日本酒は、全国の特約店さんで購入が可能です。
詳細は下記のページに記載しています。
また、「山本 純米大吟醸 朝日(陽はまた昇る)」に関しては、はせがわ酒店さん限定のコラボ日本酒となりますので店舗へ行くまたは、ネットから注文する必要があります。
はせがわ酒店公式Yahoo!ショッピング
https://store.shopping.yahoo.co.jp/hasegawasake-tokyo/1010323.html
サイトに掲載されている写真には「あなたの笑顔を愛してる」となっていますが「陽はまた昇る」と同じ商品となります。
山本シリーズが好きで、朝日米の日本酒を飲んだことの無い人はぜひお試しください。
特定名称 :純米大吟醸
原材料名 :米(国産)、米こうじ(国産米)
原料米 :岡山県赤磐産朝日
精米歩合 :50%
アルコール分:15度
内容量 :720ml
価格 :1,680円(税込)
特定名称 :純米吟醸
原材料名 :米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)
原料米 :秋田県産酒こまち
精米歩合 :麹米50%、掛米55%
アルコール分:15度
内容量 :720ml
価格 :1,689円(税込)
特定名称 :純米吟醸
原材料名 :米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)
原料米 :秋田県産酒こまち
精米歩合 :麹米50%、掛米55%
アルコール分:16度
内容量 :720ml
価格 :1,629円(税込)
製造者 :株式会社山本酒造店
所在地 :秋田県山本郡八峰町八森字八森269
公式サイト :https://www.yamamoto-brewery.com/
Twitter :https://twitter.com/shirataki1901
7月には湘南の海をイメージした「山本 ドキドキ」という季節限定の夏酒が発売されます。
他にも限定酒の発売の情報や、NEXT5の活動状況などは山本の社長・山本友文さんのTwitterにて確認できますのでぜひチェックしてみてください。