日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、岩手県盛岡市にある「赤武酒造株式会社」さんの醸す「AKABU 純米吟醸 酒未来」(あかぶ じゅんまいぎんじょう さけみらい)です。
「赤い兜のラベル」でお馴染みの岩手県にある赤武酒造さんの醸す「AKABU」(あかぶ)と言う銘柄のお酒。
AKABUは2014年に生まれた日本酒で、赤武酒造の6代目で現在「杜氏」を務める古舘 龍之介(ふるだてりゅうのすけ)さんが情熱と愛情と根性で醸されているお酒です。
2022年で「30歳」となる古舘さんは若き杜氏としても日本酒業界で注目されており、AKABUの日本酒は若い世代からも支持される人気銘柄としても名前が挙がります。
特に、季節に合わせて発売される可愛いラベルのLimited(リミテッド)シリーズは発売後「即完売」となるブランドです。
今回いただいたのは「酒米違い」で醸されるElegance(エレガンス)シリーズの1本となります。
Elegance(エレガンス)シリーズにはこれまでに「4種類」の酒米でお酒が醸されており、ラベルの色で酒米の違いを見分けることが出来ます。
そして、2022年の3月より「新登場」となったのが
となります。
また、Elegance(エレガンス)シリーズには
の2種類があり、酒米ごとに順次発売されます。
ラベルの色と見た目は同じですが「NEWBORN」の文字が入っているのが生酒で、NEWBORNの文字が無いのが「火入」となります。
今回いただいたのは3月に発売となった「生酒(NEWBORN)」の酒未来ではなく、5月発売のNEWBORNの「火入れver」となりました。
エレガンスシリーズの4種類を飲み比べた記事もありますので、気になったあなたはご一緒にご覧ください。
\酒米違いのエレガンスシリーズ/
当サイトで酒未来(さけみらい)を使用したお酒をいただくのは赤武で2本目となります。
1本目となる冩樂(写楽・しゃらく)酒未来でも紹介しましたが、酒未来は山形県にある「十四代」を醸す高木酒造さんが育成したオリジナルの酒造好適米です。
金紋錦と山田錦を親に持つ「山酒4号」とたかね錦を放射線処理し突然変異で生まれた「美山錦」を掛け合わせ、18年という長い歳月をかけ育成されたのが「酒未来」という品種です。
そのため、高木酒造さんより譲ってもらわない限り使用することのできない酒米となっています。
最初は交流のある蔵からはじまり、現在は全国の若手蔵元さんに声掛けがあり「酒未来」を使用した日本酒に挑戦する酒蔵さんが増え、現在までに20蔵以上にて醸されています。
2022年に初めてチャレンジした酒蔵さんには赤武酒造さんの他に、奈良県にある「みむろ杉」を醸す今西酒造さん、山形県「楯野川」を醸す楯の川酒造さんなどなどがあります。
日本酒ファンの間では話題であり注目の酒米「酒未来」。
赤武酒造さんが醸すとどうなるのか?
ラベルの裏には
洗練された甘み、芳醇な余韻が広がります。
新しい時代に受け継がれている日本酒を目指して。
AKABUが夢見る未来への挑戦はまだまだ続く…
といったコメントが記載されていました。
赤武酒造さんの日本酒は、2020年12月にAKABU SNOW XMAS(赤武スノークリスマス)を飲んだ時からハマりこれまでに多くの種類を飲んできました。
今回、初めてとなる「酒未来」が発売されると知り「飲まねばならぬ…!」と思っていましたがNEWBORNは出遅れて売り切れに…
その後、5月に発売となった火入れバージョンを購入することが出来ました。
わたしは「酒未来」という酒米の日本酒はまだまだ飲んだことが無いため、その特徴を理解しておらず他の酒未来の日本酒と比べることはできません。
これから少しずつ知ってゆきたい酒米となります。
AKABU酒未来の味わいとは?
早速、飲んでゆきたいと思います。
王冠を開栓時「ポーン!」と小気味よい音が響きました。
グラスに注いでいる時から、華やかな香りが漂います。
香ってみると、甘みと酸味がしっかり香ります。
酸にはフレッシュさがあるので、甘いけど爽やかな香りです。
AKABUの愛山をイメージできる香りがします。
結構な甘み!
花の蜜のような甘さで、酸味がちゅんと広がります。
そして後口が不思議。
キレさがあるのに甘い。
濃ゆくて旨みたっぷり感があり、甘さはかなり甘いです。
後口には苦味もふわりとありつつ、若干のスッキリさ。でもとっても濃ゆいです。
「美味しいお酒ですか?」
と問われたら、うーん。正直分からないです。
もうちょっと味わってみないと…
ですが、飲み口の甘酸がこなれてくるととても美味しく感じてきました。
柔らかさもあります。
今日は焼き鯖寿司とアスパラベーコン、サラダと共にいただきます。
アスパラベーコンは、お酒の甘みとベーコンの脂の甘みが合わさり酸味が良い感じに引き出されました。
ジューシー感がでて、酸味が良い仕事をしてくれるので重たくありません。
そして後口のキレさが良い具合にスッと感を演出してくれます。
1点、とても濃いお酒なので今の季節はしっかり冷やして飲みたいですね。
マヨネーズサラダは、甘みに強さが出てちょっと甘過ぎちゃうイメージです。
悪くないのですが「濃い!」
焼き鯖を食べた後に飲んでみると、ギューン!と甘味UP!
