日本酒には出会いがある。
いつも飲んでいる日本酒。運よく買えたスペシャルな日本酒。たまたま買ってみたら好みだった日本酒…。
ここでは、唎酒師のわたしが出会った「本日の1本」を紹介します。
本日の1本は、栃木県さくら市にある「株式会社せんきん」さんの醸す「仙禽 かぶとむし」です。
「かぶとむし」は初夏に発売される季節限定の「夏酒」。
夏の風物詩としてラベルには虹色でカラフルな色合いのかぶとむしのイラストが描かれ、一見日本酒に見えないボトルは「どんな味わいなのか?」手に取るだけでワクワクしますよね。
ラベルがカブトムシということから、TwitterなどのSNSでこの日本酒を購入した際には「かぶとむし捕まえた!」と多くの人が投稿しています。
そしてこちらは毎年人気な銘柄のため、入荷すると直ぐに売り切れてしまうお酒となっています。
2021年は、5月27日ごろより酒販店さんの店頭に並んだのではないでしょうか。
2022年は、初回は5月28日ごろ、そして2回目は6月3日~とこの後も複数回の再入荷が予定されており最終出荷7月中で在庫があれば8月頃まで購入が可能でした。
そして2023年の今年は5月27日ごろより順次特約店さんに入荷となっており、毎年同じ位の時期に販売されていることが分かりました。
株式会社せんきんの11代目蔵元である薄井一樹さんは「会心の味わいに仕上がった」とコメントしていました。
一体どんな味わいの日本酒に仕上がっているのか?
とっても気になりますよね。
こちら初回の入荷が売り切れてしまっても、再入荷がありますので夏の期間にゆっくりと楽しむことができます。
お洋服のユナイテッドアローズさんとコラボした「UAくわがた」もしっかりと購入しています。
せんきんさんでは、公式サイトにも掲載されている
といった定番のお酒とは別に「季節限定」で醸される日本酒があります。
こちらはサイトには掲載がなく、InstagramやTwitterにてその存在を知ることができます。
といった、四季に合わせた日本酒を愉しむことが可能です。
当サイトでも、2020年のあかとんぼを飲食店さんで飲んでから、雪だるま、さくら、そして今回のかぶとむしとようやく四季のお酒の味わいを全て知れることとなりました。
※仙禽 かぶとむしは毎年購入していますが、こちらの記事の味わいの感想は2021のものになっています。
実は、かぶとむしを飲むのは初めて!
いつもの酒屋さんは仙禽(せんきん)さんの特約店でもあるため行けば「仙禽」のお酒をいつでも購入することができます。
その中でも「かぶとむし」ラベルのお酒は夏になると置いてあることは知っていました。
ですが、今まで日本酒に「季節限定で醸されている」お酒があることは知りませんでした。
2020年の秋に、唎酒師の勉強をした際にようやく知るに至ったのです。
そのため今まではラベルを見て「なんか面白い日本酒があるなぁ」と思っていましたが、手に取ることはありませんでした。
ですが今年のかぶとむしは、置いてあるのを見た瞬間手に取り無事に捕獲することができました(笑)
一体どんな味わいの日本酒なのでしょうか?
ラベルを見るだけでは全く想像がつきません。
ワクワクしながら開栓していきたいと思います。
早速グラスに注いで香ってみます。
…ふむ。
あまり香りません。
がんばって香ってみると、桃っぽい…?
ですが、酸味も感じる香りです。
さわやか!
え、なんだこの爽やかさ。
舌にはジュワリと、すっぱい酸味!
甘さよりも酸味!
確かに甘くないレモネードとか、レモンサワーの砂糖控えめのお酒を飲んでるみたいです。
酸っぱさと、爽やかさとがすごい。
なるほど、これはキンキンに冷やして飲みたい。
アルコール分も14度と強すぎないのでグビグビ飲めちゃいます。
レモンみあり。
さっぱり、爽やか。あれ、わたし日本酒飲んでるんだっけ?これは本当に日本酒??
日本酒感が無くて、その味わいに脳が追いつきません(笑)
まずは塩と共にいただきます。
ジュワっとしてからの、さっぱり爽やか。
なるほど。
続いてタレと共にいただきます。
酸味がさわやかで食べやすい。
さっぱりしておいしいです。
甘さが強くないので、さわやかに飲めて旨いです。
キレて行くわけではなく、さわやかさが口の中に残って美味しい。
焼き鳥の脂が気になりません。
何か飲んでてズルい。このお酒、ズルい。
初体験の味わいでした。
ちなみに、シュワシュワしたガス感は無いのでレモンスカッシュではありません。
去年のかぶとむしは飲んでいないため味わいの比較はできませんが、他の人のコメントなど見ていると「去年とは違う味わい」となっているようです。
仙禽さんの季節限定酒は、毎年味わいが進化しているため「その年、その年」の美味しさを愉しむことができます。
開栓前は、マイナス5℃で保管できる日本酒セラーに入れていました。
開栓後は、冷蔵庫の野菜室へ移し0℃で保管、少し熟成をさせてみました。
味わいに変化はあったのでしょうか?