甘さに彩りが出て、酸味はジュワっと美味しいのですが甘みがとにかく強い!
今日の献立の中ではアスパラベーコンが一番合います。
ベーコンの脂に合うのか、いい感じに交わり強すぎる感じが無く飲めます。
ですが、改めて焼きサバの後に飲んでみるとこのお酒の甘さに慣れてきたのか美味しく感じてきました。
1日で飲み切らずに、開栓後は冷蔵庫にて保管をしていました。
味わいに変化はあったのでしょうか?
香ってみると、パイナップルな香りがします。
初日よりもパインをしっかり感じます。
そして、パインな酸味と苦味も香るのでスッキリさもあります。
ひと口飲むと、甘ーーい!
やっぱり甘みは強いのですが、昨日よりも酸味の軽やかさがあり甘さにスッキリさを感じます。
フィニッシュに向かって苦味が舌を刺激してゆきますが、嫌な感じは全くなくむしろ初日よりも軽やかさがあって全体的に美味しくいただけます。
スッキリ感が出て、後口に感じた不思議な味わいが無くなってバランスが良くなっているように感じます。
改めて飲むと、やはり断然、今日の方が美味しいです!
瑞々しさが昨日よりある感じがして、甘みも爽やかになりました。
2日目、旨いです。
今日は、ささみの海苔巻き揚げとサラダです。
ささみの海苔巻き揚げは、甘酸の感じが丁度良くなりました。
爽やかさ有りつつ、旨みもあるのに軽やかにいただけます。
甘みは可愛くて…綿あめ?昨日の花の蜜ほどキツさがありません。
マヨネーズサラダは、甘みにまろやかさが出て優しく美味しいです。
うん、昨日よりも「やわらかさ」があります。
昨日は正直飲んでいて難しかったのですが、今日はとっても安心して美味しくいただけます。
そしてやはり後口には濃ゆさがあります。
濃醇なお酒で間違いはありません。
うーん。美味しいです。
昨日よりも断然気持ちよく飲めますし、荒さなく落ち着いています。
そんなこんなで飲み切り!
美味しかったです。
ごちそうさまでした。
わたしは飲んでみて「2日目が旨い!」と思った日本酒ですが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
赤武酒造さんが「酒未来」を使用して醸す日本酒は初とのことで、荒っぽいというかまだまだ理想のサケを模索中のような感じがしました。
そのためか、開栓初日の味わいは強くて濃ゆさが特に目立ちました。
2日目はその強さと甘さが「馴染んだ」ように感じました。
なので「ゆっくり味わいの変化を楽しめる」人向けのお酒では無いかと思いました。
来年も酒未来の日本酒は発売されるのでしょうか?
もし発売されたら今度は「生酒」を飲んでみたいなぁと思いました。
赤武酒造さんの醸す日本酒は、少人数で酒造りを行っているため蔵での直接販売をしていません。
そのため「特約店」という取り扱い酒販店さんでの購入が必要です。
全国の特約店の一部は、蔵元団体によるJ.S.P(ジャパンサケショウチュウプラットフォーム)のサイトにて確認することができます。
岩手県の特約販売店さんは、赤武酒造さんの公式サイトに一覧で掲載されています。
中にはインターネット通販を行っている特約販売店さんもありますので「近くに無いよ」という方は利用してみてください。
GoogleやYahoo!などで
【赤武 オンライン】
【赤武 酒未来(商品名)】
といったキーワードで検索するとヒットさせることができます。
例えば下記の酒販店さんになります。
なお「酒未来」や「愛山」といった人気の酒米を使用している場合、発売後は直ぐに売り切れてしまうことが多くあります。
そこで赤武酒造さんのInstagramをチェックしておくと、蔵出し情報の告知から発売日を予測することが可能です。
大体「蔵出しの翌日頃」には全国の取り扱い酒販店さんに入荷することが多いため、しっかりチェックしておくと安心して購入可能です。
また前もって予約を行う酒販店さん(はせがわ酒店オンラインなど)もありますので確実にGETしたい場合は「予約をしておく」のも良いかもしれません。
なお、2022年の酒未来の発売は
より特約店さんの店頭に並びました。
名称 :日本酒(純米醸酒)
原料料 :米(国産)、米こうじ(国産米)
使用米 :山形県産 酒未来100%使用
精米歩合 :50%
アルコール度:15度
内容量 :720ml
価格 :2,090円(税込み)
製造者 :赤武酒造株式会社
所在地 :岩手県盛岡市北飯岡1-8-60
公式サイト :https://www.akabu1.com/
Instagram :https://www.instagram.com/akabu_sake/
赤武酒造さんの酒未来を飲んだ感想は「赤武酒造さんらしい甘味が健在している」というのがやはり1番大きかったです。
AKABUは、その甘みに特徴があるお酒だと感じているため「濃ゆい甘み系」の日本酒が好みの方には楽しめる日本酒だと思います。
もっとカジュアルに飲みたいなら「Limited(リミテッド)」シリーズがスイスイ美味しく飲めるのでオススメです。
\夏のLimitedな1本「AKABU MOUNTAIN」/
\赤武の夏酒!SEA&夏霞をペアリング/
\赤武最高峰プレミアムシリーズ!魂ノ大業/