やはり、あまり香りません。
さっぱりとした酸味のある…マスカットのような香りがします。
さわやか!レモンのような酸味が心地よいです。
開栓初日よりもお米の甘さを感じ、さっぱりしすぎません。
レモンの皮寄り味。
でも甘みは少~~~~し。ゴクゴクいけます。
個人的に甘みはもっと欲しいのですが「こういうお酒」と思って飲んでいると面白いです。
後口の奥に、ちゃんとした甘みも感じます。
ささみの海苔巻き揚げは、合います。
さっぱり食べれて、舌にちろっと甘み。あとはレモンのような酸味。
サラダのトマトは、酸味に酸味でかなり爽やか。
サラダのマヨネーズと一緒だと、甘みが少し引き出されます。
さわやかで美味しい。ちょうどいい爽やかさ。
うーん。このお酒は飲み過ぎちゃうの分かるなぁ。さらりとした甘さもあります。
1日目のインパクトがすごくて、3日目のまた少し違った味わいを愉しむのも面白いかと思いました。
かぶとむしを購入する際、酒屋の店主さんが「今までで1番の出来だってよ!」と言っていたので実は2匹捕まえていました。
1本目はひとりで飲んで驚きの連続でした。
2本目はこの味わいを誰かにも一緒に感じて欲しい…!
ということで、日本酒好きの人に飲んでみてもらうことに。
なにこれめちゃくちゃ美味しそう!
ラベルも可愛いね。
「…」
顔に「なんだこれ」と書いてあるのが分かりました(笑)
「日本酒と言って出されたら、想像していた日本酒の味わいとは全く異なるからビックリする」
とのことでした。
わたしも、かぶとむしを初めて飲んでみて脳内が本当にバグりました。
「思ってたんと…違う!」
というのが正直な感想です。
酸味の魔術師、せんきんさん。
来年はどんなカブトムシに巡り合えるのでしょうか?
日本酒って面白いなぁと改めて思った1本でした。
美味しかった!
ごちそうさまでした。
わたしは、飲んでみて「なんだこれ面白い!」とワクワクした日本酒でしたが合わない人も居るかと思います。
それは
です。
かぶとむしは、さっぱり!爽やか!酸味!といった印象の日本酒です。
ねこと日本酒のメディアをスタートして、意識的にさまざまな日本酒を飲むようにしてきましたが「一番想像と違う日本酒の味わい」を体験できるお酒でした。
本当に脳内がバグります。
日本酒と思って飲むと、処理しきれなくなる味わいです。
不思議で、面白い。
来年のかぶとむしはどうなってしまうんだろう?
「こんな日本酒あるんだ!」と、飲んだことの無い方にも1度は味わっていただきたい日本酒です。
株式会社せんきんさんの日本酒は、全国の特約店にて購入することが可能です。
特約店一覧は下記のページより確認することができます。
また、
「かぶとむし 特約店」
「仙禽 特約店」
といったキーワードでGoogle、Yahoo!にて検索をすると販売店さんを見つけることもできます。
ですが「かぶとむし」などの季節の日本酒は本数も限られ人気商品の為、入荷後に直ぐ売り切れてしまうことがほとんどです。
そのため、事前予約を行っている特約店さんにて予約しておくのもオススメです。
わたしはIMADEYA(いまでや)さんを利用することが多々あります。
発売の情報などは、せんきんさんの公式TwitterやInstagramをチェックしておくと「そろそろかな?」というのが分かります。
ぜひチェックしてみてください。
仕様 :無濾過生原酒
原材料名 :米(国産)米こうじ(国産米)
原料米 :ドメーヌさくら・山田錦100%使用(栃木県さくら市産)
精米歩合 :麹米50%、掛米60%
アルコール分:14度
内容量 :720ml
価格 :1,800円(税込み)
製造者 :株式会社せんきん
所在地 :栃木県さくら市馬場106
公式サイト :http://senkin.co.jp/
毎年「仙禽 かぶとむし」が発売されると「今年も夏がやって来るんだなぁ」と感じる夏の風物詩となっている1本です。
せんきんさんでは、これまで1度逃すと買えなかった季節限定のお酒も何回かに分けて再販をしてくれるため買いやすくなっています。
今年もまた「かぶとむし」を捕まえて夏を実感したいと思います。
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